ー主演映画観させていただきました!
おぐゆな ありがとうございます」
ー上手だね、びっくりした。
おぐゆな えええ、本当ですか。ありがとうございます。演技、初挑戦でした。AVでする演技とはまた違いますね。でも『いつか…』をやって、演技が楽しいかもとなって、Vシネマや、『全裸監督』とか、お芝居で活かせているだろうなと思います。
ー自分なりに、根本的に何が違うと思います?
おぐゆな セリフは一語一句決まっているのもあるし、擬似絡みであるというのもあるし。なんといっても周りがAV関係じゃない方々なので。スタッフさんとか役者さんとか。それは緊張でした。あと何が違うんだろうか……見てくれる人が違うのかな?
ースタッフ系でいうと、SODさんはフレンドリー感が強いからね。
おぐゆな そうですね。社内監督とかもいるし。違いますね。誰も知らない人のところに、ポンと出された感じでした。
ーセリフも表情も見事に上手でしたよ。
おぐゆな えええええ!いやいやいや(照笑)
ーもちろん、「自分ではもうちょっとできたかも」とかあると思いますが、観ている側として感じたのはとても上手でした。
おぐゆな 嬉しいです!
ーたまに素顔っぽい表情も出たりするしね(笑)おしゃべりシーンとか、「あれは知っているおぐゆなの顔だ」とか(笑)
おぐゆな あはははは(笑)自分なりに、いつかちゃん(おぐゆなの役名)がどういう女の子なのかを想像して演じました。
ーー自分と、いつかちゃんは重なるところありますか?
おぐゆな うーーーん。私自身も、不倫とか元カレとやっちゃうとか、AV寄りの考えかもしれないんですけど、そういう願望はないことはないんです。でも、実際にやったら問題になるからやらないし。演技の中ですけど、自由奔放に生きている感じや、いろいろなことに好奇心があるところなどは、似ているかなと思います。
ー作品のストーリーについてはいかがでしょう。「補い合い」のストーリーですよね。
おぐゆな 私的には、ああいうストーリーは好きです。ちょっと笑えるシーンがあったり、1人の女の子のいろいろな面が見れる雰囲気。台本をもらったときから、「楽しそうだな」って思っていました。
ーよくありがちなドラマと違って、エンディングがもやっとして、ひと波乱ありそうじゃないですか。あれは映画だなと思いました。
おぐゆな うんうんうん(納得顔)そうですよね、あの後、どうなるんだろうなぁ?
ーいつかちゃんと並木塔子さん演じる佐知子先生は、ずっと仲良いじゃないですか。ネタバレになるので書けないけど、ああいうことがあったのに。女子的な目線で、あの2人が仲良くいられる、ああいう関係の感覚って理解できます?
おぐゆな でも、なんで、佐知子先生がいつかちゃんのことを許せたのかなというのは疑問で。私だったら許せないだろうなって。たぶん、いつかちゃんのほうに傾いたのかなってくらいですね。
ー高原監督の意図は聞いてないのですが、あれは穴の埋め合いだったのかなと。
おぐゆな 確かに。
ー涼南佳奈ちゃん演じるひなちゃんも、優しいけど、実はいつかちゃんの処女を売ったり、風俗での見る役をやらせたりするし、佐知子先生もまた、旦那さんの過ちを許して再婚しているし、SEXも求める。いつかちゃんもいろいろなことがあったうえで、「そことくっつくか?」が多い。
女子は穴を埋められる側で、逆に男子は埋めたい代償として、はめ込む穴を探しているのかなと思いました。
おぐゆな なるほど〜深い!深い!確かにそうかもしれないですね。人によっていろいろと捉え方が違いますね。
ーー映画はそういうもんでしょう。でも、映画監督に聞くと「ああ、それで良いです」って言われちゃう(笑)
おぐゆな ウフフフフ(笑)そうなんですねぇ(笑)
ー話をAVに切り替えてみます。この前、別のサイトですが、おぐゆなちゃんの8月作品『なんか由菜って、リア充で幸せそうでムカつくから好き放題レ×プしてもらったんだ。 小倉由菜』のレビューを書いたんですよ。
おぐゆな はいはいはい(笑)れなちゃん(あおいれな)ちゃんにいろいろされちゃう(笑)
ーあれのエンディングとかいろいろ考えさせられるなって(笑)それを見て思ったんですが、おぐゆなちゃん「悲惨なSEX」似合うよね(笑)
おぐゆな あははははは(笑)確かに最近、レイプされるか、めっちゃ痴女っているかどちらかです(笑)
ー元カレのところに戻る作品とかね(笑)(「小倉由菜 復縁後3日間、僕の元に帰ってきた年下彼女が毎日ドMなおねだりをしてくる。」)。笑っているけど問題ある女子だなぁって(笑)似合うし(笑)
おぐゆな あははははは(笑)そういうのが好きなのかもしれないですね。私も極端にどっちかというタイプなので。
ー普段が笑顔だからギャップがあるのかも。
おぐゆな そんなに笑ってますか?ウフフフフフ(笑)
ー顔の作りが笑顔です(断言)
おぐゆな まぁそうかもしれません(笑)そういうおぐゆなもいるし、AVでも、いろいろと違う顔を見せられたらいいなって思っています。
ー先ほど、ずっと高原監督がアプローチしてましたけど、ピンク映画とか出演したいですか?
おぐゆな そうですね。こうやって映画館での上映された作品を観たら、またお芝居やりたいなぁって思いました。
主人公の不可解な行動は、映画を観たからといって、納得できるようなものではないです。「演技上手だったよ」というのは、どこから判断するのかも人それぞれです。セリフまわしなのか、表情なのか、動きなのか。褒めてあげるほうがいいのは、当たり前のことでして、「どこのシーンの、どんなところが良かった」とディティール細かく褒めると、良いかと思いますよ。
今作『いつか…』は、2005年に公開された高原監督作品であるピンク映画「つむぎ」(主演蒼いそら)の後日譚になっているので、そちらを観る機会があればぜひどうぞ。那波さん演じる片桐先生がどうしてこうなっているのかが、わかりますよ。
ピンク映画だからということで、一般映画と区別をする理由などありません。低予算であり、エロを撮るということが大前提になってはいるけれど、エネルギーは同じ。むしろそれ以上に膨れ上がることもある。だいたい、一般映画だって、R15の場合、意外と濡れ場だらけだったりするし、有名女優が「意味があるならば」という理屈で、意味なくヌードを晒している場合もあります。映画はエログロナンセンスが、エンタメとアートに昇華しているのです。
今回のでも、恋愛模様だけでなく、ホラーやらコメディーやら、エロだけでなく、なおかつエロをきちんと取り込んで作品になっている。だからこそ、5年前に同劇場で観た人が足繁く通い、5年も続く映画フェスになっているのです。
過去を見れば、今後、東京でまた上映されることもあるだろうし、大阪や名古屋でも開催されることでしょう。映画館で観る映画が気持ちいいし、テレビと違うのは、シネコンで映画を観た人ならばわかるでしょ。
今回の映画フェスに参加した方々はたっぷり宣伝しましょう。そして、残念なことに見逃した方々は、次の機会を得るために、大いに宣伝して、『OP PICTURES+フェスS2019』を覚えてくださいませ。
取材/写真(舞台)=麻雅庵
協力=OP PICTURES+