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ステイホームのお供にどうぞ!「劇場で観る快感」を「お家で観る快感」へ〜ピンク映画を200倍楽しく観るためのピンク映画のお話。

「ピンク映画」は映画だからこそエロさも面白さも際立つのです。

コロナ禍がまともに降りかかってしまった2020年GW。例年ならば、どこに行くとかワクワク話が日本中を席巻しているのですが、残念なことに今年はお家で「#ステイホーム」となってしまいました。

 

GWのイベントはいろいろとあるのですが、アダルト系で古くから続いているのが、劇場系ピンク映画の表彰式イベント「ピンク大賞」でした。こちらは残念なことに、2019年5月を持って終了となってしまいました。

 

それに変わって、2020年は「シネ☆マみれ」主催「ピンク映画ベストテン」を開催。ピンク大賞と同じように、上野オークラ劇場にて表彰式を開催するはずだったのですが、こちら残念ならが、緊急事態宣言を受けて営業休止となりリアルイベントとして中止になっております。

 

結果は発表されておりまして、以下の通りです。

ピンク映画ベストテン2019

作品賞 「悶絶劇場 あえぎの群れ」谷口恒平監督

監督賞 谷口恒平〜対象作品「悶絶劇場 あえぎの群れ」

脚本賞 深澤浩子〜対象作品「ホロ酔いの情事 秘め事は神頼み」「濡れ絵筆 家庭教師と息子の嫁」

主演女優賞 佐倉絆〜対象作品「溢れる淫汁 いけいけ、タイガー」「愛憎のうねり 淫乱妻とよばれて」

助演女優賞 並木塔子〜対象作品「濡れた愛情 ふしだらに暖めて」「変態怪談 し放題され放題」ほか
きみと歩実〜対象作品「若妻トライアングル ぎゅっとしめる」「童貞幽霊 あの世の果てでイキまくれ!」

新人女優賞 あべみかこ〜対象作品「ツンデレ娘 奥手な初体験」

主演男優賞 櫻井拓也〜対象作品「痴漢電車 食い込み夢〈ドリーム〉マッチ」「平成風俗史 あの時もキミはエロかった」「発情物語 幼馴染はヤリ盛り」

助演男優賞 安藤ヒロキオ〜対象作品「溢れる淫汁 いけいけ、タイガー」「若妻トライアングル ぎゅっとしめる」「憂なき男たちよ 快楽に浸かるがいい。」ほか

技術賞 大場一魅〜「牝と淫獣 お尻でクラクラ」でのアニメーション制作に。

功労賞 関根和美
1984年の初監督作品以来、昨年のご逝去まで生涯現役を貫かれた姿勢に。2019年の対象作品「激イキ奥様 仕組まれた快楽」「おせんち酒場 君も濡れる街角」

こちらの表彰式も、主演女優の佐倉絆ちゃんのAV女優引退や、「第2回OP PICTURES新人監督発掘プロジェクト優秀賞獲得作品」である「やりたいふたり」のR18バージョンである「悶絶劇場〜」が作品賞を獲得。悲しくもご逝去された櫻井拓也さんが、主演男優賞を獲得など、さまざまなドラマが用意されていたはずなので、今日現在、まだ開催の目処が立っていないのは残念な限りです。

 

ピンク映画は、「映画」です。もちろんエロ描写があってこそのピンク映画です。イヤらしいシーンがあるからこそ、リアリティが増す場合もあれば、ファンタジー感たっぷりになることもあります。

 

映画はシネコンでの上映が基本となったことで、ファミリー的だったり、カップル的な要素がアップしています。劇場に映画が合わせているわけですね。そんな状況にあるからこそ、微妙に隠れた描写や、R15作品にならざる得なくなってしまった作品など、観なくてはわからない映画ならではの意地を感じたりするのです。

 

R15作品としてブラッシュアップして、毎年開催している「OP PICTURES+fes」は、ピンク映画として全国の専門劇場で公開されている作品を、別のウインドとしてテアトル新宿のような劇場で上映されるようにした作品のフェスです。違った場所になり、違った編集になれば、映画はまた違った見え方をするのです。

 

もちろん、キャスティングされている人気AV女優が、AVとはまた違う雰囲気を出し、演技を見せつつ、絡みも見せる。ある瞬間には、大手映画会社配給映画の主演女優よりも、圧倒的な存在感を見せつけてくれる場合もあるわけです。なぜなら勝負しているのは同じ映画だから。

 

ピンク映画は、「映画」だからこそ見せてくれるものがたくさんあるのです。だからこそ、この機会に「お家で観るピンク映画」を推奨いたします!

じっくり細かく家で楽しむピンク映画

「見たほうがよいです!」なんて、いきなりAVライターの原稿に書いてあったとして見ようと思う人も少ないでしょう。さらにいえばタイトルがわからないから検索ができないということもあります。

 

ピンク映画のキャスティングは、作品ごとに事情や状況が違います。制作会社などで監督やプロデューサーが大きく関わる作品もあれば、オーピー映画がメインとなって動く場合もある。映画ですからね、それぞれにそれぞれの理由があるわけです。だからこそ、個性的なキャスティングが可能となり、AV女優としてのキャラクター以上に開花する女優ちゃんもいたりするわけです。

 

勘違いしてほしくないのは、「映画女優に本当はなりたかったけど、AV女優になった」というパターンはありません。AVに出演したのと同じように、彼女たちは請われて出演し、監督や他の役者との交流などを経て、ピンク映画女優として評価されたのです。どっちがどっちという評価ではなくて、「違うもの、別の楽しみ方があるもの」です。

 

そして室内で観ることができるようになったならば、ムフフな要素として使用することも可能です。これに関しては、一般映画ですら、ヌードシーン、キスシーンなどの、セクシーエロ描写を入れて集客しています。こっそり入れる場合もあります。映画の醍醐味のひとつに、「大スクリーンでおっぱいを観る」があることを忘れてはいけません。フェミニストがなんと言おうとも、歴史的に脈々と受け継がれている映画カルチャーの楽しみのひとつなのですから。

 

それでは、まずは手に入りやすいピンク映画のR15バージョンをご紹介します。

「舐める女」城定秀夫監督・七海なな主演

「舐める女」城定秀夫監督・七海なな主演

マニアックな世界に堕ちていく描写をさせたら天下一といえる城完秀夫監督の描く臭いフェチになってしまった主婦の姿。精神的にも社会的にも弱者であり、その世界から出られないとき、人はとんでもないことを覚醒する可能性があるわけです。

パンツをくんくんしながら、悶える七海ななさんの姿は、気がつくとあなたをフェティッシュな世界に誘います。

「悦楽交差点」 城定秀夫監督・古川いおり主演

「悦楽交差点」 城定秀夫監督・古川いおり主演

観ている視点の移動は映画には欠かせない描写のひとつ。観ているはずが観られている立場に変わっていることに驚愕していると思ったら、気がつくと、主人公のふたりに幸せになってほしいと願う、ハートウォーミングな自分になっている。興奮と混乱と、エロスを堪能できる映画的世界観を堪能しましょう。

「愛しのデコトラ天使」柿原利幸監督・天使もえ主演

「愛しのデコトラ天使」柿原利幸監督・天使もえ主演

デコトラといえば東映で文太兄ぃという人もまだまだいると思います。社会的に見れば問題になる存在こそ、映画のなかでは輝く存在。しかもトラックを駆るのが天使もえちゃんというこれ以上ないほどに、映画的な描写にまずは感動しましょう。そしてストーリーでの彼女のピュアな部分を覗いてキュンキュンしちゃいましょう。エンタメでエロス、カタルシスなど、映画描写の面白いところを詰めまくった作品。

「つないだ手をはなして」竹洞哲也監督・川上奈々美主演

「つないだ手をはなして」竹洞哲也監督・川上奈々美主演

どうしても素直になれない男。素直になりすぎて空回りしてしまう女。甘えることとは、相手がその人でなければ、埋めることができない人間の恋愛感情を描いた竹洞ワールドを堪能しまくる内容。主人公たちの行動にイライラしつつ、前に進めないもどかしさとは自分の中にあるものという事実を知って、あなたもまたモラトリアムの中に落ちているひとりと認識しましょう。今作は、みぃなな(川上奈々美)の泣きそうな笑顔に、絶対にやられます。

それぞれに「クセが強いんじゃあ」と評価したくなる作品だらけなのですが、ピンク映画は、監督の思いをギッチリと詰め込んでいるだけに、脚本段階でクセはものすごく強いです。そこから役者たちのエネルギーが注入されて、さらに監督の演出が注入されていく。

 

ギリギリのスケジュールのなかで、ギリギリまで考えてテストをして、本番演技。さらにリテイクしたりして、映像を積み重ねていく。CGフル回転のハリウッド作品も面白いけれど、ここまでアナログ的に詰めて詰めて作り出すものまた映画。どちらもそれぞれの面白さが備わっているわけです。

 

「#ステイホーム」という自由な時間が与えられる状況下にあって、成長をしたいと本を読んだり映画を見たりしているあなた!エロにも自身の成長を促す描写というのがあるわけです。もちろん短絡的、即物的反射をするのも作品にとっては最高のアクション。それくらいに、4作品ともエロいですから。

劇場が再開された日に、是非とも見てもらたいたい作品が待っている

「温泉情話 湯船で揉みがえり」竹洞哲也監督・出演◎きみと歩実、新垣智江(新人)、千葉ゆうか(新人)ほか

奇跡を起こす温泉旅館で起こる出来事。前向きになることを忘れてしまった男女が、湯船の中での出会いによって快感を得て、新しい人生を得ようとする。脚本の小松公典が書き上げた世界は、止まってしまった時間を動かすことのつらさをたっぷり味わいつつ、こんな奇跡があってほしいと願うこと間違いなしの世界なのです。

竹洞監督のピンク映画の素晴らしさは、何かを押し付けることもないし、見ている側が発見した何かを否定することもないところ。映画のなかに出てくるきみと歩実ちゃんが、シーンを重ねるごとにナチュラルに変化していくので、観ている側もまた考え方などが変わっていくかもしれません。でも竹洞監督は、淡々ときみとちゃんの変化を映しているのみ。観ている間に、温泉のなかに同じように浸かり、あなた自身の変化を起こしているかもしれません。

「優しいおしおき おやすみ、ご主人様」石川欣監督・出演◎あけみみう、明望萌衣(新人)、並木塔子ほか

こちらはピンク映画で数々の名作を生み出している高原秀和監督プロデュース作品は、ベテラン監督である石川欣のピンク映画32年ぶりの監督作品であり、OP映画初監督作品です。

「たわわな気持ち 全部やっちゃおう」で大好評を得たあけみみうちゃんが、初主演にして妙に明るくスケベなキャラクターを熱演。SMの関係と書くと、何やらハードな関係を連想するのですが、全くそんな気配のないゆる〜く失業中のご主人様とフリーターM娘・由美のカップル。仕事が決まらない愚痴として、由美にいろいろ命令という名の甘えをするご主人様。そんな彼の言葉を額面通りに受け取って実行しちゃう由美。みうちゃんの可愛らしく軽い女子っぷりによって、逆にMという概念がSEXするだけと捉えているのがいかに浅いかを教えられることでしょう。単純に作品世界を楽しく堪能しつつ、男女の微妙な関係性をじっくりと味わって、楽しさのなかで、じんわり冷や汗をかいてくださいませ。

近日公開となっている2作品。本来ならばすでに公開スケジュールは発表されているはずですが、このご時世です。最初に公開される上野オークラ劇場は、まだまだ解除とはいかないし、解除後もいろいろと規制があることでしょう。しかしながら劇場再開をファンのみなさんが待ち望んでいるのです。

まとめ〜女優の成長や映画ならではなのカメラワークなど、ピンク映画で改めて映画の楽しさを知ってもらいたい。

映画とは総合エンターテイメントと呼ばれます。映像だけでなく、音楽なども凝ろうと思えば無限に凝れる。映像だって欲しい絵が、海の向こうにあったとしても撮ろうと思えば撮ることができる。もちろんすべては予算の範囲内のお話です。何十年も前の映画黄金期でも、会社を上げての超大作でなければそのような作品は撮ることはできません。

 

むしろ「プログラムピクチャー」と呼ばれる映画のほうがたくさん量産しています。その昔は、映画館も映画会社の直営館だらけ。なのでスケジュールを必ず埋めないといけない。役者さんも、ピンからキリまで、映画会社やステジオについている。なので役者に飯を食わしたり給料を出すためにも、作らないといけないのです。

 

ところが、変なもの(例えば妙な芸術映像作)を作って映画館にかかったとして、お客さんが来なくて…となるわけにはいかない。だからこそ若手だったりベテランだったり、とにかく有望な監督で手が早い人が重宝されたそうです。

 

プログラムピクチャーとは、「当たらない作品」はあり得ない。AVと同じように、「必ず面白く売れるように作る」ことが大原則なわけです。

 

ポルノというだけで、蔑んだり上から目線で見下す方々がいらっしゃいますが、ポルノの恐怖とか、「売れて当たり前」のように語られ、内包する作品の本質を語られないことでしょう。ピンク映画の監督を務める方々は、どこ吹く風のように淡々と仕事をこなす。今ではフィルムからデジタルになりましたけど、デジタルに見えないエネルギーを刻んでいるのです。

 

劇場からスタートするのは、現在難しいですが、上野オークラ劇場は不忍池のすぐそばに作られた綺麗な映画館。20世紀のポルノ映画館とはもはや趣からして違います。女子だって入り口さえ乗り切れば(やはり人間気になるものです)、楽しめる作品が公開されています。特にここ数年は、女子が観て共感を得られる内容も多く、あらゆる映画のなかの、エロいところが目立つ映画として認識してもらえば、大いに楽しめる作品だらけでしょう。

 

またAVファンのみなさんも、いつも観ているAV女優たちが、ひと味もふた味も違う演技と絡みを見せてくれます。そこにはわかりやすいSEXだけでなく、妙に難解な作品もあるかもしれませんし、理解し得ないストーリーがあるかもしれません。だからこそ、映画は面白いのです。

 

自宅で映画を観る際のポイントは下記の通りです。

 

「細部に監督が拘った何かが映っていることが多いので、画面をより広く大きく観るクセをつけてください」

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