BL(ボーイズラブ)が好きな女子の心理ってエロだけなの!?

BLは、AV女優からアイドルまで30歳未満女子のハートを鷲掴み!?

BL(ボーイズラブ)と簡単に言いますが、世代での感じ方は全く違います。

やおいは、「キャプテン翼」のパロディーカップリングが元祖といえるのですが、それはそれで、「アンソロジー本」として残っていますが、現在のBL好きと語る女子からは亜流です。

さらにいえば、普通のコミックを読む感覚で読んでいる、そこにカップルのSEX描写があったとしても、それはそれ。

男同士が、どちらかの誘惑によって「ホモ世界に落ちる」描写も、カップルとして自然に関係を持つ、それが男同士というパターンが多いようです。

ちなみに、AV女優にも多いBL好きですが、この場合、一般人は、「SEXに奔放なAV女優だから、エロいマンガが好き」という、狭い視点で見ています。

ところが、女性アイドル、テレビに出てる有名グループの女子でも、「BL好き」と言っている訳で、年齢問わず、アイドル好きな男子たちが混乱を来しているようです。

恋愛に対する価値観で、今も男子に根強く存在するのは、「処女性」でしょう。

最初であってほしいというベタなものから、「最初に彼女に快感を感じさせたのは自分」のような、優越感からきているのは間違いないところ。

女子にも、全く受け身な人は未だにたくさんいますけど、そうではなくて、「ドロドロな恋愛をしたい」感覚を上手く助長させてくれるのがBLということです。

「男性的価値観を自らも獲得する」とでもいうとカッコいいかな?

「結ばれているようで結ばれない」とか、「結ばれているけれど世の中から容認されない」という、まるで、「ロミオとジュリエット」のような恋愛古典劇は普遍的価値があり、今なお人気です。

これに、現在の社会事情を混ぜて、男女間の垣根を外したのが現在のBLです。

その結果、世の中の女子に認知されたのです。

アプリなどのコミックス定額配信やダウンロードサイトを見ると、その充実っぷりは呆れるほどすごいですよ。

「エロだけではない!」という26歳BL女子Yさんが語るBL

「BLにハマったのはストーリーと絵のマッチングですね!」

「子どもの頃から、小説やマンガはいっぱい読んでまして、家には家族の本が山ほどあって、みんなでみんなの本を読むようなお家でした」というYさんは、マンガも音楽も本格的に観たり聞いたりしているタイプの女子。

「さすがにBLはそこら辺に放置できなかったですけど(笑)、買った理由は表紙です」

「タッチが綺麗なのと、線ですね」

「指とか細い少女マンガチックな感じが好きなんですが、どうしても恋愛系となると……学生ドラマが多いじゃないですか(笑)」

「そこから突き抜けたのが、BL……TLまでいくと、家族に読まれたくないですけどね、エロ本にしか見えないから(笑)」

「私のBLはお兄ちゃんとかも読んでいますが、理由はやはり『絵がいい』だそうです」

「ラブストーリーって、小説にしろどうしても一定の年齢層向けが多いんです」

「なのでズレちゃうとピンとこなくなる」

「その中で、私ぐらいの年齢になると、SEXが絡んでいるもののほうが良いみたいです」

「自分が誰と誰と誰とヤッたみたいな話ではなく(笑)、あくまでも妄想の範疇と考えると、このぐらいの距離感が気持ちいい」

「マンガに感化されて、そのまま実体験におよぶというタイプではないけど、妄想世界はドロッドロですよ、私(笑)」

「言い寄られる主人公系が好きかなぁ……そこはやっぱり女子なんだなぁ、自分はと実感したりします」

「SEXシーンに興奮するかって?……興奮しない訳ないじゃないですか(笑)」

「道ならぬ恋」に焦がれるのは女子共通項なのかもしれません。

それをあらゆる角度からドラマとして成立させているのが、BLの価値を高めている理由のひとつなのではないでしょうか。

「生々しいのに綺麗なエロさがいい!」という22歳BL女子Sさんが語るBL

「エロは大好きですよ! サンプル動画とかバンバン観てますし、ストリーミング配信で買ったりしてます! オナニーもしてます!」と明け透けに語るSさん。

「BLはおかずですよ、あの自分とは違う焦ったさも最高だし、なんなら美少年に成り切って、おじさんに激しく突かれたいとか(笑)」

「男女のエロでも同じようなシーンはありますけど、それはそれとして別物です(笑)」

「感覚的に自分が入り込めるのでいえば、意外とBLのほうが上だったりしますね」

「つまり……自分の体の快感部分を知らない訳で、それを開発されるのが、エロマンガの醍醐味なんです」

「それを華奢な女子がやられているのか、普通のカッコいい男子がやられているのかの違いとでも言えばいいのかな?」

「電車に乗って、そんなリーマン、いないじゃないですか(笑)」

「バンドのビジュアル系だって、マンガほどの綺麗な子なんて一部いるかどうかだし」

「それならば、マンガのほうが圧倒的にカッコいいし、エロいです」

「AVも好きだけど、私は女優ちゃんが好きなので、自分の好きな内容と合致しない場合もあって、何でもOKではないんです」

「自分のSEX? それは彼氏としますけど、そこまで自分の妄想を解放してくれる相手っていないですよねぇ(笑)」

BLでの興奮のほうが、実際のSEXよりも、圧倒的な価値を持っているSさん。

そういった、「現実との不一致」を和らげる要素を持っているとするならば、BLが人気があることの理由が分かる気がしてきます。

「きのう何食べた?」など、男子カップル話が地上波を席巻中!?

放送中からSNSで盛り上がりまくる、深夜帯人気テレビドラマ「きのう何食べた?」(テレビ東京系/よしながふみ原作)は、ゲイカップルの日常を描いたコミックが原作です。

連載しているのは、「モーニング」(講談社)で、男性向けなのですが、内容的にも、原作者のよしながさんの人気も相まって、女子にも大人気のコミックです。

ちょっと前に、「おっさんずラブ」が世間の話題をさらってましたけど、今回はそのバネを受けて、さらなる弾みを見せています。

演じている西島秀俊と内野聖陽の抜群な演技力が、マンガ以上の破壊力になってしまったという(笑)

ゲイカップルの日常って想像がつかないですが、「子どもが作れないため、次世代に頼れないから貯金しないと将来が不安」とか、「女子にモテるのに嫉妬する」とか。

「女子に人気があるけどゲイにはモテないゲイ」とか、あらゆる価値観の違いが描写されています。

そこに「1円でも安く買いたい」というスーパーでの買い物シーンや、買ってきた材料で、どう作るかにこだわる料理シーンも人気です。

西島演じる主人公の1人が、「女子ウケするルックスの独身弁護士」なので、女子が全く入り込めない世界ではないのも女子人気を呼ぶ要因なのかもしれません。

接近できるけれど、最終的な部分に到達することができないもどかしい2人を傍観するしかない訳ですが、それが視聴者的な距離感に抜群な効果を発揮している。

男子には、どうやら真っ二つの評価になっているようですが(笑)、深夜帯とはいえ、ベッドシーンはなくてあくまでもゲイカップルの話だからですね(笑)

ゲイに対しての価値観にもちゃんと触れているし(世の中の偏見がスッと登場します)、何かにつけて、「ルックスや若さの価値観」で評価される女子からすれば、合わせ鏡のような世界なのかもしれません。

「エロ抜きエロ」なのですが、ベッドでの関係性を語るシーンもありましたから、想像力が上の上に高まっていく。

2人の役者の演技力以上に、世界に没入できるのも、人気を得ている理由ではないでしょうか。

まとめ〜BL人気はエロに対する男女の価値観が変わった証拠!?

エロメディアとは、SEXをよりエロく見せて、日常生活や一般的な人の想像ではあり得ない興奮を楽しむものです。

しかしながら、普遍的価値のエロが一番重要なのではなく、世代が違えば受け取る感覚は別になります。

BLですら、現在の人気と30年前の人気は別物です。

「どスケベな見た目の女子」がいつでも人気があると思っていますが、人気があるとエロいは別の話になっています。

むしろ現在は、「可愛い女子」「可愛い男子」が見せてしまうエロに興奮する感じではないかと思います。

「AVとはオナニーするために観るもの」なのは間違いないし、「BLは興奮するもの」も間違いない事実です。

しかしながら、ポイントがズレてしまったら、世の中にウケる訳はないのです。

BLを読み、AVのサンプル動画を観る女子たち。

アイドルを愛でて、AV女優を愛でる男子たち。

どちらも、「従来の思っていた人気の在り方」と別の解釈で見ています。

ジェネレーションの違いを認識しないと、エロですら価値観が暴落する。

現在のBLの人気は、「年齢が変わればエロの価値観が変わる」ではなくて、「自分の年齢関係なく、時代が変わるとエロの価値が変わる」証明です。

BLそのものを、スタートから現在まで、「1本の時間軸」として捉えるのではなくて、その場その場で刹那的に捉えることが多いのでしょう。

そういう価値の違い、思考の違いを、現在のBLは私たちに教えてくれているのです。