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【連載インタビュー・職業「AV女優」】Vol.3 小西まりえ なぜ彼女たちはAV女優を「仕事」に選んだのか。苦悩・葛藤・熱い思いなど彼女たちのAV女優観に迫るディープ・インタビュー!

もう数年前からAV女優は誰でもなれる職業ではなくなった。今、第一線で活躍するAV女優たちはみな、容姿やスタイルの高レベル化はもちろん、AVを仕事として捉え、AV撮影やイベントなどに対するストイックなまでの真面目な姿勢や、日々のSNSでのセルフプロデュースやファンとの交流など、一般職よりもはるかに高いレベルの努力をしている。この連載は、「なぜ彼女たちはAV女優を『仕事』に選んだのか」を軸にプロ意識をもってAVに取り組む女性たちに迫るインタビューです。

仕事が楽しくて仕方がない、と思いながら日々生活をしている人というのは、世の中にどれだけいるものなのか。おそらく、探してもなかなか見つからないはずだ。楽しんでやれる仕事…それに出会えることはどれほど幸せなことか、考えたことがあるだろうか。可愛らしい見た目とは裏腹にその出演作品は鞭打ち、緊縛、アナルファックとハードを極めるロリ系AV女優、小西まりえちゃんのAV女優感に迫ります!!!

Profile 1992年3月1日生まれ。T148・B79(Cカップ)・W57・H87。趣味はカラオケ、特技は耳が動くこと。 公式ツイッター<@konishi_marie

「私、あまり自分のことが好きじゃないから、存在意義がほしいんです。
人に認められたい、人から必要とされていたい」

─デビュー当時から変わらぬ可愛らしさですけど、デビューしてどれくらい経ちます?

今年の7月で5年目になりました。こんなに続いた仕事は、初めてです。私、飽き性で、同じことをずっとやるのが苦手なんですよね。

─自分で応募したんですか?

いえ、スカウトです。ちょうど、何か面白くて新しいことがしたいな、と思っていたので、AVはほとんど見たことがなかったんですけど、話を聞いてみたんです。

─普通なら話も聞きませんよね。タイミングが良かったんですかね。

そうだと思います。それと私、好奇心が旺盛なので、知らないことはとりあえずやってみて知ろう、という性格もあったんだと思います。

─怖さとかはありませんでした?

なかったです。後日、詳しい話を聞いたんですけど、私、基本的にどんな話を聞いてもあまり驚かないタイプなので「そうなんだぁ」と全部スッと受け入れられました。なので、割とすぐに「やります」と決めました。

─でも、さすがに恥ずかしさはあったんじゃないですか?

実は、それもなかったんですよ(笑)。さすがに初めての撮影の時、緊張はしましたけど、恥ずかしいというのは、本当にまったくありませんでしたね。それに緊張も、いい感じの緊張というか、ワクワク半分緊張半分といった感じでしたし。

─その可愛らしい容姿とは正反対で、なんか男らしいですね。

たしかに、男らしいってよく言われます(笑)。女の子らしさはないかもしれないですね。

─もともと、人前に出たいとか、そういう願望は持ってたんですか?

あったとは思うんですけど、自分では気づいてなかったというか、明確に「出たい」という気持ちは持ってませんでした。

ただ私、昔から承認欲求がすごく強いんですよ。人に認められたい、人から必要とされていたい、というのがあったので、この仕事を始めてから、人前に出るようなことをしたかったんだろうな、というのを自覚し始めました。

─ファンがつくと、それを実感できますしね。

そうなんですよね。ファンの方が「可愛い」とか言ってくださると本当に嬉しいですね。私、あまり自分のことが好きじゃないから、存在意義がほしいんですよね。だから、みなさんがそう言ってくださると、「私、生きてていいんだ」って思えて(笑)。

─かまってもらえないと死んじゃう?

そう、うさぎみたいな感じです(笑)。そのくせ、1人の時間がないとダメっていう、わがまま娘なんですけどね(笑)。

「毎回新鮮な気持ちで仕事しています。本当にありがたいことですね、なかなかそういう仕事に就けませんから」

─AVはそのすべてを満たしてくれるピッタリな仕事だったんですね。

そうですね、今までやってきた仕事の中で1番楽しいです!

でも、こんなに長く続いているのは、自分でもびっくりしてます。本当に堪え性がなくて、同じことの繰り返しにはすぐ飽きちゃう性格なんですよ、私。学校へ行くのも本当に苦痛で、高校も3年続かなかったくらいですし(笑)。

─なぜ長く続いてるんだと思います?

この仕事って、現場によってメーカーさんも違うし、そのたびに出会う人も違う。内容だって毎回違うので、飽きないというか、毎回新鮮でワクワクするんですよね。それだと思います。

─でも、もう結構な本数出てますよね。それでもまだ新鮮だなって感じます?

はい。今も変わらないです。毎回新鮮な気持ちになれます。これって、本当にありがたいことだなって思いますね。だって、そういう仕事に就けることなんて、なかなかできるものじゃないですから。

それに、自分がつくった作品を残せるというのも、魅力的だと思います。生きた証、ではないけど、大げさに言うとそんな感じですね。

─先ほどから、生き死にという言葉がよく出てきますけど…。

別に死にたいわけじゃないですよ(笑)。ただ、死ぬのは怖くないです、死にたくはないですけど。

ただ人間、死ぬときは死ぬわけですし、何があるかわからないじゃないですか。だから、今を楽しく生きよう、と思ってます。というか、先のことを考えるのが苦手なだけなんですけどね(笑)。

─将来こうなりたい、とかいうのはないんですか?

ないんですよ。よく、年の初めに「今年の目標は?」とか聞かれるじゃないですか。でも、考えられないので、ないんですよね。考えるのは、長くて明後日とかです(笑)。ただ、夢はなかったんですけど、強いてあげれば専業主婦になりたかったですね。

─結婚願望が強かったんですか?

小西 いえ、できれば仕事をしたくない、遊んで暮らしていけたらいいな、という考えだったんですよ。だから、仕事をせずに生きていける、という意味でなりたかったな、という感じです。

「小西まりえという存在をいろんな人に知ってもらいたいですが、
有名になることでAVから遠ざかるのは嫌です」

─それだと、この仕事はツラいんじゃないですか? 撮影は、すごく時間かかるし、てっぺん越えとかザラじゃないですか。

いえ、それは全然。この仕事は好きですし、現場は特に好きで、なるべく長くいたいって思ってるんですよ。

だから、スタッフさんとかは巻きたいとか言いますけど、私はそんなこと思ったことなくて。むしろてっぺん越えしたり、朝までかかる現場とかが好きなんですよね。最近はなるべく終電に間に合うようにしよう、という現場が多くなってしまって、寂しい限りです(笑)。

─長くなればなるほど、女優さんが1番大変だと思うんですけど…。

体力的にしんどい、というのはもちろんありますけど、その疲労感が心地いいというか。頑張ったことによって、作品として形が残り、それを見てくれる人がいて、「あれ、良かったよ」とか「いっぱいヌイたよ」とか言って評価してくれると、「私、生きてる!」という気持ちになれるので、全然苦ではないんです。

─本当にこの仕事が合ってるんですね。でも、辞めたいと思ったことはありませんでした?

ないです。肉体的、精神的にツラかったりしんどかったりしたことはありましたけど、そんな時でも辞めようと思ったことはありませんね。むしろ、仕事をしたいのになんでできないんだろう…という感じで、さらにメンタルをやられてしまう、ということはありましたけど(笑)。

─もっと有名になりたい、というのはあります?

やっぱり、この仕事をやらせていただいてる以上は、より多くの人に作品を観ていただきたいので、小西まりえという存在をいろんな人に知ってもらいたい、というのはあります。

ただ、アイドル活動とかタレント転向とか、そういうのは考えてないですね。有名になることで、AVというものから遠ざかるのは嫌です。自分自身がより多くの人に認められるというのは嬉しいですけど、それによってAV女優という肩書きが消えてしまうのだったら、私はAV女優という肩書きの方を取りますね。

レッスンとか収録とかするよりも、作品をつくっていたいですし、AV業界は自分を認めてくれた場所ですから、この仕事に出会えて本当に良かったなって思っています。

─そこまで言える仕事をできているのは、羨ましい限りです。

私の性格を知る人からは、明日いきなり「辞める」って言いだしそう、とか言われたりするんですけど、この仕事に関してはそれは絶対ありません。そこだけは自信を持って言えます。

それくらい、AV女優という仕事は好きなんですよ。自分でも不思議なくらいに。女優としての目標は、やっぱり考えられないんですけど、できるだけ長く続けること、それが目標ですね。
初出:ソフト・オン・デマンドDVD 201712月号 Vol.78の内容を一部加筆修正しています。

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