成功はしたけれど性交はしなかった童貞偉人伝

童貞

(どうてい、: cherry boy, virgin)は、性行為を経験していない男性を指す言葉。

(Wikipedia「童貞」 https://ja.wikipedia.org/wiki/童貞 より引用)

人類の歴史の中には、さまざまな功績を残した偉人たちが存在します。

科学技術の発展に貢献し、人類の生活を向上させたり、文学や音楽などの芸術活動で優れた作品を発表したり、戦いの中で勝利し続け、英雄と呼ばれたり……。

ジャンルはさまざまですが、歴史に名前を刻み、(基本的には)尊敬の念を集める人々です。

 

一方、人類の歴史の中には「童貞」と呼ばれる人々も存在します。

こちらは性行為の経験がない男性を指す言葉であり、(基本的には)あまり尊敬の念を集める人々ではありません。

むしろ「まだ童貞なの?」

「早くSEXぐらい経験すれば?」

「童貞が許されるのは小学生までだよねー」など、

散々な言われ方をすることが多いのではないでしょうか。

 

一般的に、この「偉人」と「童貞」という言葉は同時に語られるものではありません。

「英雄色を好む」という言葉があるように、何かしら業績を残した男性というものは女性好きであり、女性からもモテただろう、という漠然とした固定観念が存在するためです。

 

しかし、実はそれは正しい評価だとは言えないのです。

人間、1人1人が違う考えを持ち、違う生活を送っているのですから、童貞の偉人が存在してもおかしなことはまったくないのです!

そういったわけで、成功はしたけれど性交はしなかった、一生を清い体で過ごしたエラい人々についてご紹介します。

 

仕事一筋! 女性よりも「働くこと」を選んだ童貞偉人たち

1903年に世界初の有人動力飛行に成功したライト兄弟。

兄・ウィルバー(1867~1912)と弟・オーヴィル(1871~1948)は、2人とも生涯独身を貫きました。

2人とも、そもそも女性に対して関心が薄かったようで、誰かに対して恋愛感情を抱いたり、求愛した形跡すらない、とされています。

大空を飛ぶ、というロマンの方が、女性よりもよほど魅力的だった、ということでしょうか。

その代わり、家族仲は非常に良く、兄弟を影から支えた妹のキャサリンと共に、一致団結して飛行機の完成に邁進したことが成功の秘訣だった、とも言われています。

 

……実際のところは、兄のウィルバーは人見知りで気難しく、女性に好意を伝えられるような性格ではなかったため、童貞を貫かざるをえなかった、という可能性があります。

弟のオーヴィルは兄よりは社交性があったようです。

しかし、妹キャサリンが1926年に結婚した時、なぜか結婚式に出席することを拒否したとのことなので、こちらも何かしら結婚に対して嫌悪感を持っていたのかもしれません。

 

科学者、アイザック・ニュートン(1642~1727)も生涯独身でした。

「万有引力」の発見や「微分積分学」の基礎を作り上げる、という多大な功績を残しています。

そんなニュートンは研究に専念するため、結婚は犯罪などと同様に近付けてはいけないもの、と考えていたようです。

 

一方、ニュートンのことを「無性愛者」とする説もあります。

自分から望んで結婚しないようにしていたのではなく、そもそも他人に対して恋愛感情や性的欲求を持つことがない人間だった、ということです。

「生涯独身」どころか「一生のうち、一度も射精することがなかった」という話まであります。

 

そこまで行ってしまうと、童貞か非童貞か、という話以前に、人類を超えた存在だったのではないか、という疑念まで湧いてきますが……。

やはり、多大過ぎる功績を残すような人間は、他人とは少し違っている、ということなのでしょうか。

 

偉人だから、といってもモテるわけじゃない……。「非モテ」童貞偉人たち

ハンス・クリスチャン・アンデルセン(1805~1875)。

『親指姫』『人魚姫』『裸の王様』など、誰でも読んだことがあるであろう数々の童話を発表した「童話の王様」です。

 

アンデルセンも生涯独身でしたが、彼は女性に対して興味がなかったわけではありません。

何度となく恋をして、何度となく思いを伝えていますが、すべて玉砕。

歌手のジェニー・リンドという女性からは「お兄さんでいてください」という言葉を送られ、フラれています。

現代の男が告白して「いいお友達でいましょう」と言われるようなものでしょう。

アンデルセンは決してイケメンではなく「デンマークのオランウータン」などというあだ名をつけられることもあったといいます。

個人的には「ブタゴリラ」に匹敵する、ヒドいあだ名だと思います。

こんなあだ名を他人につけたら、殴られても文句は言えません。

 

ただ、アンデルセンの場合は外見だけではなく、本人も非常に繊細で、潔癖で純粋な価値観の持ち主だったという点があります。

一言で言えば「面倒くさい男」だった、ということです。

 

今も昔も面倒くさい男はモテない、ということでしょう。

 

『道徳感情論』『国富論』などの著作で知られる経済学者、アダム・スミス(1723~1790)も生涯独身だった一人です。

 

ただ、アダム・スミスは名声も財産もあり、それなりにイケメンであり、絹のスーツやビロードのコートを身にまとうようなオシャレさんでもありました。

それなのにモテませんでした。

 

本人も、54歳の時に「子供を持ちたい」と発言していますので、結婚する気マンマンだったはずです。

それなのにモテませんでした。

 

アダム・スミスがモテなかった原因は、彼が母親とずっと一緒に暮らしていたためでしょう。

彼の母親は90歳という、当時としては驚くべき長寿を保ちました。

それ自体は非常に良いことなのですが、そのためにアダム・スミスには当時から「マザコン」のイメージが付いてしまったのかもしれません。

 

母親にずっと身の回りの世話をしてもらい、母親が亡くなった後も従妹が世話を引き継いでくれた、ということで、身内には恵まれているのですが……。

今も昔もマザコンはモテない、ということでしょう。

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