【連載インタビュー・職業「AV女優」】Vol.22 阿部乃みく なぜ彼女たちはAV女優を「仕事」に選んだのか。苦悩・葛藤・熱い思いなど彼女たちのAV女優観に迫るディープ・インタビュー!

もう数年前からAV女優は誰でもなれる職業ではなくなった。今、第一線で活躍するAV女優たちはみな、容姿やスタイルの高レベル化はもちろん、AVを仕事として捉え、AV撮影やイベントなどに対するストイックなまでの真面目な姿勢や、日々のSNSでのセルフプロデュースやファンとの交流など、一般職よりもはるかに高いレベルの努力をしている。この連載は、「なぜ彼女たちはAV女優を『仕事』に選んだのか」を軸にプロ意識をもってAVに取り組む女性たちに迫るインタビューです。

今回の職業「AV」女優は2013年にAVデビューし、わずか半年で100本以上のAVに出演したことでも知られる阿部乃みくちゃん。

仕事としても趣味としてもAVが大好きという阿部乃みくちゃんは、ツラかった現場も「楽しい思い出です」と言い切れる前向きな女の子です。

そんな「好きなことをして生きる」といううらやましい人生ををまさに体現しながら生きている阿部乃みくちゃんはAV女優という仕事をどのように考えているのでしょうか?

いつも明るく元気な阿部乃みくちゃんの内面に迫りました!

Profile 1993年10月18日生まれ。T155・B80(C)・W60・H83。趣味・特技はカフェ巡り、アニメ鑑賞、男装。公式Twitter<@abenomiku

「『あれ、私AV女優になっちゃった?』っていうのが最初の感想でしたね(笑)」

──阿部乃さん、300本近くの作品に出られてますけど、まだデビューしてそんなに経ってないんですよね。

そうですね、まだ2年半です。(出演本数、女優歴は2015年当時)

 

──それでこの本数…それはすごいですね。

本当にありがたい話です。

 

そもそも、私なんかがAV女優になれるなんて思ってもなかったので。

 

──ということは、応募で入ったんですか?

はい、上京して普通の仕事をしてたんですけど、なんか違うなと思ってすぐに辞めて、次は何か好きな仕事をしようって思ったんです。

 

やりたいことってなんだろうなといろいろ挙げていった時、小休止してAVを観てオナニーをしようかなと思った時に「AVってどうやって作ってるんだろう」というのが頭に浮かんで、今の事務所に応募したんですよ。

 

ただ、AV女優って『女優』って付くくらいだし、観ていた作品にも綺麗な人が本当に多かったから「田舎から出てきたばかりの青臭いヤツは絶対に受からないだろう」と思っていたので、記念受験的な感覚でしたね。

 

でもそうしたら、あれよあれよという間に「じゃあ、マネージャーを紹介します」「宣材撮りましょう」みたいになって(笑)。

 

──オカズとしてAVを観ていたんですか?

本当はいけないんですけど、中学くらいから観てました(笑)、ネットで。

 

最初は無料で観られるサンプルから入って、18歳になってからはDVDも購入してました。

 

ちなみに、初めて名前を覚えた女優さんは「紅音ほたる」さんです。

 

「潮、すげー」って思いながら観てました(笑)。

 

──じゃあ、AVに出るというハードルはかなり低かったんですね。

AVは怖いっていうのはなくて、純粋にやってみたいという感じでした。

 

でも、事務所を探す時は慎重にしました。

 

やっぱり不安はありましたから。

 

──決まった時は嬉しかったんじゃないですか?

まさか受かると思ってなかったし、心構えができないまま話が進んでいったので「あれ、私AV女優になっちゃった?」っていうのが最初の感想でしたね(笑)。

 

──芸名の方もすぐ決まったんですか?

最初、マネージャーさんに「どんな名前がいい?」って聞かれたんですけど、特に希望はなかったのでお任せしたんですよ。

 

そうしたら何週間か後に「『阿部乃みく』という名前になったよ」と言われて、可愛いって思ったんです。

 

そうしたら、いろんな人から「3本の矢がなんちゃら」とか「経済効果がなんちゃら」とか「首相」とか言われて、なるほどなって納得しました(笑)。

 

ダジャレとかそういうのは、全然気にならなかったです。

 

逆に「アベノミクスが入ったぞ」みたいに名前が先行して飛び交って、私が知らない人にも名前を覚えてもらえたから、良かったですよ。

 

──憧れのAV女優になって、初めて仕事をしてみた感想は?

めっちゃ恥ずかしかった(笑)。

 

周りにあんなにたくさん人がいると思ってなかったので。

 

もともと恥ずかしがり屋だったので、本当にもうドキドキでした。

 

ただ、嫌だとかもう無理っていうことはなかったですね。

 

「AVの現場っていうのはこうなんだ」っていうのを割り切ったら恥ずかしさもなくなって、次の現場からは普通にこなせました。

 

──この業界に入った時、なにか目標を持ってたりしました?

特には。

 

「AVアイドルになりたい」とか「誰々ちゃんみたいになりたい」っていうのが多いですけど、私はそういうのはなかったですね。

 

お金をいっぱい稼ぎたい、というのもなく、ただただ「やってみたいな」という気持ちだけで入ったので。

 

──そういう気負いのなさが良かったのかもしれませんね。

もちろん、仕事ですから手を抜いたりはしませんよ。

 

AV女優という仕事の一般職とあまり変わらないと私は思っていて、「仕事は仕事」という感じですね。

 

だから、どんな仕事も受け取る対価以上のことをやろうと思いながら、取り組んでいます。

 

──しかも真面目、素晴らしい!仕事が入る理由がわかりますよ。

正直、こんなにたくさん仕事をいただけるなんて思ってなかったので、すぐに辞めなきゃならないんだろうなって思ってました。

 

それだけに、もらえるお仕事を断るのはダメっていう考えがあったので、三大NG以外のものはほぼ受けてたら、10日連続で撮影っていうこともありました。

 

さすがに、朝起きるのが大変でしたね。

 

──それだけですか!?

はい(笑)。

 

若いから体力はあるし、何より好きなことをやってるわけですから。

 

──今も仕事は楽しいですか?

もちろん!

 

いろいろな刺激をもらえるし、自分が頑張れば結果につながるので、本当にやりがいのある仕事だと思いますね。

「AV女優はエロいだけじゃダメ、ということが最近わかってきました」

──ツラいな、辞めたいな、と思ったことはなかった?

ないです、1ミリも考えたことありません。

 

過酷な現場とかはありましたよ。

 

鉄パイプでまんぐり状態のまま長時間拘束されたり、鼻浣腸をされたり。

 

でも、やり終わった後「もうこんな仕事はイヤだ!」とかはなくて「本当によく耐えたな、自分は」って思う感じです(笑)。

 

本当に嫌がるのではなく、本当に苦しい表情を見せられたので、そのプレイが好きな人が満足できるものを見せられるんじゃないかなって思って、私も満足できましたね。

 

今では、いい思い出になっています(笑)。

 

──仕事に対する悩みはなさそうですね。

そんなことないですよ、いつでも葛藤してますから。

 

あの時「こうやって舐めればよかった…」とか「どうして自分はあれができないんだろう…」とか。

 

レベルアップの仕方がわからないので、本当に難しい仕事だと思いますから。

 

こういう悩みは、やりたくない仕事だとストレスになって辞めたくなるんでしょうけど、私は好きでやりたい仕事をしているわけですから、全然ストレスにはなりません。

 

そう考えると、本当に幸せだなって思いますね。

 

──アイドル活動に関してはどうです?

最初は悩みました。

 

キャラじゃないし、そういう願望も特になかったので。

 

でも、やってよかったなって思っています。

 

ファンを身近に感じられるようになって、今まで以上に「どうやったらみんなに満足してもらえるんだろう」っていうのを考えるようになりましたし、視野も広がりました。

 

AV女優としてもそうですけど、人間としてもひと回り大きくなれたと思います。

 

エロだけじゃない部分も見せていかなければいけない、AV女優はエロいだけじゃダメなんだなっていうのがわかりました(笑)。

 

──じゃあ、まだまだAV女優は続けていきますか。

需要があればずっとやっていきたいですね。

 

今の目標としては、「阿部乃みく」が「アベノミクス」と同じくらい、世間に広がってくれたらなって思ってます。

 

「アベノミクスがさぁ~」という話が出たら、「阿部乃みく、いいよね」みたいな(笑)。

 

初出:ソフト・オン・デマンドDVD 2016年7月号 Vol.61の内容を一部加筆修正しています。

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