もう数年前からAV女優は誰でもなれる職業ではなくなった。今、第一線で活躍するAV女優たちはみな、容姿やスタイルの高レベル化はもちろん、AVを仕事として捉え、AV撮影やイベントなどに対するストイックなまでの真面目な姿勢や、日々のSNSでのセルフプロデュースやファンとの交流など、一般職よりもはるかに高いレベルの努力をしている。この連載は、「なぜ彼女たちはAV女優を『仕事』に選んだのか」を軸にプロ意識をもってAVに取り組む女性たちに迫るインタビューです。
仕事が楽しくて仕方がない、と思いながら日々生活をしている人というのは、世の中にどれだけいるものなのか。おそらく、探してもなかなか見つからないはずだ。楽しんでやれる仕事…それに出会えることはどれほど幸せなことか、考えたことがあるだろうか。
今回の女の子は2017年6月にSODのレーベル『青春時代』からデビューした生田みくちゃん。一見、写真ではわかりませんがみくちゃんは144センチの低身長!小柄なうえに瞳はくりくりと大きく花まる満点、元気な笑顔が印象的です。低身長だからロリ体型というわけではなくとてもバランスの取れたミニマムボディでおっぱいはCカップ美乳。AVにライブイベント、TV出演など活躍の場を広げるみくちゃんのAV女優感に迫ります!!
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「将来の夢を考えたときに、最初に出会ったのがAVだった。やりたいことをやらないより、やって終わったほうがいいじゃないですか」
──生田さんは、ずっとAV女優に憧れていたそうですね。
はい!中学生の頃にテレビで恵比寿マスカッツを見て、みんな綺麗で大ファンになったんですよ。最初はその女性たちがAV女優だとは知らなくて、あとで調べて知りました。
で、AVっていうものも何かを知らなくて、検索して見てみたんですよ。
──初代マスカッツですね。それでAV女優になろうと?
そうです!AVを初めて見たとき、「裸で仕事をするのってカッコイイな」って思ったんですよ。
──へ?裸がカッコイイ!?
はい!!普通の人がAVを初めて見たときの感想がどうなのかは知らないですけど、私はそう思いました!
──テレビに出ているAV女優に憧れた、というわけではなくて?
テレビに出ている姿も、AVに出てる姿も、どちらもキラキラしてるなって思って、そういう人に私もなりたいって思ったんです。男の子がウルトラマンや仮面ライダーに憧れるのと同じような感じですね。
──怖さみたいなのはありませんでした?
よく聞かれますが、特になかったです。
──人前で裸になるという恥ずかしさは?
それも全然。あ、露出狂とかではないですよ(笑)。AVに入る前の体験人数は1人しかいなくて、そんなに経験はなかったですから。
ただ、逆に何も知らなかったから、恥ずかしさも怖さも感じなかったのかもしれませんね。
──その辺の話って、他の人にはなかなか理解されないんじゃないですか。
いえ、私の周りの友達は、「頑張ってね」って言ってくれる人が多いですよ。よく、周りから「AVなんてやって…」「そんなのやめなよ」みたいなことを言う人がいるけど、そんなことを言う人とは付き合わなければいいと思うんですよね。
私の親も反対してるんですけど、人の考えは変えられないし、自分の気持ちを100%理解してもらおうという気持ちもないので、理解のある人とだけ付き合っていけばいいかなって思ってます。
──…こんなに小さくて可愛らしいのに、結構言いますねぇ。
おとなしそうに見られるんですけど、全然静かにしてるタイプじゃないんですよ。普通に「ち◯こち◯こ」って言いますから(笑)。
──もしかして、もともと華やかな世界、人前に出ることをしたかった?
それはまったくなかったです。ただただAV女優がカッコイイ、私もああなりたい、そう思ったんです。
──将来なりたいこと、やりたいこととかもなかった?
それがAVなんですよ。将来の夢を考えたときに、最初に出会ったのがAVだった、ということです。
──じゃあ、夢を叶えたということですか!?
どうしてもやりたいことだったので、やりたいことをやらないより、やって終わったほうがいいじゃないですか。やらずの後悔よりもやっての後悔、そっちのほうがいいですからね。
「お仕事は今も楽しいです!というか、楽しくなかったらもう辞めてると思いますよ」
──それで実際にやってみて、理想と現実的なものはありました?
全体の仕事としては、想像してた通り、すごく楽しいって思いました。
たださすがに、デビュー作を撮る前日に送られてきた台本を読んでいたらプレッシャーと緊張で気持ち悪くなったり、当日ご飯が食べられなかったりしましたね。
──それが普通の反応ですよ。
頭ではすっごくノリノリではあったんですけど、心と身体がついてこなかったという感じですね。撮影前に泣いちゃったりもしましたし。
──やっぱり辞めよう、とは思わなかった?
まったく。緊張はしましたけど、やりたかったことだし、楽しかったので。
──今も楽しいですか?
もちろんです!というか、楽しくなかったらもう辞めてると思いますよ。
──ちなみに、最初から『AV女優=仕事』という感覚でいました?
もちろん、しっかりと思ってます。やっぱりお金をいただいている以上、お仕事だと思いますね。
それに、サービス業とは違いますけど、人に喜んでもらうためにやっていることなので、やっぱり仕事だよなって思います
──仕事というか、働くのは好きでしたか?
仕事っていうのは、AV女優が初めてなんですよ。高校時代はバイト禁止だったので。
──それでよく、この仕事に勤労意識を持てましたね。
やっぱり、お金をもらえているっていうのが大きいんじゃないかなって思いますね。
──たくさん稼ぎたい、みたいなことは考えてます?
お仕事はたくさんしたいですけど、お金を稼ぎたいという感じではなくて、世の中に1本でも多く自分の出ている作品を世に送り出したいって思ってます。
青春時代の専属が終わってすぐにキカタンになったのも、専属だと月に1本しか出せないのは寂しいなって思ったので。
──月平均どれくらい撮影してるんですか?
だいたい3、4現場くらいですね。1現場で何コンテンツも撮るので、本数換算するとわからないんですけど。今の時代あるあるですね(笑)。
──もっと仕事したいんじゃないですか?
もちろん増やしたいと思ってますけど、本音としてはただ仕事が増えるというよりも、生田みくっていう名前がしっかり出るものに出演したいというのがありますね。
たまたま見た作品に私が出ていた、というよりも、生田みくを目当てに見てもらいたんです。それには、名前が出てないと検索できませんからね。
──結構作品に出てるようなイメージがありますけど…。
名前の出ない仕事の方が多いんですよ。だから、自分的にはキカタンっていうよりも企画女優じゃんって思って仕事をしてる感じですね。
──本数増やしてくださいって言ってます?
こればっかりは待つしかないないって思ってます。もっと売り込んでよ、とは言えませんよ、みんな頑張ってくれてるので。
それに、この見た目がちょっとネックなのかなって。規制に引っかかったのか自主規制なのかわからないんですけど、ロリ過ぎてお蔵入りになっちゃった作品があったりするので、私(涙)。
──それはショックですね。
本当に。お金は先にいただいてるから、作品が出なくても別にいいじゃんって言う人もいるんですけど、私からしたら作品が世に出ることのほうが第1目的だから。
「今の時代、トップになるのは難しいので『二流の一流』を目指して頑張ってます」
──撮影以外の仕事に関しては、どんな考えを持ってます?
もちろん、どんどんやっていきたいと思ってます。2018年はちょこちょこメディアに出させていただいたんですけど、メディアに出られる人ってやっぱり有名で売れてる人じゃないと出られないって思ってるんで、呼んでいただけてありがたいなって思ってます(笑)。
──いつかはマスカッツの一員に?
なれたら嬉しいですけど、過度な期待は持たずにやってます(笑)。今の時代、いっぱい女優さんがいるし、次から次にすごい人が出てくる世の中なので、トップになるのは難しいわけですよ。
だから、先日事務所の社長から「二流の一流を目指せ」って言われたんですよね。
──二流の一流?
野球選手の言葉らしいんですけど、なんだろ、仕事を振ったら絶対に受けてくれる、みたいな感じなのかな。
私はいっぱい作品を出したいっていうのがあるので、そういう人でいられたらいいなって。ファンの人からは、上を目指せよって怒られるかもしれないんですけど、私的にはそこを目指すのがいいのかなって思うんです。
だから、それこそピンチヒッターでもいいんです。キャスティングに困ったり、穴が開いてしまった時に呼ばれることが多いんですけど、そういう形でもどんどん作品を出していきたいなって思ってます。
──ピンチヒッターというよりも『業界の守護神』的な感じですね。
いいですね、それ。関係者の皆さん、困った時は生田みくを思い出してくださいね(笑)。
──どれくらい続けていこう、みたいな展望はあります?
太く長くが理想なんですけど、そんなに欲は言いません。でも、長くは続けていきたいなって思ってます。20代のうちはおそらく続けてると思いますね。
──30を節目に?
いえ、たぶん自分から辞めるってことはないと思います。これまでも辞めたいと思ったことはないですし。もし辞めるとしたら、お仕事のオファーがまったくなくなったときですね。
──どれくらいなら、待てます?
そうですね…1カ月くらいかな。それを超えたら、さすがにメンタルやられちゃうかも(笑)。
だけど、そんなことにはならないように、30を超えても二流の一流としてオファーがいただける女優になっていきたいですね。
初出:ソフト・オン・デマンドDVD 2019年3月号 Vol.93の内容を一部加筆修正しています。
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