ソフト・オン・デマンドが仕掛ける「一般への挑戦」とは存在価値を上げること!?

「女子社員酒場」からスタートした、「SODからの挑戦」はファンだけに見せるものではない!?

最初に記載しておきたいのは、SODからの依頼ではなく、SOD周辺への取材の結果として、このような記事を自己意志で書いていることをお断りしておきます。

2018年5月に東京・秋葉原にスタートさせた立ち飲み屋「女子社員酒場(https://twitter.com/tachi_syain)(オープン当時は、SOD女子社員酒場)」

当初、AV関係およびアダルト系を取り扱うプレスからは懐疑的な声も多かったように思います。

「AV女優に依存したイベントをまた増やしてもダメだろう」や、「集客あるAV女優がお店にいなければ成り立たないだろう」など。

なので当時の記事を再確認すると、「セクシー女優と飲める店」という記事が中心ですね、立ち飲み屋だから、ずっと飲めないのに(笑)

現在の「女子社員酒場」を覗いてみると、平日も満員状態で、ときには待たなければならない盛況っぷりです。

秋葉原という、「JRを中心とした在来線乗り換え駅」で起こった、「駅前の手軽かつ可愛い女の子がいるリーズナブルな飲み屋」という存在になりました。

もちろん、可愛い子がいますから、スケベ心がないわけではないでしょうけど、女子もいたり、「ああ、ここだよ」と入ってくる新規のお客さんもいっぱい。

意外と、秋葉原にありそうでなかった隙間をきちんと埋めたからこその成功と言えるのです。

現在は、店員女子たちが帰った後の延長戦にもお客さんが来ますので、現在も続く立ち飲みブームの中に存在する店舗、それが「女子社員酒場」なのです。

新たにスタートした「Syain Bar SOD女子社員」の意義とは!?

「女子社員酒場」の成功に続き、SODが新たに仕掛けたのが、今年5月オープンした、「Syain Bar SOD女子社員(「Syain Bar SOD女子社員https://twitter.com/syain_bar」)」です。

こちらはシートがあり、カウンターの中にセクシー女優さんの店員さんがいる形式で、お酒のみならず、食事メニューも豊富です。

しかしながら、この店舗の最寄り駅は、東京メトロ丸ノ内線「新中野駅」です。

AVファンにはおなじみの、「SOD本社」の1Fにあります。

新中野駅は、セルショップが立ち並び、AV女優サイン会イベントやアイドルライブのメッカたる秋葉原駅で考えると……圧倒的に遠い。

新宿から考えれば近いですけど、住んでいない人からすると、「新宿より西に行く」行動は、東京都心部周辺に暮らす人からするとあり得ないことなのです。

その他の私鉄沿線に住む人たちからすれば、どこからも遠いのが、丸ノ内線の新中野駅と言えます。

ちなみに最寄りのJRはオタク第二の聖地とも言われる中野駅ですが、そこからは10分以上歩きます。

「女子社員酒場」と同じような好立地条件を選ばずに、あえて本社に作ったというのは、「価値を上げる内容を構築すれば、お客様は集まる」という、老舗AVメーカーとしての判断があったことでしょう。

オープニングには、女子社員のみならず、女子写真出身の市川まさみちゃんや、ソフト・オン・デマンド株式会社代表取締役である野本ダイトリも出席してのプレス会見と店舗説明(お酒や料理が振舞われました)が行われる本気度を感じさせてくれました。

AVが、どれだけ売り上げを伸ばし、一般メディアに出たりしても、そこに求められてしまうのは、ひたすらにエロです。

男子タレントが鼻の下を伸ばし、女子タレントがキャーキャー騒ぐ存在……キワモノ扱いなのは、AVが40年経とうが変わりません。

どれだけエロが好きで肯定的であるタレントがいたとしても、その人自身がやっているのは、「エロを肯定するおかしな人」ですから……まぁそれも知名度を上げるところではありでしょうか。

SODがやっていることは、もちろん、AV女優であることは忘れなくとも、「AV女優自身の付加価値を、人気有る無し問わずに上げていくこと」です。

AV作品は、月産で500本近いリリース量があり、その中には、単体女優作品から、素人作品、キカタン女優の共演作など、さまざまなアイデアの分だけ作られている。

売り上げ問題はあれど、1人1人の価値は同じということ。

AV女優だからこそできる、さらに、一般の人たちに裸を晒さずとも目立つ存在にすることを目指している、そんなふうに、「Syain Bar SOD女子社員」の存在は見えるわけです。

DVDリリイベとは違う、「リアルイベント」とは、AV女優の価値を上げる!?

「Syain Bar SOD女子社員」のオープンと同時に、同社屋にはイベントスペースが作られました。

5月11日は、SOD AWARD2019最優秀女優賞を獲得した、あおいれなちゃんのフリーライブが開催され、そのままサイン&撮影会、リアルタイムVR鑑賞などが開催されました。

絶対に地上波には乗せられない、強烈ストレート下ネタソング、「ちっぱい最強伝説」などをリリースし、最近では、メタルサウンドの「童貞泥棒」をリリース。

振り付けは超アイドル、ステージコスチュームも超アイドルで彼女にあわせた特注品であり、サウンドもアレンジも本格的な、あおいれなちゃん的「アイドルパロディーのリアルバージョン」なわけです。

フリーライブは満員の観衆を集め、さらにはアンコールまで巻き起こるほどの熱狂ぶりでした。

もちろん音響システムなどは、ライブハウスとは比べものにはならないのですが、アイドルや演歌歌手がやっているリリイベって、意外とこれに近い感じですから、それができるスペースを作ったことが重要でした。

それを皮切りに、同会場でのイベントは定期的に開催され、阿佐ヶ谷ロフトAなどで、SOD女子社員名義のトークイベントが開催されるなど、AV女優だからこそできるイベントを、一般の人たちにいかに届かせるかを腐心しています。

8月20日〜25日には、舞台作品「女子社員演劇倶楽部~来るなサンSyain」が、一般の俳優・女優・お笑い芸人とセクシー女優の共演という形で、新宿・三栄町LIVE STAGEにて開催されます。

チケット予約フォーム→http://ticket.corich.jp/apply/101257/

「でも、エロから脱却できてないだろう」という声が聞こえてきそうですが、脱却する理由などなく、ただ今までは、「利用されていた」ものを、「利用する」に側にスイッチを仕掛けていると考えると、とても分かりやすい。

生の舞台で、どんなリアルを見せてくれるのかということが重要なのではないでしょうか。

パブリシティーという販促用媒体の欠落はAV女優を変えていく!?

SODが発行してた、「月刊ソフト・オン・デマンド」は、コンビニのエロ本撤退によって、6月最終号が発売されました。

たくさんリリースされていた、コンビニエロ本の内容素材は、ほとんどがAVメーカーの写真でした。

その中では、「月刊ソフト・オン・デマンド」はオリジナル主体だったと思います。

ここでの問題は、AV自体がどのように扱われているのかどうかよりも、コンビニに置かれることで、「アダルトビデオとAV女優の名前を出す宣伝媒体でした。

webは、ポータルサイトにアップされない限りは、「ピンポイントで検索しないと到達しない」のです。

雑誌の場合、お目当てが何であろうとも、違うものも自然と目に入りますので、何気に覚えていたりすることがあるわけです。

書店販売のエロ本は残っていますが、取次問題や、ここ数年での書店廃業問題が絡み、売っている場所が限られている。

セルショップにはありますが、本を買う層とAVを買う層ではまた違いますから、入りづらいはず。

このように、パブリシティーが完全に女優個人のTwitter依存の状況になっている現状を打破するには、「リアルな存在」として続けていく主催団体になることが鍵を握ります。

AVメーカー「SOD」が続けるのは、儲けだけではないパブリシティーとしての付加価値があるからこそであり、AVメーカーがやっていることは、とても重要なのがご理解いただけたでしょうか。

AV女優とは、AVの中にだけいる存在ではなくなった2019年の意味!?

AVファンの中には、「自分たちだけの存在としていてAVさえ出てくれれば大丈夫」なんて考え方もあると思いますが、リリース本数の増加は、AV女優のギャラを下げることになりました。

そしてAVが、DVD購入だけの存在になってしまったので、「AV女優を知らない男子」がいっぱいいるようになったり、イベントだけを追う男子も増えました。

そういう意味でも、エロを絡めようが無かろうか、「目につく場所にいかに存在するのか」という動きは大事なのです。

逆に女子たちが、サンプル動画視聴からスタートして、AVを観たり、能動的な人の場合は、AV女優に会いに行ったりするほど価値を感じていて、その人たちが、リアルイベントに現れる率がさらに上昇すればしめたものなわけです。

「パイの分割が起こって、各々への利益分配が下がる」ことの修正にはならないのですが、いきなり昔に戻すのはもう無理ですから、今までとは違う層を増やす作業が重要なのです。

もちろん、AVを買って観ることは大事ですが、それだけでAV女優を救えると思ったら大間違いなのです。

まとめ〜AVメーカーが目指す新たなる道をSODが開く!?

オリンピック問題とコンビニエロ本撤退を同時に考えている人があまりにも多いのですが、それが理由になっただけであり、本来は、「売上減少のわりに棚の占有率が高いから」でした。

とはいえ、AVが明らかな岐路に立たされているのは事実です。

「女子社員酒場」からスタートし、成功も収めているSOD発リアルイベントとは、右肩下がりの現状に抗うのみならず、メーカーとして、「やらなければならない」と考えているからこそ、打って出ているのでしょう。

収益は見ているはずですから、今後、いろいろと取捨選択はあるでしょう。

SODの事情もあるだけでなく、今年いっぱいでの引退を発表している女優がたくさんいたり、女優側の事情もありますから、興味を持ったけどもう会えません、なんてこともあります。

さて、みなさんは、「積極的に会いにいく」「あくまでもAVに拘る」「状況を傍観する」どちらを選択しますか?

もちろん選ぶのは、ユーザー様ですので、ご自由にお選びください。