AV女優が「女優する」空間を提示する存在、ピンク映画の祭典『OP PICTURES+フェスS2019』9月1日上映『いつか…』舞台挨拶&主演の小倉由菜ちゃんインタビュー付き!

phot01

みなさんは「ピンク映画」を見たことありますか?

映画はシネコンと、アベンジャーズシリーズのMCUや、ディズニー系などによって、「みんなちゃんと劇場で観るもの」に変わりましたね。そんな中で、シネコンに組み込まれない作品というのもあります。『この世界の片隅に』や、『カメラを止めるな!』とか、単館映画館から火がついた作品ですね。「テアトル新宿」は有名な単館系映画館になります。

phot02

そのテアトル新宿で、8月23日〜9月5日まで、レイトショータイムを含む時間帯で開催されたのが、OP PICTURES+フェスS2019です。今回で5年目の連続開催でして、最初からどんどん規模をアップさせていきました。

「ピンク映画」とは、OP PICTURES(オークラ映画)が配給しているR18成人映画のこと。AV女優が出演するようになり、上野オークラ劇場では、月一度くらいのペースで、舞台挨拶トークイベント&サイン会が開催されているので、おなじみになっているかなと思います。ファンになっている女優ちゃんが出ていないと知らないかもですけど。

オークラ映画直営館で上映されているピンク映画は、東京・上野オークラ劇場と、横浜光音座で1週間上映されると、地方各都市にかかるようになり、全国を回る仕組みでした。地方映画館はそれでなくとも減少しているし、ピンク映画ならばなおさらだったのですが、それを打破するべく、一般映画館でかかるように、R15としても製作して、さらにフェスとして上映したのが『OP PICTURES+FES』です。だからタイトルも思いっきり変わっています。最初に作られた台本のタイトルがこっちという場合もあるそうですよ。

ただエロシーンを変えて、普通のシーンをつけるとかのレベルではなく、どちらも同じ比重で撮られているので、かなり撮影はきつい。

それでなくとも制作スケジュールがタイトで、主演の子の場合、3日間の間、ほとんど寝られなかったなんてこともあるそうです。「AVのキツさとまた違うキツさ」と、一様にもらしていました。

phot03

「ピンク映画」のなんたるかの一部分をご理解してもらったうえで、9月1日に上映された『いつか…』を取材してまいりました。出演は、ピンク映画初挑戦となったおぐゆなこと小倉由菜ちゃん並木塔子さん涼南佳奈ちゃんが登場する、高原秀和監督作品です。もともとのR18タイトルは、『濡れた愛情 ふしだらに暖めて』ですから、印象もだいぶ違うと思います。

『いつか…』/R18タイトル:濡れた愛情 ふしだらに暖めて

監督:髙原秀和 脚本:宍戸英紀/髙原秀和
出演:小倉由菜/並木塔子/涼南佳奈/那波隆史/山田奈保/吉田憲明/櫻井拓也/稲田 錠/山岡竜生/泉 正太郎/山本宗介/可児正光/下元史朗

 

大人気セクシー女優・小倉由菜ちゃんがピンク映画初出演で健気な不良少女を熱演!高校中退の美少女・いつかは、元教師の片桐夫妻と出会う。彼女は夫婦の下で勉学に励みながら生きる希望を見出していくが…。傷つきながら、笑顔で強く生き抜くおんなたち。海外でも高い評価を受けた高原秀和監督、蒼井そら主演『つむぎ』の後日譚でありセルフリメークとも言える作品。

この日の舞台挨拶には、おぐゆなちゃん、塔子さん、佳奈ちゃんの女優陣に、高原秀和監督、俳優陣から、那波隆史さん、吉田憲明さん。そして撮影監督の下山天さんと田宮健彦さんが登壇。上野オークラ劇場イケメン支配人のファンにはおなじみのシーンが、テアトル新宿で開催されています。

phot04

「小動物のようで可愛い!」と何度も壇上でおぐゆなのことをいう高原監督。「撮影の思い出は?」と聞かれ、「1月の新宿のアスファルトの上で寝転んだのは、すごい寒かったです」とおぐゆな。ちなみに金属バット持っているシーンだったりします(笑)

phot05

「本当は並木さんに逆立ちをさせようと思っていたんだけど」と語る高原監督。しかしながら、塔子さんができなくて、急遽、おぐゆながやったのですが、これがなんとも可愛いのです。ベッドの上やら屋上やら、いろいろなところでやっています。でんぐり返りもやっているのですが、「赤ちゃんパンダ」のようでした(笑)

ちなみに塔子さんは代わりとして、ブリッジをやっていたのですが、「本当はカール・ゴッチ式の首だけのをやらせたかった」と語る高原監督。映画監督の演出って、こだわりや意味がちゃんとあるんでしょうけど、面白いなぁと思った次第。

そして佳奈ちゃんと仲良く顔パックをしながらおしゃべりをしているシーンも、「最初は涼南さんだけにしようと思ったんだけど、おぐゆなちゃんにもしてもらいました」とのこと。高原監督のアイデアが大ヒットなあの顔は必見でした。いわゆる、「青沼静馬」的な顔ですわ(笑)

ひたすら街中を歩き回るシーンは、監督と2人で、iPhoneで撮影したとのこと。場所は中野と新宿でした。地元を知っている人ならば即分かる場所がたくさん背景に出てきますから、映画を観た人には、「おぐゆなの聖地」として巡礼してください。新宿はバスタ新宿辺りもあったなぁ。

phot06

おぐゆなの演技だけでなく、キュートな魅力溢れる映画『いつか…』。それでは、次のページからは主演・いつか役の小倉由菜ちゃんインタビューです!

1 2