気温がぐっと冷え込み、積雪予報も出されるほどの3月8日、「AV産業の適正化を考える会」が国会に声を届けるため、「AV新法」の改正を求めるデモ行進及び請願行進を行いました。
この行進には、AV監督で、「AV産業の適正化を考える会」発起人でもある二村ヒトシ氏や現役AV女優のちゃんよた氏、吉川はすみん氏らを先頭に、女優、男優、AV制作者ら業界関係者や一般参加者など100名以上が参加し、大規模なものとなりました。
「国会にAV女優の声を届けよう!」、「表現の自由を守れ!」、「職業選択の自由を守れ!」、「AV女優の基本的人権を認めろ!」、「危険な撮影から女優を守れ!」、「AVをコンテンツ産業として認めろ!」などのシュプレヒコールを上げながら、国会に向けて行進しました。
国会前に到着した後、発起人の二村ヒトシ氏が一団を代表して、浜田聡議員に請願書を提出し要望を伝えました。一団からは「AV新法を改正しろ!」とより大きなシュプレヒコールがあがりました。
請願を受け取った浜田議員は取材に答え、「非常におかしな法律が成立してしまった。国会議員が法律施行後の悪影響を考えずに作ったため、2年前にその問題点に気づき反対した。成立してしまった以上、この後はしっかりと改正に向けて動いていきたい。シンポジウムを開催して他の議員や関係者にも動きを広く伝えた。これから広く議員の方々に声をかけていきたい」と述べました。
現役AV女優 ちゃんよた氏
「もともとAVで今の自分があると思っています。夢を持ってこの業界に来る新人の子たちが夢をあきらめることにならないように、AV新法を改正してほしいと思います。もっと当事者の声を聞いてほしいと思います」
元AV女優 範田紗々氏
「毎日、女優や男優、監督が声を上げているのを見て、何か力になればという思いで参加しました。AV業界の関係者がより良い労働環境で働けるような法律に改正していただきたいと思います」
発起人 二村ヒトシ監督
「まじめに取り組んでいるところほど苦しい状況になっています。もともと法律を守る気のない違法業者が野放しになっています。ぜひ国には業界の実態を調査し、理解していただきたいと思っています」
デモ行進にはマジックミラー号も参加、冷え込んだ新宿の街に熱気が広がる
一段と気温が下がった19時頃。国会への請願の興奮が冷めやらぬ一団は新宿中央公園へと移動。ピンクの雨合羽に身を包み、蛍光ピンクのペンライトを振りながら、金曜日の繁華街を行進しながら訴えを続けました。人気のマジックミラー号も行進を先導し、新宿を行き交う人々の注目を集めました。
二村氏は聴衆に向けて、「私たちはAVを制作しています。今日は真面目なお願いに参りました。AV女優は真面目な労働者です。法を守り、納税もしています。そんな彼女たちが働く場所を奪わないでください。AV女優の声に耳を傾けてください!」と声を張り上げて訴えました。
「AV産業の適正化を考える会」がAV 新法改正で求めていること
①題名・目的のシンプル化
法律の題名や目的をシンプルにし「被害」という言葉の利用を最小限にする
②熟慮期間の柔軟化
出演者全員からの申し出があれば、撮影/公表の1 ヶ月ー4 ヶ月の熟慮期間を任意に短縮できるようにする
③実態調査
法律の適切な運用のために、政府がAV の制作公表の実態を調査し、業界の構造的問題を明らかにするように求める