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ピンク映画の流れを変えた!?「OP PICTURES+フェス2018」
映画は、シネマコンプレックス(シネコン)によって、ひとつの劇場でいろいろな映画を観るものになりました。
昔のような、専門映画館の都心部で劇場公開され、それが徐々に地方に移っていくパターンで映画公開を続けているのが、オーピー映画を中心とした、「ピンク映画」です。
東京は上野、不忍池の側にある上野オークラ劇場はその専門館であり、月一ペースで土曜日に開催される、新作映画の舞台挨拶では、主演女優、監督だけでなく、可能な限り出演者たちが集まり、トークショー、そしてサイン会を開催して、AV女優ファンの人気スポットになっています。
そのR18を外し、映画フェスとして、単館映画グループではもっとも強い、テアトルグループの「テアトル新宿」を中心として開催されたのが、「OP PICUTRES+フェス」です。
タイトルもピンク映画っぽいタイトルを変えたり(変えていない場合もあります)。
例→R15「新橋探偵物語」、R18「絶倫探偵 巨乳を追え!」
今年も開催され、劇場はファンに溢れ、熱気あふれる状況で、「テアトル映画の舞台にAV女優が立つ」という、「昔ながらほぼあり得ない」状況が、夏の当たり前の行事になっています。
さらに、このR15版は、DVD化されるのですが、ピンク映画は、ほとんどがソフト化されないのが大きなポイントでした。
理由は、「地方館で徐々に劇場公開を拡げていく」映画公開パターンをなので、ソフト化してしまうとお客さんが来なくなる可能性があったから。
ここは難しいところでして、映画ファンならば映画館で観るのが当たり前と思っているでしょうけれど、最近はDVDやストリーミング配信によって、「映画館で映画を観る」ことを当たり前と思っていない人も多いのです。
今の時代にマッチングさせることは、従来のファンを落とす可能性もありますが、拡がる可能性もある……そこに勝負を賭けたのが、「OP PICTURES+フェス」なのです。
ソフト化されるピンク映画によって、ドラマ系AVが復興する可能性
先ほど書いたように、R15版「OP PICTURES+」作品はDVD化され、R18作品も配信サービスやレンタル作品にプログラムされるようになり、イメージ的には、Vシネマにと同じ感じになったと思います。
最近、人気減が叫ばれるAVですが、また新たなるライバルが誕生した感じ?
でも、これによって、別のパターンの人気を得られる可能性が生まれています。
それは、AVにおいてもっとも蔑ろになっていると言い切ってもよい、「ドラマ系AV」の復興です。
名作はたくさんあるのですが、ストーリー性に重きを置くというよりは、主演女優が悲惨な状況に落ちることを示唆することがメインです。
ピンク映画の場合、転落ドラマだけでなく、ヒューマニズム系、コメディー系、ホラー系と、あらゆるパターンのドラマが用意され、そこに、「人間性を見せるための必然」として、絡みシーンが組み込まれます。
「監督の意志」が、「脚本」になり、「演出」されて、「出演する人たち」に伝わり、作品となる。
どちらもやっているAV女優に聞くと、「セリフを脚本と変えると止められる」とか、AVと似ているけれど真逆なのが分かります。
あらゆる部分が似ているけれど、真逆な部分もあるAVとピンク映画。
ストーリーに重きを置く視聴をとる人たちからすれば、「こっちのほうが面白い」となる人も出てくるでしょう。
AV側には、これまではとても曖昧だった(それが良い部分でもある)、「ドキュメント系」と「ドラマ系」に、明確な区分けが発生することも考えられるのです。
分離する視聴者層!?「ドラマAVについての賛否」その1/Tさん56歳・ドラマAV肯定派
「年をとると、ただがむしゃらにオナニーするってわけじゃないんです」と笑いながら語ってくれた50代のTさんは肯定派です。
「テレビドラマも観ますから、それに勝てるぐらいのドラマ性を、AVに求めたいわけです」
「最近の若いAV女優さんにどんな子がいるということも、私には興味がなく、むしろ、『ちゃんとお芝居ができて、なおエロさが高い女の子』がすきです」
「熟女好きってわけではなく、若い女の子のエッチも大好きですから」
「女の子が発情興奮しているのが伝わることで楽しめるのが、ドラマAVだと思っているのです」
「人間って、演技からそれが自分の意識になっていくのが最高ですから」
「戸田真琴 盗撮マニアのひきこもり兄の性欲処理玩具にされた美人OL」
https://ec.sod.co.jp/prime/videos/?id=STAR-947
分離する視聴者層!?「ドラマAVについての賛否」その2/Mさん32歳・ドラマAV否定派
「ドラマなんか見ないですよ! 演技なんて嫌じゃないですか!」と熱く語るのは32歳のMさんです。
「エッチが演技だったら、男は興醒めするでしょ? 女の子がいろいろ弄られたり、いろいろなことを言われて、エッチしちゃう瞬間の挫けた感じがいいわけですよ!」
「誰か分からないし、目線モザイクしてるけれど、カメラの前でエッチしている子は、もしかしたら、会社の別フロアにいるかわいこちゃんだと思うのが興奮するわけですよ!」
「納得ずくでエッチするのは、奥さんだけで、浮気の相手はなんらかの理由があって、お互いに、エッチしないと我慢できないってことになるのがいいわけですよ!」
2019年AV女優は、名前の通りに「女優」としての価値を持つ!?
ドラマ系を肯定するか否定するかに分かれるのは、「AV女優への見方」があると思います。
SODstar女優たちの興奮の姿が大好きな人もいれば、素人が良いという人もいる。
別パターンですが、風俗でも、「同じ女の子をずっと付ける」のが好きな人と、「必ず経験無しの新人」だけを狙う人がいますので、似ているけれど全く別の楽しみ方をしているわけですね。
AVでも新人AV女優のフレッシュさが大好きな人も多いです。
ドラマ系AVへの需要が出てくると、その部分とは違う「AV女優が女優として価値を獲得する」と考えています。
素人性というのは、日本はなぜか好きでして、アイドルなんかも同じ条件下です。
ところが最近、「YouTuber」の誕生によって、「アイドルは素人ではない」ことに価値がつくようになっています。
そして、AV女優は、「ヤリマンであれば、資質として最高」のような価値観ではなくて、「いかに人に興奮を呼び込むのか、煽情的なことを、カメラ前できるのか」が、AV女優になっていくと思うのです。
どれだけ可愛らしいとか美人であっても、AVでのカメラが周りだすと、本当にエロさを発揮できる女の子、それがAV女優のポテンシャルの鍵を握っています。
その呼び水のひとつとなったのが、ピンク映画のR15版でした。
「自由な意思を解放する」なんて、どんなジャンルでも難しいことですが、それを自在にやれるのが、「プロ中のプロ」と呼ばれる人。
情熱性と冷静さが同居して、「見せる物」として完成されるとするならば、素人ができる可能性はとても低い。
AV女優が、プロ中のプロとなるために、「ドラマ系AV」が必要アイテムのひとつとしてクローズアップされているのです。
「怪談 呪いの赤襦袢」©️OP PICTURES+
まとめ〜ピンク映画R15版は、AVの救世主か破壊者か!?
「OP PICTURES+フェス」がスタートしたとき、「女性ファンが見やすいので劇場に来れる」ような話題が出たのですが、想像しているよりは低めでした。
シネコンで初めて映画館に行っている人たちが、有名館とはいえ、テアトル新宿に行くには、相当な映画のパワーが必要なのです。
「この世界の片隅に」だったり、「カメラを止めるな!」だったり。
私だって、そこまで強烈な「映画が好き」女子なんてプライベートにはおらず、お仕事で、戸田真琴ちゃんや、新人女優の小泉ひなたちゃんぐらいしか知りません。
でも今後の呼び水になっているのは事実。
女性の性の解放とかではなくて、「映画を楽しむ」レベルまでちゃんと示していき、出演するAV女優たちが、「出演する価値」を感じることができれば、ピンク映画R15版はさらに進化するでしょう。
そして演出するプロたちの刺激を得て、AV女優は進化する。
女優だけが進化しても無理なんで、メーカー側も重要になってきます。
売ることをどのように考えて作っていくか、経済面の頭脳も必要となっている、2019年エンターテイメント。
ドラマ系AVは、その扉を開ける鍵のひとつではないでしょうか。