【連載インタビュー・職業「AV女優」】Vol.9 なつめ愛莉 なぜ彼女たちはAV女優を「仕事」に選んだのか。苦悩・葛藤・熱い思いなど彼女たちのAV女優観に迫るディープ・インタビュー!

もう数年前からAV女優は誰でもなれる職業ではなくなった。今、第一線で活躍するAV女優たちはみな、容姿やスタイルの高レベル化はもちろん、AVを仕事として捉え、AV撮影やイベントなどに対するストイックなまでの真面目な姿勢や、日々のSNSでのセルフプロデュースやファンとの交流など、一般職よりもはるかに高いレベルの努力をしている。この連載は、「なぜ彼女たちはAV女優を『仕事』に選んだのか」を軸にプロ意識をもってAVに取り組む女性たちに迫るインタビューです。

仕事が楽しくて仕方がない、と思いながら日々生活をしている人というのは、世の中にどれだけいるものなのか。おそらく、探してもなかなか見つからないはずだ。楽しんでやれる仕事…それに出会えることはどれほど幸せなことか、考えたことがあるだろうか。

黒くて大きな瞳が印象的な、なつめ愛莉ちゃん。2013年の1月に咲田ありなとしてkawaii*からAVデビューし2015年になつめ愛莉に改名し、AV女優のかたわら風俗店の『池袋サイドライン-副業女子専門デリヘル-』に在籍かつ、しっかり出勤もしているのでなつめ愛莉ちゃんは今まさに会いに行けるAV女優さん筆頭!

しかも『全国ミスヘブン総選挙2019』のセクシー女優部門で1位に輝き、現在は全国大会決勝大会ではデリヘル部門に絶賛参戦中!

今回はAVに風俗、YouTuberにコスプレイヤーなど多方面で活躍中のなつめ愛莉ちゃんのAV女優感に迫ります!

Profile 1995年3月27日生まれ。東京都出身。 T160cm・B85(Eカップ)・W58・H84。 趣味・特技はテニス、マッサージ。 公式Twitter<@natsumeairi> 公式Instagram<natsumeairi0327> 公式YouTubeチャンネル『あいなつちゃんねる

「AVも風俗も、両方頑張っているのはどちらも人の役に立ってるお仕事だから。偏見を持たれるのは、すごく嫌なんですよね」

──ついにお話が聞けて嬉しいですよ。何度かオファーさせていただいたんですけど、旅行の日程と重なって流れてしまっていたので。

今年から月に1回は旅行へ行くように決めているんですよ。本当はずっとお仕事、していたいんですけどね。

 

──仕事が好き、ということですか?

はい!すごく楽しいので。

 

──この仕事は自分で選んだんですか?

いえ。知り合いの紹介です。私、AVのことはまったく知らなかったんですよ。今でも1本も見たことないですし。

 

──え?今も見たことない?それなのに、どうしてやろうと思ったんです?

AVの知識がなかったので、逆に興味が湧いたというか。

それで、詳しく話を聞いてみようかなって思って聞いたら、こういう仕事もあるんだって思ってやってみようかなって。

 

──怖さとか恥ずかしさとかはなかったんですか?

ホント、何もわからなかったので、なかったですね。

それに、人はお風呂に入るし裸になるのは当たり前のことだし、セックスだってみんなやってるじゃないですか。だから、偏見とかも全然なくて。

ただ、初めての撮影ではすごく恥ずかしかったですけどね(笑)。

 

──仕事をするのは昔から好きだった?

学生だったので社会人経験はないですし、バイトもしたことないんですよ。金銭的にまったく困ってなかったので。

今でも親からカードを渡されて「好きに使っていいよ」って言われてるんですけど、さすがに申し訳ないので使ってません。

 

──それは…。だけど、働く必要ないじゃないですか。結構長く続けてますよね。どうしてです?

私、この世界に飛び込むまで、フェラをしたことがなかったし、オチ◯チンもちゃんと見たことなかったんですよ。だから、全然わからなかったんですけど、デビュー作では監督さんが1から全部教えてくれて、すごく勉強になったんです。そこから、撮影すればするほど自分のスキルがアップしていく、それがすっごく楽しくて。

あと、みんなすごいちやほやしてくれるし、ご飯とかも美味しいし(笑)。最初の撮影の終わりに、みんなでバーベキューをしたんですよ、海に行って。それがすごく楽しくて、「この世界ってすごく楽しいんだ」って思ったんです。

 

──仕事をしてるっていう感覚、なさそうですね。

そうかもしれません。今も、あまり仕事っていう感じはないかも。楽しいことをやってるからなんですかね、あんまり疲れないんですよ、AVをやっていると。

だけど、これはやったことないんですけど、スーパーのレジ打ちとかはすぐに疲れちゃうと思いますね(笑)。

 

「専属は月に1回しか撮影がないし、いろいろ制約があるから嫌で、志願してキカタンになったんです」

──そんな感じだと『頑張る』という気が出てこないように思うんですけど。

そんなことないですよ。性格上、ちょっとでも手を抜いちゃうと悲しくなってしまうので、ちゃんとやってます。見てくれる人がいるので、うまくなりたいって思ってますよ。

 

──うまくなろうという努力みたいなの、何かしてるんですか?

今はもう仕事のひとつになってますけど、風俗ですね。テクがなくて悩んでたとき、ある人に相談したら「AVの練習のために、やってみたら?」って言われて始めたんですよ。

 

──風俗とAVは別物だと思うんですけど、始めるにあたって怖さとかなかったですか?

全然なかったですね、AVを始めた時と同じで。というか、全然別物じゃないですよ、どっちも人の役に立ってるお仕事だし。そういう偏見はすごく嫌なんですよね。

 

──それは大変失礼しました…。だけどAVもやって、風俗もやって…大変じゃないですか?

暇がすごく嫌で、何かしてたいんです。小さい頃からいろんな習い事をしていて、それが当たり前の環境だったし、遊ぶのもあまり考えられないんですよね。

だから、デビューは専属だったんですけど、月に1回しか撮影がないし、いろいろ制約があるから嫌で、自分から志願してキカタンになったんですよ。月に何本も撮影している人がいるっていうのを現場で聞いて知って、そんなに撮ってもらって楽しそうだな、いいなって思ったのもありましたし。

 

──デビュー当時は学生だったんですよね。将来の夢とか目標とかは持ってなかったんですか?

ありましたよ、なりたい職業が。そのために勉強してたんですけど、その職業について調べたり体験したりしたら、結構ブラックだっていうのがわかってきて(苦笑)。

それで、その夢は諦めて、じゃあ次に自分は何を目指したらいいのかなぁって考えてた時に、ちょうどAVの話が入ってきて決めた、という感じなんですよね。

 

──こういってはなんですけど、タイミングがよかったんですね。

たしかに、そうですね。実は、夢だったお仕事に希望を持っていたときにも、何度かお話をもらったことがあったんですけど、全然耳に入ってこなかったですから。

 

──そんな経緯でやってみたら天職だった、って感じですか。

そうですね。楽しいなって思って、続けていこうと思いました。

 

「わからないからこそ、次に何がくるのか楽しみで、それが仕事を続けるモチベーションになってるのかな」

──もう毎日AVや風俗のこと、考えてるんじゃないですか?

いえ、私、家に帰ったら家モードに頭を切り替えるので、何も考えないですね。

 

──撮影の振り返りとかはしないんですか?

撮影が終わったあとにやってますよ。「あそこはもう少しこうできたんじゃないか」とか反省して、次はもっと上手にやろうって。

 

──オンオフの切り替えがうまいんですね。でも、家とかで今後の目標とかは考えたりするんじゃないですか?

それ、よく聞かれるんですけど…ないんですよね、目標とかは。AVのこと、いまだによく知らないので「こうなりたい」「ああいう仕事がしたい」っていうのがわからないんです。

ただ、わからないからこそ、次に何がくるのか楽しみで、それが仕事を続けるモチベーションになってるのかなって思います。

 

──なつめさんは、最初からAVにも偏見を持ってなかったと言ってましたね。

はい、私はまったく後ろめたいものは持ってません。風俗も顔出しでやってますし。

そもそも、なんで世の中の人たちが偏見を持ってるのかがわからないですね。子供に見せてはいけない、というのはわかるんですけど、その延長線上で大人もダメっていうのは違うと思います。

 

──同じ業界にいる人間として、応援します!これからも長く業界にいてほしいですよ。

ありがとうございます。本当に楽しいので、このまま続いていったらいいなって思ってます。

他に面白そうな仕事があって、そっちに集中したいなって思うか、AVのお仕事が楽しくなくなった時がやめどきかなって思いますね。今は全然ないですし、考えられませんけど。

ただ、いきなりやめるのではなく、きちんとやめたいですね。卒業イベントもしたいですし、引退作も撮ってもらいたいので。

 

──ファンの人は、なつめさんの前に興味のある仕事が現れないように願うしかないですね。

でも本当、今は楽しいので、やめるとかは全然頭に浮かんでこないですね。

初出:ソフト・オン・デマンドDVD 2019年1月号 Vol.91の内容を一部加筆修正しています。


≪なつめ愛莉SODグループ出演作品≫

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