まだ誰とも性的関係を持っていない女性……処女。
基本的に、処女は貴重なものとして、宝物のように扱う男性が多いようです。
一方、女性は処女にそこまで価値を見出してはいない、と言われています。
むしろ学生時代、周囲の友人たちが次々に処女を捨てていく中、「早く自分も経験しなきゃ」という気持ちになり、好きでもない男となんとなく経験してしまう、ということも多いと聞きます。
童貞は男にも女にも「童貞(笑)」と扱われ、なんとなく捨てようと思っても捨てられるものではないと言うのに。
「処女あげます!」と言われた男は狂喜乱舞するでしょうが、「童貞あげます!」と言われた女は「キモ……」の一言、下手をすれば通報案件です。
なんという男女格差。
そのような現実を理解しているためでしょうか、女たちは処女を有効活用することを知っています。
かの有名なマドンナは「処女を失ったのは、キャリアアップのためよ」という名言を残しました。
現代では「枕営業!」と言われて炎上すること間違いない発言です。
時折、ネットオークションで「処女を売ります」という出品が話題になったりするのも、自分の処女は売れる、高くても男は買うだろうという考えからでしょう。
それもこれも、処女を神聖視する男が悪い、と言えるかもしれません。
意外にヒドい!? 中世ヨーロッパにおける「処女」の扱い
中世ヨーロッパでは、領主が「初夜権」という権利を持っていました。
この「初夜権」とは、農夫の娘が結婚する際に、その処女を農地を所有する領主が奪うことができる、という権利です。
もしこの権利を拒否するのであれば、罰金が課せられたと言います。
一方、この初夜権を実行することによって、家族は税金を免除され、報奨金まで与えられたと言いますから、決して農民たちにとっても悪い制度ではありませんでした。
聞くだけなら「なんて羨ましい!」と思えますが、実際のところはどうだったのでしょうか。
領主が「処女ならなんだっていい!」という極度の処女好きならともかく、領主にも好みというものがあるでしょうし。
全然好みじゃない子の場合は「いや、君の処女はいらないや……」と断ったりしたのでしょうか。
気になるところです。
また、19世紀のロンドンでは「生娘買い」というものが大流行したそうです。
「お手伝いさんを探している」と家族を騙して娘を連れ出したり、家出娘をナンパしてきたり。
そうやって処女を確保した売春宿は、娘が寝ている部屋にこっそり客を呼び入れ、店員も手伝ってむりやり犯させるのです。
娘が抵抗しても、男2人に抑えられてはどうしようもできません。
むしろ、暴れれば暴れるほど「活きが良い!」と喜ばれたといいます。
刺身じゃあるまいし……。
中世ヨーロッパでは、処女は「貴重なもの」出会ったことは確かなようですが、その扱いはだいぶ雑だった、と言えるでしょう。
日本の歴史に見る「処女」の変化
一方、日本では歴史上「処女」に対して、中世ヨーロッパほどのレベルで重要視していたわけではないようです。
かつて日本では、祭りの日など特別な日には所属するコミュニティ内で男女が交わることが当然のように行われていました。
その相手は特定の相手ではなく、言ってしまえば「誰でもオッケー」な乱交状態。
つまり「処女を守る」文化ではなく、誰彼構わずSEXすることで、コミュニティ内のつながりを形成する文化だったのです。
また、農村などではいわゆる「夜這い」が日常的に行われており、年頃の娘や若妻などには機会があれば次々に若者たちが夜這いを仕掛けた、とも言います。
このような状況では、処女が珍重されるなどという考えは生まれないでしょう。
そもそも『古事記』の「国産み」(日本誕生)の神話からして「イザナギとイザナミがSEXして日本が産まれた」(思いっきりざっくりした意訳)というものです。
「性におおらかな日本」を象徴するような話と言えましょう。
現代日本では処女が増加している!?
このように「性におおらかな国」であった日本ですが、現代では少しばかり事情が変わってきているようです。
バブル崩壊後の1992年から2015年の間に、18〜39歳で性交渉の経験のない日本女性が21.7%から24.6%に増加したというデータがあります。
具体的な数のデータで言えば、2010年時点で日本の18〜39歳の処女は326万人と推定されています。
「草食男子」が増加した、というニュースはよく聞きますが、その影響なのでしょうか。
それとも、男性だけではなく女性にも「草食女子」が増えている、ということなのでしょうか。
一方で、そういった「高齢処女」たちの中で「女性用風俗」の需要が高まっているとも言いますので、決して「女性から性欲が失われている」ということでもないようです。
まあ、女性用風俗は本番禁止なので、処女が何度女性用風俗を利用したとしても処女のままなのですが。
この状況が続くと、処女より非処女の方が希少になる、という時代が訪れるのかも……?