【連載インタビュー・職業「AV女優」】Vol.25 涼宮琴音 なぜ彼女たちはAV女優を「仕事」に選んだのか。苦悩・葛藤・熱い思いなど彼女たちのAV女優観に迫るディープ・インタビュー!

もう数年前からAV女優は誰でもなれる職業ではなくなった。今、第一線で活躍するAV女優たちはみな、容姿やスタイルの高レベル化はもちろん、AVを仕事として捉え、AV撮影やイベントなどに対するストイックなまでの真面目な姿勢や、日々のSNSでのセルフプロデュースやファンとの交流など、一般職よりもはるかに高いレベルの努力をしている。この連載は、「なぜ彼女たちはAV女優を『仕事』に選んだのか」を軸にプロ意識をもってAVに取り組む女性たちに迫るインタビューです。

今回の職業「AV」女優は2012年にデビューした涼宮琴音ちゃん。

「華やかな芸能界に憧れて」「歌手になりたいから」そういった理由でAV業界に飛び込んでくる女の子は少なくありません。

涼宮琴音ちゃんも、そういった気持ちを抱いてAV業界に飛び込んできた1人。

ならAV女優は腰かけ程度に考えているのか?と思いきや、AV女優としての仕事にも真剣すぎるほど真剣に取り組む頑張り屋さんで、現在はMAX-Aの専属女優として活躍しています!

そんな涼宮琴音ちゃんが自分の「職業」として、AV女優についてどのように考えているのか、本音に迫りました!

Profile 1992年6月27日生まれ。T157・B84(D)・W57・H84。趣味はカラオケ・ペットショップ巡り。特技は料理。公式Twitter<@suzumiya_Kotone

「小さい頃、女優になりたくて、鏡の前で泣く練習とかしてたんですよ」

──あれ、髪の色、明るくしたんですか?

はい、ずっと黒髪だったんですけど、ショートカットにしたらお母さんから「年末にやっていたガキ使のカツラをかぶった浜ちゃんそっくりだ」って言われて…。

似てないよって言ってもずっとからかってくるんで、もう無理ってなって明るくしたんです。

 

 

──ははは、それは災難でしたね。しかし、涼宮さんと言えば黒髪のロリ系っていうイメージがあるんで、仕事に影響してるんじゃないですか?

どうでしょうね。

黒髪は求められますけど、それよりも「もっと太って」っていう要望の方が多いですね。

前に病気してしまって、一気に8キロ痩せちゃって。

そこから3キロは戻ったんですけど、まだ細いって言われるんで。

 

 

──仕事が忙しすぎて身体を壊しちゃったんですか?

いえ、最初に胃腸炎になって1週間何も食べれなくて、それで治ったと思ったら次は扁桃炎になってまた1週間食べられなくなってしまって…。

しかも、頑張って食べてるんですけど、太れないんですよ。

夜中にカップラーメンとご飯を一緒に食べたりしてるのに…。

 

 

──隠れた努力をされてるんですね。

実は意外と大変なんですよ、AV女優って。

 

 

──プロ意識が高いんですね。最初からそうだったんですか?

入った頃は、あまり考えてませんでしたね。

途中からですね。

 

 

──この業界に入ったきっかけは、スカウト?

いえ、応募です。

AVっていうのはどんな世界なのかなって興味があったので。

やりたいと思ったことはすぐにやりたい性格なので、最初はノリで飛び込みました(笑)。

 

 

──怖いとかはなかったんですか?

ありましたよ。

怖い人がいるんじゃないかって(笑)。

でも、できる年齢のうちになんとかしないとっていう気持ちが強かったし、当時は女優さんがテレビとかにいっぱい出てて、自分もこういう感じになりたいなと思ったのもあったので。

 

 

──表舞台に立ってみたい、という願望は元々持ってたんですか?

持ってました。

小学校の頃は女優になりたくて、鏡の前で泣く練習とかしてました(笑)。

あと、昔から歌が好きで、それの仕事もできたらなって思ってました。

多い時には週に5、6回カラオケで練習してましたね。

 

「AVに入った以上は中途半端で終わりたくはない、という気持ちが途中から芽生えてきたんですよ」

──歌をやってる女優さんって、今は結構いますよね。

そうですよね。

だから、AV女優を頑張ってれば、いつかやれるんじゃないかって思ってたんですけど、最初の2年くらいは何もできなか ったんですよ。

 

 

──仕事が忙し過ぎて?

月に20~25本くらい撮影があって、あとイベントとか撮影会とかで、休みがほとんどありませんでした。

でも当時は、これが普通なんだろうなって思ってたんですよ。

ドラマのセリフを覚えたり、アドリブでM男いじめをするのが楽しいから撮影自体は好きだったんですけど、だんだんと「自分がしたいことができないなら、やる意味がないんじゃないか」って思うようになったんです。

 

 

──そこからですか、考え方が変わったのは。

はい、それまでは忙しさに流されて仕事をこなしてたんですけど、AV女優になったきっかけ「有名になりたい」というのを思い出して、このままじゃいけないって。

 

 

──そこで『AV女優を辞める』という選択肢はなかったんですか?

ないですね。

AVに入った以上は中途半端で終わりたくない、そういう気持ちが芽生えてきていたので。

 

 

──これまで辞めようと思ったことは?

1度もないです。

かなり昔、ガチSMのM役で顔が腫れるくらい叩かれて、過呼吸になってしまったのを必死に隠しながらやった時は、心の中で「私、なにしてるんだろう…」って思いましたけど(笑)。

 

 

──過呼吸を隠して!? それは大変、というかヤバくないですか?

カメラを止めるのが嫌だったんで(笑)。

本気で泣いているところを撮りたいんだろうなっていうのはわかってましたから。

ただ、その後はガチSM、NGにしましたけどね(笑)。

 

「自分が納得していない作品をファンの人が『いいね』と言うのは、複雑な心境になりますね」

──頑張り屋さんなんですね。

というか、自分が納得したものを作りたいと思ってるんです。

監督さんから「ちゃんとできてたよ」って言われても、私は納得いかなかったりする時も結構あって、自分から「撮り直しさせてください」って言います。

妥協はしたくないので。

でも最近は監督さんから「また?」って言われたりしますね(笑)。

 

 

──ストイックですね。でも、毎月たくさん撮影があるから、早く終わらして帰りたいとかは思わないんですか?

私、本当は巻きで帰りたい派なんですよ。

でも、適当にやって巻いて帰るのは嫌なんです。

だから、完璧にやって巻きで帰るのが理想ですね。

 

 

──今、それはできてますか?

全然ですよ。

納得できたなって思う撮影は、月の半分くらいじゃないですかね。

だから、月の半分は1人反省会をしてます(笑)。

やっぱり、ファンの人にはいいものを提供していきたいですから。

 

 

──だけど、自分が納得してない作品でも「よかった」というファンの人はいるでしょ。

はい、そういう場合はちょっと複雑な心境になりますね。

でも、見てくれる人がよかったのなら、それはそれでいいのかなって思いますね。

手放しでは喜べないですけど(苦笑)。

 

 

──ファンの人の声は、結構聞いてるんですか?

SNSやイベントで聞いてます。

ファンの人が大好きなんですよ。

だから、SNSでは勝手に交流企画をやったりしてます。

先月はバレンタイン企画をやりました。

オフ会もいつかやりたいんですけど、なかなか実現できなくて…。

あと、イベントでは1人1人しゃべり過ぎちゃって「もっと巻いて!」っていうカンペを出されちゃうんですよ(笑)。

 

 

──作品づくりにストイックで、ファンを大切にする。素晴らしいですね!

AV女優は、見てくれる人がいてこその仕事ですから。

それに、見られているから身体に気をつけるので、汚い体型にならないのは逆にありがたいですよ(笑)。

 

 

──今後はどんなことをやっていきたいですか?

やりたいことはいっぱいあるので、それをひとつずつ叶えていきたいですね。

でも、AVは辞めません。

欲張りかもしれませんが、並行していろいろとやっていきたいと思ってます。

女優としては、なんでもやれる、要望に応えられる女優になっていきたいです。

それと、いつか何か賞を取ってみたいです!

 

 

──賞を取ってないのは意外ですね、これだけ活躍してるのに。今年あたり、そろそろいけるんじゃないですか?

…いや、それは難しいですよ。

5年待ってもらっていいですか?

30歳までにはなんとか…約束はできませんけど(苦笑)。

初出:ソフト・オン・デマンドDVD 2017年5月号 Vol.71の内容を一部加筆修正しています。

 


SODprimeで見る FANZAで見る Amazonで見る