記録媒体から逃げ出した視聴者たち
「劇場から個室へ」と視聴者を移行させ、AVを急成長させた、VHS〜DVDという記録媒体ですが、ストリーミング配信という、「時間軸を自由にいじれるメディア」や、ダウンロードによって、圧倒的に不利な状況に追いやられています。
もちろん、「勝手にあげる」とか、「無料をビジネスにする」ことが法的な整備よりも早く進化を遂げているので、問題は未だ山積みになっているのですが、今回のお話の眼目はそこではありません(技術力にも法律力にも強い人(企業)の登場を待ち望むばかり)。
テレビの視聴率の低下を見れば一目瞭然な、「個々で好きなように時間軸を謳歌する」ことになったようです。
配信系はここぞ!!というシーンにたどり着きやすい
このSODエロ進化論トップの右に、「SOD prime」というAV見放題サービスサイトがありますね。
月額見放題のストリーミング・DLだけでなく、DVDも販売している、SODグループの配信サイトですが、今回の話は、サイトの宣伝じゃなくて、ストリーミング・DLの見方なのでここまで(笑)。
10年前ぐらい前の、「DVDより圧倒的に不便!」「オナニーできない!」と感じていた人からすれば、それはそれは進化しました……
環境の変化とはかくもすごいのかと思います。
DVDでのAV視聴でのストレスは、「チャプターの切れ目が思った場所にない」ことがあります。
早送りで解消するのはVHSで観ていたころと変わらないのですが、「VHSと違い、ここと思う箇所では止まらない!」が当初には言われていたことを思い出したのです。
当初は、AVをPCで観る層が多かったためか、あまり注目されなかったポイントですが、PCが減っている現在、あぶり出しのように復活してきた問題点です。
ストーリーラインの必要性を忘れてきた問題点をあえて問う
制作しているスタッフの方々や、数多のAV女優ちゃんたちからすれば、「最初から最後まで頑張っているので見てほしい」と思うでしょうし、願っていると思います。
しかし、そちら側の人間たちを知っている私でも、ストリーミング・DLを経験してしまうと、現在のAVの問題点に目をつぶることはできなくなりました。
映画やドラマは、台本や、映像に含まれる伏線などを駆使して、「最初から最後まで」を見せることに腐心しています。
CG映像のショックも当たり前になった最近は、ハリウッドの大作映画も、台本に力を注いでいるし、現在の映画ファンに邦画ファンが多いのも、「ストーリーが自分に馴染みやすい」からでしょう。
AVにだって、ドラマ系のすごくよくできた台本の作品もあるのですが……
120分オーバーという動画に対して、ずっと釘付けにするために必要な「最初から最後まで見せるストーリーライン」を置き忘れてしまった作品がほとんどです。
DVDのスタートとともに成長したセルAVですが、実はずっと放り出してきた問題点です。
昨今、「媚薬系」とか、「NTR(ネトラレ)」が人気があるのは、「人妻が落ちる姿」を観たいだけでなく、「導入部分」が重要なAVだからだと考えます。
まとめ〜自由度を増した視聴者の新たな視聴方法
ストリーミング・DLによるオナニーライフは、とても個人個人の都合にあわせやすいです。
「何度も同じシーンを観るし抜く」人って多いですから(笑)。
何本ものAVを観たいと考えても、トレイからDVDを出し入れして読み込むまでの時間を考えたら、ストリーミング・DLで、何本もサンプリングのように観て、「最後はこれ」みたいな見方が可能なのです。
「AVの売上が下がった」と言われますが、それは、「視聴する側の変化」と「市場の変化」が複雑に融合したことを要因です。
「AV業界が正しく存続していく」ためにも、「SOD prime」などでAVを観つつ、「これは欲しい!」という物は購入したり、「この女優さんに会いたい!」という人のイベントに参加するという流れを作らないと、ただ下がる一方だったり、ストリーミング・DLでは、マネタイズできないとボヤくこと、さらに熟考することは、AV業界の課題になっています。
視聴者のみなさんは、AVが消えないように「ちゃんと正式な配信サービス」を観ることが、意外と現在はもちろん、次年度以降の大きなポイントになっているとお考えていただけると幸いです。