セクシー女優にとって「ライブな仕事」とはファンとの出会いだけではない!ポジティブスキルのアピールの場なのです!〜橘メアリー・青空ひかり・本庄鈴の3人が出演!ミルジェネ『月で逢いましょう#11』

プロローグ〜セクシー女優は本当に困っているんです!!

3度目の緊急事態宣言が東京都に発令され、大阪府は医療体制が困窮した状況のまま、コロナ患者数が減っていかない2021年のGW。昨年は全国が休業し、あらゆるものが止まっていたのですが、今年は閉じると開くが微妙な感じで、モヤモヤが続くわけで、みなさんはどのようにお過ごしでしょうか。

 

よく原稿にしているように、セクシー女優にとって、コロナ禍になる前は、イベントに該当するものはかなり重要なお仕事でした。直接、出演作を販売するためのサイン&撮影会はもちろんですが、トークイベントやライブやオフ会など、直接会うイベントが普通にたくさん開催されていたわけです。

 

ファンは、リアルなのか微妙な存在であったセクシー女優を、「リアルなアイドル」として位置付けするようになったのは、このイベント開催がポイントでした。さらには、ファンという見えない存在だったのが、「私を支えてくれている人がいる」と認識できるようになったのも、イベントでした。

 

もちろん、その伸びを促進したのはSNSがあります。販売促進の面ではかなり大きな転換点だったと思います。なんとなく売っていれば売れたりレンタルで動いていたはずのAVは、売れる枚数が全盛時から激減。それを補うには、「直接に出演者が販売する」という方法を取った。これが当たったわけです。

 

グラドルもDVDを売っているのでやっていたのですが、セクシー女優のほうが、サービスもいいし、温度感や視線が近いとの認識したファンたちは、グラドルよりも積極的にセクシー女優を選択していきました。結果、出会いの場が増え、「こういうことをやりたいけどどうかな?」という女優側の意見をファンが聞いたり、「こういうことをやって欲しい」というファンからの意見を汲み上げるというパターンが登場します。

 

意外と知られていないセクシー女優との出会いの場所として、「撮影会」というのがあるのですが、ファンと女優という関係よりも濃厚だし、金額が違うとか、ちゃんとカメラを撮りましょうとか、いろいろなハードルがあり、そこはちょっとだけ別ジャンル的な扱いだったので、それに関しては、イベントとは分けて、今回の文章には反映しておりませんので、ご理解ください。

 

とにかく、アイドルが、「ライブをやり、チェキや握手会で稼ぐようになった」のは、大きな部分ではAKBGですが、リアルな部分では、「セクシー女優がその部分の客層を取ってしまったので、ライブハウスなどパフォーマンスしないと……」という感じになっていきます。実際の話、現状のグラドルナンバー1が誰とか言えない人が多いと思います。昔だとバラエティに絶対的な枠があったのですが、完全に無くなっています。しかもグラビアジャンルは、現在では「コスプレイヤー」が占拠している感じ。それはまたそれで、面白いので、ご自身でお調べくださいね。週プレとかかなり登場しております。

 

セクシー女優もまたセクシー女優で、「他の女優と差別するような活動ができないとマズい!」という状況に陥っていきます。本来ならば、AVをしっかりプレイして、エロい姿を見せつつ、たまにイベントでよかったはずが、リアルに登場して、エロとは違う個性を提示するようになったために、他の女優と比較されてしまうジャンルになってしまいました。

 

所属している事務所も、前は撮影への営業と、女優のスケジュール調整でよかった業務が、イベントを起こしてなんぼとなっていくわけです。もうマネージメントとしても、別業務をしている感じです。そこにちょっとしたハードルがあるので、仕掛けづらかったのが、「歌のイベント」でした。ライブハウスを借りるという行為は、連絡すればOKなはずですが、ここには、ミュージシャンだけでなくアイドルが占有状態であり、業種別差別があったり、いろいろ手間とお金がかかった。そんな中に、音楽業界側からのアプローチがあって、歌のイベントが開かれるようになっていったわけです。

 

最初は、「学芸会」と揶揄されたり、「セクシー女優の歌を聴いて、何の意味があるの?」とか、ファンじゃない人たちの心理はとても厳しかったわけです。例えライブチケットのほうが安かろうと、「撮影会とこれは別」と頑ななファンが多かった。

 

それを10年近い年月をかけ、丁寧にライブを開催し、PRをし、レベルアップのために手間暇をかけ、本業ではないセクシー女優のレベルのみならず、「歌う意味」を説明していったわけですね。音楽業界も。もともとから歌いたい思考が強い女優もいたので、大ハマりすることもあり、セクシーアイドル業界は、かなりの盛り上がりを見せていました、コロナ禍前までは。

 

ライブする場所を封鎖されてしまったセクシー女優。ミュージシャンたちは、配信をどのようにするかをすぐに研究して、歌をアップしていたのですが、セクシー女優のライブは、その部分がポイントになってしまった。直接会えない配信というものを有料で観るというハードルの高さ。「会えないならば別に」とは女優には直接言わないまでも、楽しみとして、「ライブで盛り上がる」なんてことがあったために、難しい状況に陥ったわけです。

 

しかしながら、「配信」とは、映像メディアに該当します。そこを本業としてきたはずのセクシー女優です。説得力のある映像を映し出したら、これまで以上のアピールが可能ではないでしょうか。

 

ということで、セクシー女優のオリジナルソングを作ってきた音楽レーベルである、「ミルキーポップジェネレーション」が、コロナ禍の中で誕生させた配信ライブイベント(有観客制)「月で逢いましょう」。着実に回を重ねて5月1日が11回目です。場所は、抜群な配信映像と音をお届けしてくれる会場である、「三軒茶屋グレープフルーツムーン」。最初から最高のものを作っていたのですが、回を重ねれば重ねるほど、絶妙すぎる複数カメラでの絶妙な映像。そして会場の音や、ミキサーの音をダイレクトで流すではなく、「配信に特化したミキシング」を施した音。音楽ファンを公言するならば、一度は観てもらいたい抜群の出来なのです。

 

しかも初出演が3人。本庄鈴ちゃん。青空ひかりちゃん。橘メアリーちゃん。3人が全3曲のパフォーマンス。ボーカル(このライブではコーラスパート)&キーボーディストの平方元さんが完全サポートしてのライブが開催されました。

歌とは説得力であるという方がいましたら、セクシー女優はおすすめ。特に橘メアリーは抜群でした!

三者三様の個性を持った女優が揃った今回の「月で逢いましょう」。トップバッターとなったのは、ギンギンガールズとしてセクシーかつハードなダンスパフォーマンスを披露し続ける、橘メアリーちゃん。クラブサウンドとハードなダンスが売りのギンギンとはひと味もふた味も違う魅力を披露してくれたわけです。

最初は、配信先から限られた人数の客席の空気を一気に持っていった「マリーゴールド」。日本人だったら大好きであろうという、メジャーメロディとそこはかとないマイナー感の融合された世界が、メアリーちゃんの色っぽい歌声とともに拡がりました。ここまでの歌心があるとは知らなかった!

 

配信を観た人には、たまらないであろうアップ目線があったり、ジャズスタンダードのような世界観のステージングです。次の「糸」では、初の試みとなった「モノクロ映像」にチャレンジ。その楽曲の雰囲気とリンクする歌詞と同じ世界のように、縦軸と横軸の絡み合う。メアリーちゃんの持っている歌心というのが炸裂したわけです。

 

カラオケでも、バラードを歌う人は多いですよね。点数が高く出るのもバラードなのですが、最近の楽曲は、音符の洪水のようにメロディを構成しているので、バラードは意外と難しくなってしまいがち。上手いじゃなくて、「臭い」になる人が続出するわけです。なんか上手なんだけど笑っちゃうみたいなこと、ありませんか?

 

そういうのを払拭するには、音符の隙間を切らないで埋めていくブレスが必要になります。メアリーちゃんの歌は、ブレスがとても少なくて、伸ばすところがあれば、永遠に伸びていきそうなほど、聴きごたえある歌でした。

 

最後は、ピアノも歌も抜群なR&Bシンガー、アリシア・キーズの楽曲。平方さんのピアノとコーラスが、メアリーちゃんの歌と絡み合うこと絶品中の絶品でした。もし彼女の楽曲にテーマをつけるとするならば、「絡み合いこそ歌」でしょう。どちらかといえば、甘えん坊なしゃべり声なメアリーちゃんですが、歌となったら低音で重心が支えられ、そこから高音までしっかりとした軸がある。芯がしっかりしたシンガーという感じ。

 

もっともっと洋楽だったり、ハイトーンからローまでいけるような楽曲を、ぎっしり詰まったソロが聴きたくなる感じ。配信映像とのマッチングの素晴らしさもメアリーちゃんはバッチリ。彼女は歌が好きだけでなく、「歌を聴く、アーティストのパフォーマンスを観る」のが好きなんでしょうね。引き出しがたくさんある感じが漂うパフォーマンスは、期待しかない感じとなりました。

橘メアリーSET LIST

  • マリーゴールド/あいみょん
  • 糸/中島みゆき
  • If I Ain’t Got You/Alicia Keys

 

 

予想以上のパフォーマンスと、予想通りのMCトーク。選曲から全てが個性の塊な青空ひかり!

実際の青空ひかりちゃんに会ったことがある人ならば知っているであろう事実。「美少女なのにお笑いキャラである」。まぁ昨今の20歳前後のアイドルたちを見ている限り、お笑いが好きな女子は数多いし、それを自分でも実践してしまうからこそ、タレントとして大きな価値を持つアイドルも多くなりました。

セクシー女優には必要なのか否かでいえば、「本人の個性がそちらにあるならば、絶対に見せるべきだし必要」ということ。イベント自体が激減してしまっている昨今、どの場所においてでも、個性をアピールするのは重要です。そして昔のファンたちだったら、割と紋切り型なセクシー女優像を求めていたわけですが、最近は、「自分はこういう感じですよ」と個性を発揮しているほうがいいようです。

 

可愛い子が可愛いのは見ればわかるのです。しかし中身は本人が暴露してくれないとどうしても無理なわけです。エロな部分でのマイナスにならないか? なんて考え方があるのですが、そんなことは10年くらいのイベント時代になくなってしまっています。ということで、「生まれたての子鹿」と言わずに、「子鹿になっている青空ひかりです」とおしゃべりしていたひかりちゃん。ファンたちは画面の向こう側で、見守ってあげたくなったはず。

 

「NAO」からスタートしたひかりちゃん。歌世界に入ると没入するタイプなわけで、これもまた前に彼女のことを「ロリを超えた新時代のニューエイジ・セクシー女優」と定義したのですが、それはまさに彼女のこの日の登場から歌っている部分で、説明してくれました。

 

小さい系女子は、AVに限らず「可愛い系」を担うことになります。またストレートなセクシーともちょっと違う感じのエロだったり、小さいからこその背徳感を持った卑猥さだったりが必要とされますね。かなりマニアな部分を担う感じがしていましたし、AVは特にそこが重要でした。「背が低い」というだけで、背負わされる役割が、デビューした段階からある。

 

そこを全く感じさせないで、ニュートラルな女子、ただ背が低いだけという定義をひかりちゃんは持っているわけです。さらにはルックスだけでなく、キラリと輝くセンスも持ち得ているところも素晴らしい限り。

 

その証明が、2曲目、3曲目に彼女が選んだ楽曲です。「恋心」と「少女A」。90年代と80年代において、時代の女子たちを思わせる雰囲気が強い楽曲を選んだわけです。それ以上に、なんで知っているのという感じ。

 

「子どもの頃に、ベストテンとかをCS放送で見ていたので知っています」と説明してくれたひかりちゃん。私は、「赤羽のスナックのカラオケのような選曲」と失礼なことを言ってしまったら、爆笑してました。セーフ(笑)

 

ちなみにその時代の歌謡曲とかJ-POPの黎明期は、ヒット曲はかなりヘビーローテーションされるので、「一番とサビは歌える」のが当たり前だったので、配信を観ている人たちには、はまり込んだことが予想されましたね。

 

ひかりちゃんは、世代的な感じにもなりますが、「他人と合わせること」は普通にあると思います。個性というのが、人と違うことではなく、同じものの中でいかに細かく自分なりのこだわりを出せるか否かという感じ。そういう感情が、歌いたいという意識に反映されているわけです。

 

声も鼻に抜けていき、倍音たっぷりな贅沢ボイス。低いわけでも高いわけでもないところが、「少女A」をちゃんと歌い上げることを可能にしています。フロントからズンズンと迫ってくるボイスは、ちゃんと受け止めないとひかりちゃんに溺れちゃうこと必定です。

 

「震えが止まらない」とMCで言ってましたけれど、緊張をちゃんとするからこそちゃんと最後まで真面目に歌うことが可能なわけです。中途半端に「大丈夫だろう」的な感じで挑んでしまうと、痛い目にあうのは当たり前。さらにはカラオケのように自分の声が当たり前に響くわけではないのがライブです。真剣な表情と可愛らしさと色気をたっぷり披露したひかりちゃん。練習してブレスの位置をはっきりさせていけば、さらなる感動を呼ぶこと間違いないでしょう。

 

さらにいえば、昭和歌謡は流行りそうな気配というか、もう流行っているという話もあります。ひかりちゃん自身が、「大好き」と言っているので、これを突き詰めていくひかりちゃんのパフォーマンスを、もっともっと、観たい聴きたいとなってしまいました。

青空ひかりSET LIST

  • NAO/HY
  • 恋心/相川七瀬
  • 少女A/中森明菜

 

声というのが重要なのを再認識する透明感ある歌声。気が付くと本庄鈴の構築するゆりかごの中で寝たくなるのです。

歌が上手という褒め方をする人は多いと思います。ところが声がいいと褒める人は少ない。理由は、そのワードの中には、音程だったりリズム感だったり、後天的に得た能力ではなくて、先天的に持っているイメージが強いからでしょう。つまりは、「褒めているように思われないのはマズい」的な発想ですね。

 

歌手において、音程とかリズム感とか、メロディ把握の空間能力とかは確かに必要なところ。リズムが良ければ絶対に心地いいでしょう。しかしそれ以上に、聴いている人たちを気持ちよくさせてくれるのは、「声」です。意外と上手な人だけど、なんか感動しないとか、下手なんだけど印象に強く残るとかありませんか。これって声が原因としています。

 

気持ちいい声というのは、いろいろありますが、なんか耳に残るし、頭で鳴っている感じがするタイプでしょう。だいたい天は二物を与えるわけです。素晴らしいシンガーには。それの系譜に存在しているといっても過言ではなかったのが、本庄鈴ちゃんの歌声でした。

「風になる」「ハナミズキ」など、女性ボイスの楽曲であり、メジャーで気持ちよく前向き感たっぷりなメロディが印象的なわけですが、どちらにも共通しているのが、歌い手の声から気持ちいいと感じる楽曲です。それをチョイスしてきた鈴ちゃん。そこに自分の声を乗っけると、あら不思議という感じで、気持ちいい世界が会場にも配信を経由した先にも届いたと言えるでしょう。

 

笑顔だから良いとか、頑張っているねとかを言って欲しいし、レベルとかではなくて、とにかく許してね、のような甘さとは違う、「本庄鈴」という世界観をちゃんとライブとして構築して、見せてくれたわけです。作られた甘さだけではなく、コクがある甘さなのです。

 

「鈴が鳴るような声」といえば理解してくれるでしょうか。人々のハートをちゃんと揺らして切なさをたっぷりと、聴き手の感情に落としてくれる。溶けた甘さが体を駆け巡る的な心地よさが本庄鈴ちゃんが提示してくれた世界観でした。

 

3曲目の「何度でも」で、リズムに乗ることもできることを聴かせてくれました。キーボードとの共演なのでバラード的な、小さい発想ではなくて、自分の世界はこんな感じなんですというものを見せてくれました。

 

配信ライブを観た人は、その緊張しているけれど、健気なセクシーさを感じさせてくれる鈴ちゃんにうっとりな時間を得ることができたと思います。ライブ会場ももちろん良いのですが、ご時世的に大人数を収容するライブは、来年になってワクチン以外に、効き目の高い薬が登場しないと無理だと思います。配信ならば全国どこからでも観れるわけですよ、鈴ちゃんの色気ある歌とパフォーマンスを。

 

映像では歌い続ける鈴ちゃんのアップが何度も観られたことと思います。笑顔だったり真剣な眼差しだったり、いつもとまた違う色気で迫ってくれた鈴ちゃん。次にやるとしたら、どのような世界観を見せてくれるのかとか、期待させてくれるパフォーマンスでした。ライブという形態は彼女にあっているのかもしれませんね。あなた自身のデバイスで観た鈴ちゃんはいかがでしたでしょうか。

本庄鈴SET LIST

  • 風になる/つじあやの
  • ハナミズキ/一青窈
  • 何度でも/DREAMS COME TRUE

エピローグ〜セクシー女優と配信ライブの相性の良さは、AVというパフォーマンスとのリンクかもしれません。

どうしても会えるアイドルだったコロナ禍前のセクシー女優。東京のみならず地方都市ならばほぼ会える環境が整っていました。会うことで親密度が増して手売りでAVが売れるという図式ですね。それは何年かを経由すれば元に戻るということはないと思われます。アクリル版がなくなったとしても、世間的な風潮によって、接触していることが噂に立ってしまうとアウトです。自粛しろ警察はそこいらをパトロールしているわけだから。その意識を持った人は必ずどこかに残るでしょう。コロナに罹患していなくても後遺症は日本国民は全員受けているわけです。

 

配信ライブという手段は、ミュージシャン、アイドルなどが昨年から試行錯誤して構築してきました。「ただ生でライブしているから良い」というわけではありません。ちゃんと観ている人に通じるパフォーマンスを披露しつつ、伝える映像もまたちゃんとしていないとダメ。DVDにおいて編集された映像を観て育っているわけですから。臨場感をちゃんと味わいながら、リアル以上にリアルな視点を作らないといけないわけです。

 

つまりどこか演技的なプランも必要なのですね。ライブは演劇的な要素を取り入れたり、人が盛り上がるためのアクションやワードが散りばめられています。そこから作り出されたのが、一体感的なパフォーマンスです。アイドルのライブにおけるコールなんてそれですね。

 

サイリウムでも色の統一などで、一体感を測ったりします。出演アーティストへのサプライズとして、ファンが内緒で会場ブロックごとにサイリウムを決めて、ライブ会場を演出したなんてことがありますね。ただしこれは、大規模な会場と動員がないと、大きな感動が得られることが難しいのが難点です。

 

セクシーアイドルのライブは、ファンからはポピュラリティーあるイベントになっています。推しに対する声援だけでなく、共演する女優さんにもリスペクトしてあげる姿勢は、まさにファンの鏡。セクシーアイドルイベントの規律の素晴らしさは定評があります。だからこそ、「あの夜よ、再び」と思うのです。

 

そんな中、「配信ライブ」がライブイベント各所から登場しています。定点カメラのみだったりすると、YouTubeやらテレビを恒常的に観てる世代からすると、「お金を払って観るものか?」となるのは間違いないでしょう。そういうところに陥っている配信ライブは、世の中にあふれんばかり存在します。

 

さらに演出をするか否かが重要。ライブだと演者たちがどのように立ち振る舞うかが鍵だったりしますが、ここにカメラが入るとまた別物となりますね。それを観ている人たちをちゃんと意識しないと、ということです。

 

今回の「月で逢いましょう#11」の配信では、アップにしていくカメラワークに対して、目線を送り込むパターンを、メアリーちゃん、ひかりちゃん、鈴ちゃんの誰もがやってくれていました。ネット回線を経由しているとはいえ、観ていると楽しくなりますよ。

 

またデバイスにもよりますが、リアタイで書き込みするということも楽しさのひとつ。タイムラインがそのまま会話になっているような感じでしょうね。お酒でも飲みながら見ていたら楽しいことでしょう。もちろんタイムラインに書けば、出演者もその後に見るだろうという期待感もあります。

 

またライントークをしつつ、同じライブを観るという楽しみ方もあったりしますね。この場合は、まさに言いたいこといっぱい言いまくりで盛り上がることでしょう。このパターンのほうが圧倒的にお酒が進む(笑)。

 

配信ライブは2年目を迎え、進化し淘汰されてきました。テレビの歌番組並みのカメラワークを駆使するところがやはり残っているような気がします。予算の違いをテクニックと熱意でカバーリングし、上質ライブを届けるというパターン。「月で逢いましょう」は、このゾーンにいる上質ライブなので、ぜひお勧めします。

 

さらには、AVは観るけれどセクシー女優の誰が誰かを知らない人なんかはぜひライブを観てもらいたいですね。カメラがリアルに寄ってきたりするパフォーマンスとは、彼女たちが日頃のお仕事で見せているパターンと同じなわけです。なのでカメラが何を求めているかを、瞬間的に感じ取れるスキルを持っています。これができないとセクシー女優としてはマズいですし。

 

AV業界は、AVだけを売れば良いという単純なビジネスではなくなっています。そこで得たノウハウや人脈を使って、「じゃない仕事」をしていく。これはずっと継続させていかないとヤバいはず。露出とは違う演出するセクシーを売りにしてきたSODLANDなど飲食系はかなり頑張ってきています。

 

続かないといけないジャンルは、ライブと演劇になることでしょう。ちゃんとした何かをリアルに発信することで、セクシー女優の価値を高めていく。本人のスキルはもちろん必要なのですが、周囲のバックアップも必要だし、何よりも、ファンの人たちが継続して応援し続けることが重要になってきます。

 

配信というジャンルで生だと、トークが多いのですが、これは「台本がいらない」とか、「行き当たりばったりで決めよう」とかが理由。ほんの5、6年前ですら、「最後はランジェリーになって撮影タイムをやればいい」という大団円しか用意してないとかありましたよね(笑)。それでもそういう機会が初体験だったので、盛り上がりました。ここからイベント自体が、「露出エロ」か「酔っ払いトーク」になるか、「トークの内容を詰めたもの」になるかで分離していきましたね。で、前者はコロナで無理なわけですから、ちゃんと考えていた後者が残っています。

 

セクシー女優は、ひたすら考えただけでもダメ。考えないなんてダメと、仕事としては選ばれしものというエリート稼業かつずっと考えていないとダメなものになっています。本業をどれだけ頑張っても、女優の延命になることは確率的には低い。どうしても人の飽き性にはかなわないわけです。だからこそ、彼女たちは、「じゃない仕事」をさらに見つめ直さないとダメでしょう。

 

「ここに出られれば本望」として出ていることに満足するとか、「SEX頑張っているから大丈夫」なんて思考をしている女優さんは、申し訳ないのですが早晩脱落するでしょう。群雄割拠とは、アイドル業界やお笑いだけでなく、セクシー業界にもあるわけです。それは需要と供給で成立する業界ではなくて、「人気者」しかいらない業界だからです。

 

「音楽はちょっと……」と二の足を踏んでいるファンのみなさま。「配信ライブ」は、その女優の個性が剥き出しになります。直接会っている時よりも感じられる場合もありますし、むしろ確率は高いくらい。それは歌うことによって集中しているために出てしまう素顔ということです。素顔とか真実の顔、大好きでしょう?

 

AV業界にも厳しく吹き荒れるコロナ禍です。読んでいるみなさん自身の生活の問題もあるでしょう。こんな時だから発達した「配信ライブ」によって、より身近な存在として認識できる可能性を持っているイベントです。ぜひ一度ご覧ください。

 

今回のライブを観られなかったみなさんが、悔しがってくれると、取材している価値があります。写真では見せられても、歌は聴かせられませんから。そして、橘メアリーちゃん、青空ひかりちゃん、本庄鈴ちゃんの、次回のライブを期待して待っていてくださいませ。セクシー女優とは、エロだけでない無限の可能性を発揮する女子たちの集合体になってきているような気がする2021年GWでした。