「自分がAV女優でなかったらほかのお仕事も自信を持ってできないだろうな、って実感することも多いです」
―小説家や、コラムニスト、報道番組のコメンテーターなど本当にいろんな活動をされていますが今も本業は「AV女優」という考え方でしょうか
もちろんです。
いろんなお仕事をさせていただいて、気持ちとしても自分がAV女優でなかったら何に関しても自信を持ってできないだろうな、って実感することも多いです。
AV女優という肩書があるからこそ『紗倉まな』を知ってもらえて、ほかのお仕事ができて注目して見てくださる方もいらっしゃると思うので、厳しめの意見や激励の声をいただくこともありますがそれも含めて本業の軸っていうのが心の拠り所にもなっています。
本業を頑張るためにほかのお仕事がくっついている部分もあって、この仕事を継続できていることが自分にとっても嬉しいし、AVで人格が形成されたなって思うことが多いんですよ。それを基に、ほかのお仕事ができているから自分の核となる部分になっています。
―今、改めて「職業としてのAV女優」に対する考え方を教えてください
AV女優のお仕事ってずっと個人戦だと思ってたんですけど、同じ村に一緒にいる住人たちみたいに団体戦なのかなって思うようになりました。
今までは個人主義で孤高なのではないかって思っていたんですけど、メーカーとか規模は違えど1人じゃできないお仕事だなって最近は感じるようになってきました。私はやっぱり、どれだけネットで叩かれたり嫌なことを言われたとしても、AV女優は潔くてかっこいい存在だっていうのはデビュー当時から変わってなくて、自分を美化してる部分かもですが年々やっぱり味わい深い職業なんだなって実感しています。
―この9年間でAV界も変わってきたと思います。実感はありますか?
今いる環境が当たり前だと思っていたので、ルールや管理が甘いとは感じたことはなかったのですが、昔と比べてきちんと徹底していこうと現場で確認されることも増えましたし、あとこの数年で構築した関係があるからこそ自分がやりたいことや、台本を読んで『ここはどうなんだろう』っていう部分を言い合えたりしやすくなりました。
―契約書や台本、検査結果など、以前よりもより事前にしっかり演者さんも含めて確認するようになりましたよね
男優さんは長く活動されている方が多いので現場でお会いするのは気心の知れた信頼できるいつもの仲間たちって感じで、1つのチームみたいなものだなっていうのは前から変わらないのですが、ルールやスタンスが変わっていく中で全体で足並みをそろえて、きちんとやっていこうという意識の高さを感じます。
この変化は女優さんを守ろうっていう気持ちをすごく感じるので、出る側としてはストレスが軽減されたり円滑に進むようになったり、心の部分まで探ってもらえるようになったので、ありがたさもあっていい変化になってよかったなって思います。
―まなちゃんはタレントさんや文化人というイメージが強くなっているような気がしていたのですが、AV作品内では本気度が高くて手抜きなしで撮影しているのがわかりますし、お話しを聞いていても真剣に作品作りをしているところが伝わってきて、今も売上げやレビューなどで結果や高評価を出しているというのが本当にすごいところだと思います!!!
えー…嬉しいです。
実は最近、昔よりも撮影日にすごく緊張するようになったんです。
演技が下手すぎたり、抑揚のない声だから大丈夫かなって…。
台本をもらって『ちゃんとできるかな』って不安でドキドキして…でも実際撮影がはじまると楽しくて。
作品を見てくださったり、褒めていただいたりするとやっぱりやりがいを感じます。