新しい時代を進んでいくヒロインを探せ〜Live from Grapefruit Moonー月で逢いましょうーニューカマースペシャル 7月12日開催〜円井萌華&園田ひなの登場

プロローグ〜AVは業界外のエネルギーで新しい時代の幕を開けさせられた!?

SNSで話題となっています「AV新法」。いわゆる「業界のことを知らない人間が、違う物差しを使って作った法律」であり、根っこには、「公にエロ産業なんて認めません」という大人の思惑が感じられる法律が施行されてしまいました。施行されてしまったので、それに応じた対応をAV業界は強いられています。

 

そういうところ以外でも、かなりAVは変化してきました。AV自体が「売れない」と騒いでいる。AVに限った話だったら、問題は内側にあるわけですが、どちらかといえばこの話は、ソフト制作しているあらゆる業界が打撃を受けています。メディアでは、売れた方だけを報告ニュースとしてピックアップしますから、ますます売れる側は売れて、売れていない側は数字が下がっていく。ものすごく極端に真ん中のえぐれた鼓のような感じ。上と下だけが膨らんでいるのが、あらゆるソフト業界です。

 

AVはこの流れに入ってしまったようです。人気があるセクシー女優のタイトルは、必然的に目立つところに登場します。特にweb告知が中心であれば、ロボットが数字で作り上げますのでなおさら。発売日だけが目立つわけで、そこで売れなかったらその後、売れるわけがないという感じでしょうか。隠れて売れている作品とか、パブリシティできないけれど、実は売れている女優なんてことが、10年以上前にはあったのですが、最近はすっかりなくなりました。

 

買う側の意思が、「可愛い女優、エロい女優を探す」ではなくて、「売れているから安心できる女優を買う」という感じ。DVDにメインメディアが変わった頃のAVもそんな傾向が強かったのですが、前述のように、「隠れて売れている作品」なんていうのがありましたから、そこまで極端な状況にはならなかったのです。

 

でも現在は、わかりやすくこの傾向が出ています。なので、コロナ禍開始前後にデビューした女優が、2、3年くらいやって「もう引退します」と止めています。上が見えなかったという感じでしょうか。新人デビュー作は売れますから、その後の結果が本人が考えているようにならなかったとかかもしれません。もっと他の業界からチヤホヤされると思っていたのに、そうならなかったという自己顕示欲の刺激を得られなかった女優もいるでしょう。

 

外的な要素によって、前途あるセクシー女優が踏ん張れずに消えてしまう。これは今としての見ると、「まぁ残念だ」くらいに感じますが、3年経過すると、「女優がいない!」なんてことになりかねないのです。だって、真ん中くらいでリリースを支える女優がいないわけですから。新人(3作目まで)とベテランしか残らない世界が見えているわけです。

 

そういう中で、セクシー女優が今、しなければならなくなったことは、SNSでのエロ自己アピールではなくて、「SEXはAVで見せるけど、それ以外にもこんなに見てもらって損をしないことをしている」という、二足のわらじが当たり前の世界になりつつあるわけです。

 

そういった中で業界が揺れている中、7月12日に開催されたミルジェネ主催配信ライブイベント「月で逢いましょう」は、ニューカマースペシャルとして、円井萌華ちゃんと、園田ひなのちゃんが初登場!新鮮かつキュートなライブパフォーマンスを披露しました。

純粋かつ素直が歌唱力が魅力的なパフォーマンス〜円井萌華

「艶っぽさと清楚さが混ざり合った歌声」という感じを、1曲目の冒頭から感じたのが、トップに登場した円井萌華ちゃん。どんどんと盛り上がっていく楽曲を、きちんと盛り上げていくのです。なかなかできない部分かもしれません。

 

気負ってしまったり、逆に緊張しすぎてポテンシャルを発揮できないパターンが、歌のステージに登場する女優さんには多分にあるあるなのですが、アイドルである萌華ちゃんは、経験もあるので、いわゆる落ち着いたステージングでした。

 

ファルセットをきちんと利用して、丁寧に歌い上げていくので、実際の声とは違った雰囲気になるのも素晴らしい限りですね。しかも表情の取り方も素敵でした。カメラを意識した視線もあったりして、歌に関しての萌華ちゃんのキュート&セクシーと言い切ります。ハートに染み込んでいく感じが良いわけです。

「月で逢いましょう」のおなじみとなったバックミュージシャンのお二人。キーボード&コーラスの平方元さん。そしてアコースティックギターの福田正人さん。どちらも歌を支える演奏をしてくれるわけですが、その二人とのコンビネーションが抜群。後ろを意識しすぎたりすることって、生演奏で歌うとあるのですが、本当に萌華ちゃんはバッチリ。気持ちよさそうに歌っていました。

 

緩急が混ざり合った楽曲は、ニューカマーでは3曲となっているのですが、「もう少し聴きたい」と思った人たちはたくさんいたでしょう。可愛いから見ていたい的な、甘やかせ系のファンというのは、セクシーアイドルに限らずいるわけですが、そういうことではなくて、もう少し萌華ちゃんの構築した世界観を観ていたい、聴いていたいと思ってくる。そう要素がたっぷりと含まれているのが萌華ちゃんのステージなのです。

 

ラスト楽曲の「Flower」なんて、盛り上げようとすれば、最初からずっとジェットコースターのように歌い続けるパターンもあるはず。そこを、ちゃんとオリジナルのように、抑えて歌いつつ盛り上げていくという歌唱を披露していました。

 

カタルシスに訴える楽曲ですから、高揚していくわけですが、歌う側も同じように高揚しすぎてしまうと、むしろ世界観を伝えることとか、ステージの感動を享受することは難しくなってしまうわけです。そうならずに、むしろ「聴く側の中にある世界観」を意識させて、ステージを構成していく感じでした。

 

可愛さを追求するパターンもセクシー女優にはあると思います。そして萌華ちゃんのように、本人のイメージ的には、可愛い感じですが、歌う時の彼女のそれはイメージ斜め上をいく感じ。とても素敵な歌唱は、「また次が観たい」と思わせてくれるポテンシャルでした。

 

清楚感と色香を合致させる、萌華ちゃんの雰囲気は、セクシー女優ならではかもしれませんね。AVだってどちらかに偏っていたら面白さは、次につながりづらい可能性が高いですよね。もっと複雑でワクワクさせる要素がエンタメとして欲しいですから。

 

もっともっとディープな世界観を、今後披露してくれるであろう萌華ちゃん。次なる機会があったら、ぜひチェックすることをお忘れなく。

円井萌華set list

1.君の知らない物語/supercel

2.好きだ、ばか。/ワンダーウィード

3.Flower/L’Arc〜en〜Ciel

エモーショナルかつアクティブなパフォーマンス〜園田ひなの

見た目的に考えれば、「セクシーな声」を期待してしまうでしょう、園田ひなのちゃん。ステージでの立ち振る舞いはそのイメージ通りなのですが、歌い出して出てきた声は、可愛らしい限り! コロコロといい感じに響くその声は、可愛らしさがいっぱいなのです。もちろんそこには、そこはかとないセクシーさも混ざっています。耳心地が良い歌声なんですね。

 

楽曲は20世紀から選ばれているのですが、どれもが時代性を感じる楽曲。それを世代ではないひなのちゃんが歌うので、セクシー女優の歌が大好きという層には一番わかりやすく伝わると思います。

 

この時代の楽曲は、とてもわかりやすい曲調を持っています。今どきよりももっとシンプルにできあがっています。なので、エモーショナルな雰囲気を持っているひなのちゃんが、とても伝わりやすく歌ってくれたわけです。

昨今、カバーソングが歌謡界でもYouTubeでも流行しているわけですが、上手に歌うも良し、個性を発揮するも良しと、いろいろな個性が群雄割拠しています。そういう中に紛れ込ませても、勝てると思うほどのポテンシャルを持っているひなのちゃんの歌唱。楽曲の持っているオリジナリティは間違いなく披露し、なおかつ自分の個性を足して披露していく雰囲気は、素晴らしい限り。

 

鼻から抜けていく声は、色気の塊だったりするし、何よりもステージングがとてもエモーショナルなのです。徐々に感動とエネルギーが高まっていく感じ。もっとたくさんの楽曲を歌えば、なおひなのちゃんの個性が発揮されていくと思うのです。聴けば聴くほどに、その世界観にハマっていくことでしょう。

 

ひなのちゃんは、生演奏とのライブは初めてで緊張しているとMCで伝えていたのですが、歌い出すとその緊張は伝わることはなく、むしろ堂々とした感じ。MCに関しては、丁寧かつ緊張が伝わる感じ。「月で逢いましょう」に出たかったとも伝えて、本人の感激を伝えるシーンが健気で彼女の性格の良さがにじみ出ていました。

 

「歌いたい」という衝動はステージに立つ人には必要です。それはアイドルだろうとロッカーだろうと同じこと。聴かせるステージングは、とてもわかりやすいエモさに溢れた雰囲気のひなのちゃん。楽曲の主人公に合わせて雰囲気が変わる感じもまた最高です。

 

イメージを万華鏡のように映し出しつつ、そのセンターには、園田ひなのがちゃんといるというイメージ。聴いていて気持ち良く、次なるステージを期待してしまう存在感でした。

園田ひなのset list

1.君に逢いたくなったら…/ZARD

2.慟哭/工藤静香

3.丸ノ内サディスティック/椎名林檎

「月で逢いましょう」ファンに贈るミルジェネライブイベント開催!ミルジェネ10周年記念LIVE「Sweet Memories」が9月13、14二夜連続開催!

配信ライブとして、セクシー女優の違うポテンシャルを引き出し続けるライブ「月で逢いましょう」を開催しているミルジェネは、スタートから10周年を迎えます。そして、9月13日(火)14日(水)東京・原宿RUIDOにて、ミルジェネ10周年記念LIVE「Sweet Memories」が開催されます。

 

どうしても限られたキャパで開催している「月で〜」ですが、今回は客席エリアはたっぷり取られているライブ。もちろん生バンド!

 

出演するアーティストは、これまでに出たことがある女優ばかり。青空ひかりちゃん、本庄鈴ちゃんなどのSODstar勢もいますよ。発売は既にスタートしておりますので、サイトにてご確認ください。もちろん評判抜群の配信も同時開催されます。

 

「月で逢いましょう」と同じく、「ライブポケット」にて、検索ワード「ミルジェネ」と入れてください。観るを選ぶか、配信を選ぶかは、あなたのご都合次第。ただし最高のステージを二夜連続でどうぞ。

二夜通しチケット販売サイトはコチラ

エピローグ〜これからのセクシー女優は、じゃない仕事をこなせるレベルの資質が必要かも!?

昔からセクシー女優は、「じゃない仕事」をやる傾向にありました。それは普通の女優も「じゃない仕事」をやるのが普通だったからかもしれません。セクシー女優にエロ歌詞でロい雰囲気の楽曲を歌わせて、ひと儲けするというアイデアは、そこら中にありましたし、お金が余ってしまった会社は、なぜかすぐにセクシー女優にアプローチしてきました。まぁ売れそうだもんね。でも世の中って、キワモノにとても敏感で、想像以上に売れない。そのジャンルに組み込まれてきた歴史がセクシー女優にはあります。

 

しかし近年では、紗倉まなちゃんの作家仕事とか、外の人たちがちゃんと見ているものでないと評価されないどころか、声が掛からなくなりました。もちろん身内側がイベント開催のノウハウを持ってできるようになったからというのも大きいかも。ちょっと前までは、AV系というだけで貸してくれない会場だらけでしたからね。

 

そういう意味でも開催しやすくなっている昨今ですが、だからこそ見る側に取捨選択する余地が出きてしまったわけです。昔はセクシー女優のライブとかトークイベントが貴重でしたから、開催が確認できれば飛びついて見にいったわけです。それが増えてしまったらどうなるか。それぞれの意味があるところじゃないと行かないですよね。そんな感じで地下アイドル的な会場の雰囲気になったら、どうなるか。

 

AVを観ない一般に近しい人たちが足を遠ざけます。いわゆるAV買わないけれどアイドルライブ好きとか、AVは無料を観ているけど、一度会ってみたいとか実は思っている人とかが、観にこなくなっちゃう。それは別の雰囲気を感じてしまうからでしょうか。昔は、AKBGを卒業して、恵比寿マスカッツに推し変しました、なんてファンがたくさんいたんですけどね(笑)。

そういう人たちを振り向かせるには、まなちゃんのように、ちゃんとアピールしても大丈夫なクオリティが求められます。それが最近のセクシー女優たちのライブには出ているわけです。そう簡単にはいきませんよ、というファンを来させるためにはどうするか。掴んだファンを離さない努力をしている女優たちは、そういう動員もちゃんとしている感じ。つまりファンへのアピールを続けること、その姿勢を崩さないことが重要というわけです。そういう女優には、AVだってリリースが続いているわけですから。

 

アピールと同じくらいに、歌だった歌うことをちゃんとすることを求められるようになっていると思って間違いありません。ちゃんとするとは、別に音程を正しくとかではなくて、「歌手としてステージに上がっている理由は何か」が感じされることが大事なのです。本当にみんながみんな、歌唱力だけを歌に求めているならば、クラシックの声楽家が一番になっちゃうはずですが、そうでもないでしょ。ポピュラリティとかアピールも必要ということになります。

 

ちょっと聴いただけで判断するとか、聴きもせずに判断している人の多いこと。しかもセクシー女優だと、なおさら「セクシー女優のAVを観てファンになるのはわかるけれど、歌を聴いて、どうするの?」とかいうのが、一般的な意見です。歌とは相当、個々にこだわりがありますから。

 

一般的なテレビに出ているようなアイドル、テレビには出ないけれどライブで目一杯頑張っているアイドルなど、プロとしてのアイドルは、どのように活動していくかと頑張っていますが、こっちだってバカにする人はいるわけです。ならばセクシー女優はなおさら。特に前に書いたように、上と下に層が増えると、熱狂的ファンとバカにする人たちに二分化しますから、非難は増えてしまう。そしてSNSがあればなおさらというところ。

 

初めてのライブを行った萌華ちゃんとひなのちゃん。どちらも、「私なりの個性」をたっぷりと発揮していました。昨今の新人セクシー女優は、どの子もそういう面はとてもちゃんとしているのです。そして二人はとても優秀な歌手だったということ。もちろん、これからステージを数多く繰り返すことで、もっともっと磨くところはあるでしょうけれど、人前に立ってお金をとる仕事としては、素晴らしかったのではないでしょうか。AVで見せてくれる色気とまたちょっと違う色気を持ったシンガーになることでしょう。

 

決して楽ではない道のりとなっている、2022年以降のセクシー女優たち。前途多難ではあるわけですが、だからこそ、本物が登場してくると思ってください。なので、ライブイベントからは、これから目が離せなくなりそう。逆にその姿を観て、AVを買うなんてパターンもあるはず。どちらも「本物」だからこそハマるのです。

記事=麻雅庵