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【連載インタビュー・職業「AV女優」】Vol.18 浜崎真緒 なぜ彼女たちはAV女優を「仕事」に選んだのか。苦悩・葛藤・熱い思いなど彼女たちのAV女優観に迫るディープ・インタビュー!

もう数年前からAV女優は誰でもなれる職業ではなくなった。今、第一線で活躍するAV女優たちはみな、容姿やスタイルの高レベル化はもちろん、AVを仕事として捉え、AV撮影やイベントなどに対するストイックなまでの真面目な姿勢や、日々のSNSでのセルフプロデュースやファンとの交流など、一般職よりもはるかに高いレベルの努力をしている。この連載は、「なぜ彼女たちはAV女優を『仕事』に選んだのか」を軸にプロ意識をもってAVに取り組む女性たちに迫るインタビューです。

今回の職業「AV」女優は2012年、動画配信サイトでAVデビューしたというちょっと異色の経歴を持つ浜崎真緒ちゃん。

その後、プレステージの専属女優やSODの専属女子社員などを経験し、今でこそ人気女優となった浜崎真緒ちゃんですが、デビュー当時は「自分でもすごく嫌な子だった」という衝撃の事実が!

そんな浜崎真緒ちゃんのAV女優観に迫ります!!

Profile 1993年10月20日生まれ。 T165・B85(Eカップ)・W59・H84。 趣味は音楽・映画鑑賞。 公式ツイッター <@Hamasaki_mao

「『AVなんてヤレばいいんでしょ』という感じで、最初はアルバイト感覚以下の意識でしたね」

──SOD初登場は、女子社員としてだったんですよね。

はい。

3ヶ月限定で。

あの時、初めて自分から黒髪にしたので、AV女優として転機になった時期だったんですよね。

 

 

──そういえば、デビュー当時はかなり明るい茶髪だったような…。

スカウトされた時は、ピンク色だったんですから。

メイクも超濃いギャルメイクで、ツケマを二重につけたりしてました。

 

 

──今の姿からは全然想像できませんよ。そんなコがどうしてAVへ?

スカウトされたのは18歳の時で、その時私は工場で働いてたんですよ、時給850円くらいで。

この年頃って、洋服とか買いたい時期じゃないですか。

でも、時給850円じゃ、稼げるのはたかが知れてるじゃないですか。

だから、キャバクラでもやろうかなと思ってて、そんな時にスカウトさんに声をかけられたんですよね。

普段は、話しかけられても一切無視してたんですけど。

 

 

──時期がよかったんですね。でも、目的のキャバのスカウトではなかった、と。

キャバでないことはすぐにわかったんですけど、最初の日にはAVっていう単語が一切出てきませんでした。

詳しい話は後日しましょう、みたいに言われて。

で、連絡先も交換して、後日会って食事をすることになったんですけど、そこでもAVの話は出てこなくて、何なんだって思ってたら、送ってくれた車の中で「AVやりませんか?」って。

帰り道だったのに、そのまま当時の事務所に一緒に来て、契約したんですよ。

 

 

──AVに対する抵抗は?

私、1回もAVを観たことなかったんですよ。

当時の有名な女優さんの名前なんて、1人も言えなかったですから。

なので、AVのイメージといったら「カラミを撮影して終わり」という漠然なものしかありませんでした。

人前で裸になること、そしてセックスをすることに関しては、その時まったく考えてなかったので、まあやってみようかなってなったんですよ。

 

 

──誰かに相談しようとも思わなかった?

思わなかったですね。

これは周りの人には言っちゃいけないんだろうな、と思ったので。

でも、自分で決めたから、ここまでスムーズに話が進んでいけたんだと思います。

 

 

──最初の撮影の時は、さすがに緊張したんじゃないですか?

怖いとか緊張とか、そういうのは全然ありませんでした。

私が持ってたAVのイメージは「ただヤレばいい」というものだったので、最初の頃は「AV=仕事」という感覚がなかったですね。

もう完全に舐めきってました。

朝からずっとガムを噛んでたんですけど、フェラを撮影してる時もガムを噛んでて監督さんにビックリされたりして。

今思えば、かなりヤバいコでしたね。

アルバイト感覚以下、撮影現場へ遊びに来ました的感覚で、しかも「ヤレばいいんでしょ」的な態度だったので、周りからの印象は最悪だったと思いますよ。

正直、今私の前に昔の私がいたら、絶対しゃべりたくないですね。

「他のコとの競演が増えて『なんで私とこんなに違うの!?』と衝撃を受けたんですよ」

──実際には「ヤる」以外のこともあったから、大変だったでしょ。

演技というか、セックス以外のことをするのが本当に嫌でしたね。

M調教的な内容の作品の時に、男優さんの足を舐めるシーンがあったんですけど、泣いちゃいましたから。

「なんで私、こんなことしなくちゃいけないの?」って。

だから、周りの人は「このコ、すぐに辞めるんだろうな」って思ってたでしょうね。

自分的にも、これは続かないなって思ってましたから。

 

 

──でも、辞めなかった。

それが、今考えても不思議なんですよね(笑)。

ぶっちゃけ、仕事は楽しくなかったし、お金がいいというもの以外は何もなかったので。

だから、最初の専属契約が終わったら辞めてもよかったはずなんですけど、その時はなぜか辞めるとう選択肢が出てこなかったんですよ。

 

 

──その後、SODの女子社員作品に出ることになった、と。

はい。

1年くらいだったかな、専属で単体をやったあとに。

このとき、初めて「AVって大変なんだな」って思ったんですよ。

単体女優の時は、ハードなものはほとんどなくて、ゆる〜くやってきたので、初ぶっかけの時に、この仕事は大変だということがわかりました。

 

 

──じゃあ、さすがに辞めようと思ったんじゃないですか?

そう、SODさんとの契約が終わった後、マネージャーさんと初めて真剣な話し合いをしたんですよ。

自分の中ではもう辞めようかなって思ってたんで、話し合いの中で「キャバクラで働いてみる?」って言われて、それでもいいかなって思ってたら、もう1つの選択肢として「キカタンっていうのはどう?」って聞かれたんですよ。

その時はさすがに業界の仕組みもわかってたので、それは嫌だなって思いましたね。

単体からキカタンへ行くことを「下がる」って言うじゃないですか。

単体はお姫様でどんなわがままでも聞いてもらえるけど、その下へ行ったらどんな扱いをされるかわからないから、ボロクソに扱われるんじゃないか、とか、超バカにされるんじゃないかって考えたら怖くて。

でも、マネージャーさんが「1本でもいいから体験してみようよ」と言うので、1本くらいならボロクソに扱われてもいいか、それで辞めてやるって思ってやることにしたんです。

でも、かなりの決心が必要でしたね。

 

 

──でも実際は全然違ったと。

そうなんですよね、1日撮影で内容がギューギューに詰まって大変だったけど、他は単体の時と変わらなくて、ちょっと拍子抜けしましたね。

別にボロクソ扱いされないじゃん、って。

だから、全然大丈夫でしたって報告したら、「じゃあ、もう少しやってみようよ」って言われて、続けることにしたんです。

 

 

──仕事に対する姿勢も、そこで変わったんですか?

まだまだ、本気にはなってませんでしたね。

外見こそ、SODさんに出てから落ち着きましたが、内面はデビュー当時と変わらずですよ。

 

 

──それが、何のきっかけで変わっていったんですか?

キカタンになると、他の女優さんと競演する機械とかも増えてくるじゃないですか。

そうすると、いろんなコと話をしますよね。

それを聞くと、みんな必死で頑張っているって言うのがわかって。

遊びじゃなくて、一つの職業として頑張っているんだっていうのが。

 

 

──これじゃいけないて思ったわけですね。

それに、競演すると他のコの仕事っぷりが見られるじゃないですか、感じ方とか。

私とほぼ同時期にデビューした神波多一花ちゃんのカラミを見て、衝撃を受けたんですよ。

同じ時期にデビューしたのになんでこんなに違うのって。

最初の頃の一花ちゃんは、こんなんじゃなかったのにって(笑)。

だから、一花ちゃんは仕事がたくさん入ってるけど、私は月に10日も入ってこないんだ、私は遊びで適当にこの仕事をしてるんだ、って言うのに気付かされて、そこからしっかり考えるようになりました。

「AVのことをよく知らない人から『AVなんて…』って言われたら、今の私は本気で怒りますね!」

──百の言葉よりも1のカラミ、って感じですか。

自分の環境が変わったことで周りの環境も変わり、それがいい方向に作用したってことですかね。

単体のままだったら、今の私は絶対にいなかったし、最悪なコのまま辞めてそのあとはどうなっていたか…と思うと、キカタンになって本当に良かったと思います。

 

 

──じゃあ、今は楽しく仕事ができてるんじゃないですか。

そうですね。

楽しいですし、今はもう遊びではなく、毎回真剣に取り組んでいます。

見ている人により楽しんでもらえるにはどうしたらいいか、ということを考えられるようになりました。

 

 

──私の職業はAV女優です、って胸を張って言えますか?

もちろん。

でも世間ってまだほとんどの人は、「AVなんてさ…」って思ってるんですよね。

AVのことをきちんと考えるようになってから、そういう考えの人がなんか許せなくなってきてるんですよ。

「こっちだって頑張ってるんだよ!」って思うので。

だから、目の前で「AVなんてさ…」って言われたら、今の私なら本気で喧嘩になりますよ。

 

 

──すごく変わったんですね。なら、今はもう辞めようなんていう考えはないのでは?

実はちょっと前に、いろいろあって進退を考えないといえない時があったんですけど、最初に思ったことが「辞めたくない!」ってことだったのには自分でもビックリしましたね。

デビューして半年くらいにそんな事態になってたら、迷うことなく「辞める!」の一択だったと思うのに。

それくらい、今は楽しくそして真剣にやれているので、辞めたくはないですね。

 

 

──今後はどうなっていきたいと考えてますか?

別に有名になりたいとかはないので、1本1本頑張って作っていきたいですね。

私の作品を買って損はなかったな、と思ってもらえれば嬉しいです。

また、このお仕事をいつまで続けるということは考えてませんが、AV女優という多くの人が経験したことのない仕事を経験しているので、それを次のステップに活かせるようにしたいと思います。

この仕事、本当に大好きです!

初出:ソフト・オン・デマンドDVD 2015年4月号 Vol.46の内容を一部加筆修正しています。


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