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イベント型AVメーカーと制作型AVメーカーってなに??
AVはコロナ禍があったなかったは関係なく、かなり追い詰められた事情にありました。「売れない」というワードを関係者が発していましたが、当初は、「売れすぎていた業界が、下がってきた」だったのです。
ところが、消費税増以降、そこそこは数字を出していた人気AV女優ですら、そこそこ以下の売上になってきている。「無料違法サイト」の影響は、実はここにきて大きなダメージを与えているといってよいでしょう。
一部の人間たちが嘯く、「AVは無料ですよ」「AVはタダで見るものですよ」
漫画村でマンガを見ることが当たり前になってしまった人たちからすれば、AVだって同じこと。「webとは無料の代名詞」になっているわけです。特に日本は、地上波民放テレビ各局が広告と一部の権利獲得をベースにした無料ビジネスを構築してしまった結果、「テレビ的なものは無料」の意識が強いです。
なんとなく買っていた人たちも、AVだってビジネスだからと買っていた人たちも、消費税が上がった影響が自分自身に出てきたとき、購入することを止めたわけです。自分が1番我慢できるものからカットするのは当たり前ですから。
そして、AV業界は新しいステージへと進まざるを得ないことになったのです。
イベントを開催するAVメーカーのお仕事ってどんなこと?
そして業界内からの対応策として、「所属していたり、人気あるAV女優のイベントを展開するメーカー」と、「AV制作費を抑えつつ制作だけに集中するメーカー」に分かれています。正確にいうと分かれてはおらず、前者に走る(または走りたい)メーカーがほとんど。後者は制作会社が独立して作ったイメージで、業界でもごく一部です。
なぜ前者が多いのかは簡単な話です。AVとは、「AV女優がメインのメディア」です。たくさんの専属女優を抱えているメーカーだったり、人気AV女優を逐一チェックして、そのときの旬のAV女優を撮影し続けるメーカーなど、AV女優のデータは揃っているわけです。
また人間関係とその密接な関係性が重要な仕事です。現場レベルで仲良くなって、「あの子でこういう作品を撮影しよう」など、情で構成されている部分もあります。
そしてライブハウスや飲み屋などのイベント会場が、東京において増えていたのもイベント増加の呼び水となりました。ネタも重要ですが、何よりも集客力が重要。お客さんが来なければイベントをやった事実だけが評価される。ちょっと前のAVが売れていた時代ならば、ファン還元として成立したのですが、現在は、イベントとしてペイラインを求められます。
人気女優はキャスティング的にも取り合いが起こるのは当たり前でしょう。現実、AV女優系イベントは、そんな感じです。オリジナルイベントというには、事務所とファンの認知。それ以上に、本人が「これは私のオリジナルイベントだ」と認知しないとイベント熱量をファンが察知して、来る来ないを決めちゃいます。
アイデアやキャスティング、さらにはどこの会場を使うかなど、今までは考えてもみなかったことで苦しみつつ、ペイラインに到達するイベントを定期的にやりつつ、赤字割れを起こさない堅実なAVを作りるのが、AVメーカーのお仕事となったわけです。
そして、ライバルとして、もともとからイベントをやっていた主催者はもちろん、AV女優自身が所属している事務所も開催する方向を打ち出しています。チケット決済システムもどんどん簡単になっていますから、悩みは尽きないどころか増えている傾向にあるのです。
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AVだけを作れる幸せを享受しているAVスタッフ
イベントを積極的に行うことで、メーカーとしての色を打ち出したり、メーカーの内容を伝えたりすることが可能となり、媒体を選ばず発信できるので、むしろ積極的にやっているAVメーカーがある反面、イベント事には抵触せずに、AVだけを作るメーカーもあります。
確かに、会場や司会者、進行や物販など、トークイベント特有の知識があり、コネクションがないと精算ラインが掴めず、出演者たちに気を使いすぎて、赤字を呼び込むことになる可能性があります。
映像畑の人たちなので、イベントに出てコメントをいうのはできるし得意な人は多いです。ところが主催するとなると、決め事をみずから仕切らないといけない。映像を撮るときには慣れているけれど、ちょっと違う局面になると全部仕切ることになります。
逆に過信しすぎてもダメ。AVはエンタメのなかでも、分業されていないところが多く、監督だったりプロデューサーだったり、あらゆることをひとりで仕切るスーパーマンがいる場合が多いです。
そんな感じの人なので、イベントをやるとウケたりしますが、前述の通り、自分で場を仕切るよりも、誰かに仕切ってもらって語るだけが良いようです。まぁ「餅は餅屋」というところ。過信しているAV関係者は多くて、とんでもないイベントをやっていたり、未だにおっぱいポロリだとか、「ヌードであれば良い」レベルでイベントを企画する人も多い。やはり、AV屋さんは、AVに集中している人のほうが、好感を持てます(笑)
制作することに集中している会社は、流通も大手に所属していたりしますが、その分、作ることへのこだわりを感じる作品だったり、逆にこだわりを捨てることで、手軽に見やすいAVを作るなど、「AVとはこういうもの」をちゃんと理解できている会社が多いし、そうでないと成立しない。
作ること、そしてそれを観た人からの喜びの声を素直に聞ける人こそ、今もっとも必要な、AVを作る人たちではないでしょうか。
イベントとAVを共存させる会社にとって、コロナ禍は会社の根幹を揺るがしました。さらに、AV撮影すらままならない事情になっているので、AV全体にとって大変な状況です。
しかしながら、進むべき道はもうすでに作られているし、自分のポテンシャルを信じて、予定された道を轍に逆らうことなく進むしかありません。コロナ禍が明けたとき、どんな姿を見せてくれるかを、各メーカーに期待してお待ちください。
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AV女優には予測不能なほど、AV女優は人によって見られ方が違う!?
世界規模でパニックを引き起こしている新型コロナウイルス。数年後にこの文章を読んだとき、「そんなことあったね」となっていることを祈りつつ、筆を進めていきます。
実は、今回のウイルス流行によって、人間の本質が浮き彫りになっていたり、あらゆるビジネスが日本列島と同じように、いつ揺れても不思議ではない、「地震を起こす地層の上に乗っかっている砂上の楼閣」であることを明示させてしまいました。
人々を癒すため、喜ばすために存在するエンタメは、「なくても良いもの」だったし、人々に美味しい食事をさせてあげたい飲食業は、「経営者が儲けるためにあるもの」でした。営利追求は当たり前といえば当たり前なのですが、そこを感じさせないようにしつつ、偽善的にならないように作っていたものは、メッキが剥がれ、内側の本質が丸見えになったのです。
AVとは、婦人団体系に疎まれ、フェミニズムの対極にいるような存在ではあるけれど、なくてはならない「必要悪」として成立しているものと信じられていました。また、風俗とAVは、欲望に内包しているので完璧に否定できない人がほとんどです。エロの場合、「芸術」に限りなく接近することも可能なのですが、同じエロでも、AVと風俗は、業務内容からエンタメ以外には昇華できないのです。
エロネタというのは、エンタメのなかでも意外や重要な位置を占めています。エロをお笑いに振りすぎると抜けなくなるのですが、エロを全面に出したお笑いは、老若男女関係なくウケるネタです。幼稚な下ネタと下品な下ネタ、どちらもわかりやすく大衆ウケを得られる。コロナで亡くなったお笑いレジェンドは、この2つが本当に得意だったし、楽しそうにやっていましたね。合掌。
コンプライアンス厳しい現在にあっても、手を変え品を変え、ネタの中に仕込みます。わかりにくく、ストレートではないけれど、エロさが反映しているのが、最近のアイドルや、CMにおける女子たちの衣装がそれです。ヌードよりもエロく見えるようなアイデアが詰まっているかのよう。
今一番上り調子の人気アイドルユニットのテレビ出演用コスチュームは、丈は長めに設定されていますが、腰の部分がアンミラ風スカートになっていて、巨乳な子が着ていると、そのデザインのために隠しようがないほど、おっぱいが強調されてました。隠れ巨乳が炙り出された感じ。というか、そのアイドルを知らない人たちへのサービスかもしれないとも感じてしまいました。キュン♪
訴求力が一番早いのがエロ。そしてエロ事の象徴であるAVですが、地上波などの電波媒体において、コンプライアンスとやらに見事に引っかかり、「セクシー女優」という安易で差別的で、意味不明な名称で紹介され、登場するときにもエロさのかけらも与えられないことがほとんど。彼女たちが出る意味がまったくありません。
テレビ界隈も、本当のところはエロ役としてたくさん出演してほしいわけです。若手のブレイク前お笑い芸人とAV女優に、下品すぎて怒られるようなエロ絡みネタをたくさんさせたいのです。良くも悪くも、それが一番訴求力をもって視聴者に訴えますから。
今年で結成10周年を迎える現在のナンバー1アイドルユニットのメンバーソロ写真集ネタが、やたらとスポーツ新聞系に掲載されるのは、記事としての価値観じゃなくて、「合法的におっぱい(水着)を載せられるから」なのは明白でしょ?
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ここで質問です。「エロい女」のアイコンとしてAV女優を起用しているのですが、誰が浮かびますか?」
AV業界およびAV女優を応援するファンの間では、「AV女優=SEXアイコンであり品性下劣なヤリマン女」というイメージは、21世紀に入った以降、払拭されてしまいました。
最初の頃は、アイデアもなく、ただ見せたものを撮るだけのようだったAVも、今では、「見せるSEX」というジャンルを確定させました。そこに登場する女優や男優たちのイメージも変えました。業界が一般ジャンルに認知されていく動きのなかで起こったことです。
この結果、「エロい女」のアイコンに特定個人のAV女優が使われることがなくなってしまいました。「AV女優」というワードならば使用されますが、例えば、「壇蜜と明日花キララ」と並べたとき、どちらに「エロい女」をつけるかとすれば、圧倒的に壇蜜でしょう。そういうイメージを膨らませるような活動を壇蜜はしているし、明日花キララちゃんは、外向けの仕事をするときに、むしろエロさを消す方法をとっています。
AVは最初から脱ぐこと、SEXすることが前提にあるので、「隠したほうがエロい」的な発想はありません。お客さんがAVにそれを望んでいないからでしょう。もっと素早く扇情的に、「エロ表現」というよりも、「オナニーさせるための行為」であり、エロではないのです。
そしてAV女優は、AV以外の場では、「脱がず、エロくならずもエロは匂わせつつ」のような仕事が増えています。一般媒体だけどエロ要素があるのでそこのアイコンとして出演したり、風俗やキャバクラなどの求人宣伝サイトの女子たちのシンボル的な存在としてキャラクターになったりしています。
結果として、本人たちの予想しないメディアに露出しているので、本人たちが認識しないところで高い人気を誇るようになったのです。
AV女優になりたい女子で、この文章を読んでいるかたには、「AV女優とはAVじゃない仕事がほとんどである」と認識して間違いありません。SEXをしているよりも、エロの広告塔になることが多い。つまり、「エッチな女の子として、人一倍、目立たなければならない」のです。
ここは、これから必須ですから、肝に銘じていただきたいと思います。本人がスケベであろうとなかろうと、「淫乱変態女」と見られている事実をお忘れなく。尊敬の言葉をかけられようと、罵倒されようと、その人の考えていることの根は同じと思って間違いないです。
そして、イベント型AVメーカーでも、制作型AVメーカーでも、女優のキャスティングに関しては同じ見方をしています。「目立つ活躍をしている女優と仕事をする」です。メーカーは、左右にわかれているのですが、AV女優は一本道に集約されつつあるのが現状です。
まとめ〜「私の望んだAV女優じゃないです!」と叫びたくなる茨の道を進むAV女優たち!?
よく昔のAV女優話として、「まずはヌードになって顔を売る。それから歌手になれば売れるよ」というロジックがありましたね。このロジック通りになった人がいないんですが、昔は女子がエロ系メディアを見ない人がほとんどだったので信じられていたようです。
最近だとこれは逆。「AV女優になりたいわけで、タレントになりたくないです!」という女子が存在します。歓喜の表情を浮かべて悶えるAV女優のSEXに羨望の眼差しを感じる女子だったり、「お金を稼ぐために脱ぐ」というみずらを捨てて利を得る姿に感銘を受けているパターンもありますが、とにかくSEXエリートになりたい人たち、自己解放する場所と稼ぐことを合致させる場所として、AV女優が見えるようです。
そこに待ったをかけているのが、最近の「イベントをやらないと売れない」と言われるAV女優事情です。AV女優として露出はしたいけれど、AV以外の場所で目立つことはしたくない。親や親族、友人にバレたくないから、一般に近い場所にはいきたくないわけです。
AVの中だったら、いくらでも激しいことをしていても、外に出れば普通の女子でありたいという意識もあるでしょう。AV女優は、「変身願望」もかなえていることが分かりますね。
アイコンとして成立するならばまだしも、アイドルっぽく大喜利や物ボケをイベントなどでやらされたり、トークしたりすることは、「AV女優の仕事」ではないと思っている。これからAV女優になろうとする女子には忠告します。現在、AV女優とは、「タレントやアイドルのパロディー的な存在」ではなくて、「アイドルそのもの」となっているのです。
歌を歌いダンスを踊る可愛い女子。握手会でニッコリ笑顔で自分を釣ってくれる女子が望まれる存在です。自分の目の前に出ているときに理想通りならばOK。それ以外の場所では、SEXしていようが、業界人に抱かれていようが、知らないということ。
AV女優は、その志を捨てなければ、SEXを理想郷を得られる仕事であるのは間違いないでしょう。探究すればするほどに人気も高くなるし、肉体だったり精神だったりを磨きたくなることでしょう。
しかしながら、アイドル的なお仕事だったり、SNSでエロ可愛い写真をアップし続けることは大変に重要な営業です。本人を売らないとAVが売れない時代になってしまっているからです。作品として売れる場合、出ている女優をそこまでプッシュすることはない。SNSやレビュー、AVライターなどに稀にいますけど、まさに稀な存在であり、普通の人の感覚ならばAVの内容を見ていて、女優の出来不出来をチェックなどしていないのです。
「AV女優」として人気者になる道のりは、2020年以降、さらに茨の道になることは間違いないでしょう。AVを買うために取捨選別、あらゆるチェックを潜り抜けなければならない。AV女優という存在もまた、そのチェック項目のひとつでしかない。
AV女優は、「人気があるから、可愛いからアイドル的なお仕事をする」のではありません。「人気を得るため、可愛さを強調するためにアイドル的なお仕事をする」のです。
そして、「アイドルよりもアイドルに徹しないとアイドルには見えない」というハンデを背負いつつ、AVというお仕事を続けるために続けなければならないAV女優。
こうやって考えると、「お金も得つつ、本気でやれば何でもやることができる」という、一番しがらみという重力から離れた存在になれる可能性があるのも、AV女優ですね。
あらゆることに制限がかかるであろうコロナ禍以降の世界において、AV女優は不利なように感じます。しかしながら、密になれない空間をつなぐ、より自由になる可能性を秘めた存在になると、密かに期待しているのです。