AVオタクとアイドルオタクって、全然違うものです!?

地上波テレビに映らないエンターテイメントの世界とは?

地上波テレビに出て、歌も踊りも演技もコメディーも、何でもやるのがアイドルだった時代がありました。

一部、大手プロダクション所属しているアイドルは、地上波のバラエティに登場したり、深夜帯に冠番組をもったりしていますけど、歌番組にほとんど出ないのが実情。

とはいえ、ライブ動員やCD販売でも、目立つのは、時流に乗った「アイドル」なのは確かです。

そんな中に、「放送媒体は、よくてBS、通常ならばCSやネットテレビ。メインはSNS」というアイドルがいて、「地下アイドル」と呼ばれるのは知識くらいはあるかと思います。

ライブハウスに出て、歌とダンスを披露し、チェキ会やCD販売握手会をメインにしているアイドル。

彼女たちは、ライブハウスビジネスが、下向きになった頃に登場した結果、「ライブステージが欲しいアイドル」と、「空いている会場を埋めてほしいライブハウス」という幸福な一致をして、現在の活動となっています。

AV女優は、地上波テレビに出演ができなくなり、その結果、宣伝活動は雑誌掲載などではなくて、本人発信のSNSがメインになっています。

握手撮影付きのDVD即売会や、オフ会、歌を歌ってのライブ活動なんかやってます……地下アイドルと見事にバッティング(笑)

違うとすれば、「今日はダンスレッスン、今日はボイトレ!」に、「今日は撮影!」と本業が付いているのがAV女優でしょう

同じであるのは、「画面の中の存在」だった、アイドルとAV女優は、今や、「会いに行けば会える存在」になったことです。

「会わなければ消えちゃう」のはアイドル。

ライブ動員や稼ぎは、生活に直結してますから、「辞めざる得ない」状況になります。

「会わなければ、会える場所から消えちゃう」のがAV女優。

AV女優は本業は、撮影にありますから出演依頼があれば消えないけど、集客系が弱ければ、あえなくなるということです。

生で会うことで成立するビジネスが、地下アイドルとAV女優に成立していると考えていただけると、令和元年の、AVを含んだ、アイドルビジネスシーンを知った気分になると思います。

AV女優とアイドルのお仕事が被ることの意味とは?

ライブに出演したり、AVに出演することで、生活の生業としていたのが、アイドルであり、AV女優なのですが、メインである、CDやDVDの売り上げが落ちたために、変化している話を書きました。

アイドルは、CDを買ってもらうために、大手メジャーならば握手会だし、地下アイドルだとチェキ付きとか、とにかく手を変え品を変えて、CDを売りさばく。

最初はお店への宣伝サービスと、カメコ(カメラ小僧)たちへのビジネスだった、即売会やサイン会が、メインワークのようになり、土日が無くなったAV女優。

テレビでは、いわゆるエロいことをやらされる「汚れ役」を担っていたAV女優でしたけど、グラドルや地下アイドルが参入し、AV女優はスポイルされています(もちろん他の問題もありましたけど)。

逆に、AV女優たちは、「歌を歌う」ことによって、アイドルたちの仕事場に参入し、その男性には妙に知られている知名度を活かして、アイドルたちができないサービス(ハグ、ギリギリなセクシーさを出す衣装など)で、アイドルの仕事を蚕食しています。

どちらも、業界内のライバルだけでなく、外のライバルまで存在するわけです。

オタク男子を訴えるのは、AV女優とアイドルどっち!?

意外に思う方も多いでしょうけど、「AV女優ファンとアイドルファンは被らない」のです。

仕事としては、SEXにヌードが有る無しなど全く違うのですが、ファンたちは、露骨に区別しています。

「ヌードになってSEXしている女を推せるか!」(アイドルオタ41歳)

「可愛いんだか分からない女を推せるか!」(AV女優オタ43歳)

これが一番分かりやすい区別……差別と言ってもよい。

可愛いから、好みだからの応援したくなる要素などを比べるのではなくて、「SEXを見せる」ことに尊敬を抱くAV女優オタクと、それを侮蔑するアイドルオタク。

この対立は、2ちゃんねるが喧しい頃から、騒がれていましたけけど、SNSでさらに身近なツールになってからは、当人の呟いたtweetから、ずっと切れることなく大騒ぎの炎上を呼ぶようになっています。

当事者のtwitterで繰り広げられたりするので、本人たちが病みまくりなので、止めてほしい行動なのですが、理念のぶつかり合いだし、タチが悪いまでに、「正義感」を振りかざす。

どこかの社会と同じようなことが展開されているわけです。

裸体とSEXを晒すAV女優、可愛さの中にエロスを内包させたり思考を巡らせるアイドルたち。

どちらに軍配をあげるというよりも、「違うことしているから、重ならないよね」と思うはずですが、当事者により近い応援者である、「オタク」たちにはそう簡単に結論づける話ではないようです。

ちょっとだけ違うのは、女子オタクの考え方です。

彼女たちは、アイドルもAV女優も同じように褒めたり好きと騒ぎます。

「可愛いのが好き!」という彼女たちは、今のAV女優たちは、顔面偏差値が高いですし、エロいことをしているときの表情に憧れを抱くようです。

「仕事として脱いでいる!」覚悟なんかも好きになる要素だそうです。

「橋本ありなちゃんを見つけて、『また推しメンが増えちゃった』と(笑)バイト頑張りたいです! アイドルちゃんもAV女優ちゃんも、羨ましいほど可愛いんです!」(28歳女子オタク)

女子の心理は、優越感やマウンティングが大きく左右すると思われていますけど、それは身近なライバルの話。

自身の住んでいる世界と違えば、尊敬するのです。

結果、「アイドルになりたい!」という女子と同じように、「AV女優になりたい!」という女子が、ここ数年増加傾向です。

「就職難だし、生活がなにも変わらないならば、若いうちに勝負をしてみたい」

という感じで、たくさんのアイドルオーディションを受ける子や、AV女優に応募する子が出ているわけです。

「なれるかどうか」はまた別の話と思ってください、先ほども書いたように、今、AV女優として売れるには、相当なレベルを要求されます。

不況という今の社会は、生産性のなさそうな「オタク」を生み続けていますが、彼らは「CDやDVDを購入する」目的として、労働し続けているのです

「私はAVを売るためにいろいろとやってます」AV女優・Aさんの証言

AV女優で、アイドル活動をしているAさんに話を聞いてみました。

「AV女優であることを忘れることはないです」

「自分を外に向けてアピールする場所が、ツイキャスとか事務所の作っているYoutubeとか、限られているからこそ、アイドル活動として歌を歌っています」

「もちろん、歌うことは大好きですよ!」

「でも、アイドルになりたかったから、AV女優になったなんてことは1mmもないです(笑)違うじゃないですか、これって」

「AV女優として顔が売れることで、作品からのオファーも増えてくるんです」

「それは実質的に、生活水準を上げることにつながります」

「メーカーさんへの営業で回るときにも、『こういうことをしてます』というアピールにもなりますからね、期待値を上げてもらえるために」

「そして作品に出たら、そこも次に呼ばれるように頑張って撮影する」

「内容が良くて呼ばれることもあるし、売れたから呼ばれることもある」

「AV女優というお仕事は、これだけAVが売れなくなっていると騒がれていれば、自分もただ出ているだけじゃ、すぐに先細りしちゃう」

「新しくて可愛い女優さんが、次から次へと出てくるし、1年経てばベテラン扱いですよ(笑)」

「AV女優を止めてから、何かしたいことをするのに、お金があってマイナスはひとつもないですから」

作品に1本出れば、潤沢なギャラがもらえた時代は、10年以上前の話です。

アイドルたちだって、テレビに出ている人気グループですら、どうやって露出して売れていくかを考えています。

自分の得意が、ひとつだけで済む時代じゃないことの象徴が、「アイドルやAV女優の仕事」に現れているんじゃないかと思います。

まとめ〜自己承認欲求と自己愛は、令和に生きる男女のキーワード!?

心理学から出て、すっかり耳馴染みする言葉になった、「自己承認欲求」

そして、「自分が好きだけど嫌い、でも好き」という「自己愛」の主張もまた、ポピュラーなワードになっています。

その二つが、どのようなバランスで重なるかで、「アイドル」「AV女優」「オタク」は、成立しています。

「やっぱり愛してほしいし、愛したい」という考え方は、アイドル、AV女優、オタクに溢れているわけです。

「自分は彼女たちを応援している!」

「自分のパフォーマンスが彼らを支えている!」

ここには、人のために奉仕する精神と同じぐらいの自己愛が溢れています

さらに、「彼女たちに、世間に認めてもらいたい」承認欲求が重なった結果は、SNSに溢れています。

違っているはずの、「AV女優」と、「アイドル」は、似て非なる存在だけど、精神的には近い存在だからこそ、「オタク」たちは、ぶつかりあって避難したりするするわけです。

他人に優しくなれるかどうかは、「オタク」たちの「愛憎」の行方が鍵なのですが、ビジネス上に成り立っているので、対立構造を作りがち。

「ハリネズミ」のように、「抱き合いたくても抱き合えない」のが、令和元年=2019年のニッポンなのです。