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はじめに〜AVはなぜ難しくなってしまったのか!?
AVとは、アホ丸出しでも許されたし、エロ剥き出しでも許されたし、高尚な感じでも矮小な感じでも大丈夫というジャンルだったはずなのですが、日本の構造的な不況に飲み込まれ、あらゆるジャンルで展開する弱いものいじめの対象となってしまい、ボコボコです。食い荒らす人たちもたくさんいて、弱る一方なのに、何かあると攻められてしまう。
そんなめんどくさいジャンルじゃなかったのに、いつの間にかパロディすら許されなくなってきてしまった。AVとは、責任と覚悟を持って作ることで、あらゆるジャンルの「裏側を観ている」気分にさせてくれる痛快なジャンルだったのに。
その結果、自己防衛のために、エロの肯定という諸刃の剣な言葉を発したり、セクシー女優側から、自己肯定のワードを言わせたり(これはSNSのおかげで可能になったとも言えるかな?)、世間からのバッシングに対して、どうにかガードしていく感じになっています。
webテレビでは割と自由にAVを語っているのですが、お笑い芸人さんには、AVが追い込まれている状況なんて興味ないし、自分が思っているAVのお話を語るのみ。ちょっと古いネタが多いのもまた共通していることですね(笑)。リアルタイムではもう観ていないのかもしれない……怒られるか(笑)。
とにかくAVというジャンルは、他の業界から憧れられるほどに、「濡れ手で粟」と思われていたのに、むしろ今となっては、「かわいそうに」とか同情されちゃう。R18ジャンルはどこもかしこも焼け野原で、まるで宇宙戦艦ヤマトの第1話くらいの地球のよう。ガミラスからの遊星爆弾は止まってませんから。
それでいろいろと考えたのですが、ちょっとAVの見方を、原点に返してみたいなと思います。セクシー女優も頑張っているし、スタッフも頑張っている。デジタル搾取していく犯罪者たちには関係ない哲学の部分が、ちゃんと培われており、成長しているのです。
AVをもっともっと、一般的な部分でも使えるような心理的な部分に置き換えていくことで、あなた自身のエロに対する興味とはどのようになっているのかを探っていけるようなことを語っていきたいと思います。
全5回でお届けする第1回は、未だに覆らない大人気AVジャンル「NTR」を題材に、これを観ると本当のあなたのエロい深層心理が透けてみえてくるというお話です。スケベだと思っていないような人にも、これを上手に使って質問してみましょう。その相手のエロい部分が探れてしまうかも!?
エロっていうのは実はすごい。AVというのはもっと世界を変える力がある。それをカジュアルに使ってみると、意外と面白い日常が待っているのです。なんか媚薬AVとか催眠AVとかの冒頭のように始まるのです!
このシーンにドキドキする人は……
「パート1:責める男の立場で舌舐めずりする人」
ちょっとだけみなさんの頭に浮いている「?」を下げるためにご説明します。「なんで麻雅庵が深層心理語れるの?」ということ。これですが本当に何百人いや、何千人のインタビューをしてきたことによる培ったデータということでご理解ください。セクシー業界だけでなく、素人さんから女優、俳優、タレントさん。映画監督から作家さんまで、いろいろと聴いてきた中で、「人の傾向は一定の方向を向いている」というデータができてきて、今回のような、「NTRに関する深層心理」みたいなことを書けるということなのです。
NTRに関してですが、どうしてもAVというジャンルから、「男子側から観た女子像」を元にして作成されています。観ている男子が悦に入れるような感じ。「AVらしいファンタジー」がここにありますね。女子から、「SEXしている途中で、気持ちよくなってしまうなんてことあるか!」と激怒される部分ですが(笑)、ファンタジーなんだからそこを怒らなくても。でもこの女子は、「AVの中の女子にリアリティを求める」という思考が強い。映画だって同じように観ているタイプです。なので、ご都合主義が嫌いな女子ということです。意外と多いんですが、それを我慢しているのが、AVによって爆発しちゃったということでしょう。
そうは書いたのですが、一番人気があるのが、陥落するシーンなわけです。しかも黙った状態という服従的な感じじゃなくて、自分から望んでそっちに行ってしまう。心理学でも監禁された状態において、自分をコントロールしている人間に従うことで、もっとも苦しいことから解放されるというのはあります。ただしこれは、解放されるために意識がそっちにいくという、教育を受けた人間らしい話なのです。
AVはとにかく、獣的なことがポイントです。見ず知らずの人間が、その場で知り合ってSEXして快楽を得る的な発想があります。リアルなことを言うと、男優と女優は知っている場合のほうが多いでしょうけれど、NTRというドラマにおいては、知っているのは男だけとか、お互い知っているけれど、関係性は乏しいとか、マイナスな人間関係であればあるほど良いわけです。義父が連れ子を犯すというのはNTRではありません。また別のジャンルになりますね。
この「快楽堕ちする女子」が好きな人とは、男子で考えると一番ノーマル。しかも浮気して関係性が崩れることを望みつつも、そんなことを実行する勇気はないという、どノーマルな男子が一番興奮するポイントです。
今、「彼女が欲しくない男子」とか、「結婚しない男子」が増えているのは、「フラれることの虚しさ」を味わいたくないということですが、結婚していてもそれは同じでしょう。関係性が崩壊するのが浮気ですから。そしてそれがバレるのは、男女関係が割と平等な関係だからです。浮気を了承している女子だって、本当はメインの座に座りたいということ。優位に立ちたいので姿を現そうとすることも多いようです。
このように、社会的にも問題行動となる浮気を、妄想の中で処理したいのが「NTRにおける快楽堕ちする女子」ということ。ドラマの主役のような女の子との浮気を望んでいるのです。
風俗に通っている人は、この考え方と同じ人と、全く別の2通りの人がいます。バレない浮気としてのこっそり風俗なのですが、ちゃんとその場において、「この女子は、俺のテクニックに溺れている」なんて思いたい人がいまして(少なくないですよ)、それは快楽堕ちが好きな人に組み込まれるということになります。
それ以外の人は、「風俗というわがままを聞いてくれそうなお店で、別人格の発散」ということかなと。快楽プレイを共有しあうとか、オナニーできなくなった分、どこかで発散しようとか、オナニーの線上にあります。使っているアイテムが、AVから風俗に変わったくらいかなと思います。こういうタイプの人は、あまりAVにも思い入れは少ないです。
どノーマルな男子がハマるように作られているわけですから、一番人気は高いし、未だに作られ続いています。マニアからすると、「これはNTRじゃない」というパターンも出てきますが、そんな細かいところにこだわるタイプは、「快楽堕ちしている女子が好き」とはならないでしょう。「○○(固有名詞)の作品における、○○ちゃん(セクシー女優名)が好き」ということで、全方位のAV好きではなく、もしかすれば、その女優が好きということになります。売上で換算すると、このタイプも増えてきているのは事実なので、大ヒットがなく、現在の売上本数が続くと、ノーマルタイプにむけて作っているAVは絶対にヒットしないことになるでしょうね。断言。
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このシーンにドキドキする人は……
「パート2:責められ陥落する女子の立場になる」
普通のAVは、ヤラれている女子の姿を観て興奮するわけです。なので、AVにハマらない女子がほとんどなのは理解できるでしょう。「あんな感じにはなりたくない」とか、「もう少し優しくされたい」とか思ってしまったら、AVは観れません。ただ……ここ最近は、SEXの嗜好が男子っぽい人も増えているので、AVにハマりそうな人いるんですが、なにせ違法なエロが多すぎて……。この退治に知恵を注ぎ込むことはAVの急務なんですけどね。
とにかく女子が観るようなイメージでは作っていないのですが、ここにハマってしまう男子がいる。M風俗で、「レズ責めプレイ」なんてのがありまして、隠れた人気プレイだそうです。AV視聴に関しても、責められている女子を観て、ゾクゾクしている構図は同じなのですが、「自分がヤラれているような快感」を覚えて興奮しているってこと。たぶんSEXよりもオナニーが好きなタイプです(仮断言)。
よく「SEX>オナニー」という優位性を語られます。SEXにはパートナー必須ですから仕方がないこと。しかしながら、快感のレベルで考えると、「SEXしたくてできない人のオナニー」と、「オナニーが大好きで仕方がない人のオナニー」は、ジャンルが違います。
快楽に浸るために、AV内にいる、一番気持ちがいい人=セクシー女優に自己投影するということでしょう。NTRとなったら、発狂しちゃうんじゃないかというくらいに興奮するはず。AVにのめり込むというよりは、AVは発情の種になっており、自分の興奮をさらにアップするものなわけです。セクシー女優の見方が違うわけです。
イケない行為をしている自分は、快感に夢中になって、さらに興奮して悶えている……まさにオナニーをしている時の脳細胞のスパークという感じ(笑)。AVを作る側にとって、そういうタイプの人がいるのといないのとでは、全く作品が違ってきます。しかも過度なマニアックさがあって、取っ付きづらい作品を作ることはないです。よりシンプルに、「快楽堕ちする自分」という妄想を、女優に投影するタイプといえるでしょう。
映画監督にも、作品のキャラに自己投影してストーリーを進めるタイプがいます。自分で脚本を書くタイプの監督ですね。黒澤明監督とか、スタンリー・キューブリック監督とか、そんな傾向があるように思えます。両者がAVを撮ったらかなり脳に効き目のありそうなものを作りそう。まぁ映画監督はエンタメにも長けているので、お客さんサービスとして作るところもありますから、期待値に至らないかもしれない。
AV界にはかなりいると思います。だからこそ、同じ女優を撮っているはずなのに、「エロさの濃度が違う作品」が誕生することになるわけです。そしてAVとして考えると、決して、「女優になりきる監督の作ったAV」が興奮するわけではないのもお忘れなく。もっと男子目線に偏って作ったほうが当たる場合もあります。
これもまた「女優と監督との相性」なんて問題になってくるわけです。シンプルなエロ思考同士が組むほうがいいのか、真逆が組むのがいいのかは難しいところなのですが、実際のところは、「理解できなかったけど、作品になって観たら、『ああ、こういうことか』と思った」とか、「自分にはわからないけれど、とてもファンからの評判が高くて、売れたようですね」とか、女優が答える作品は、「無理強いをしない作品」が多くを占めているようです。
とはいえ、AVというメディアが発展してきた背景は、このような妄想を具現化しようとする人たち。男優のチ●ポよりも、女優のま●こへの思い入れが強いわけです。女優にピストンするかのようにしごく人と、しごいてはいるけれど、微妙にうねったりする人の違いかな?
NTRは、このような「男女別な視点」をまさにわけるのにふさわしい作品となっています。あなたはどちらに該当するでしょうか。
NTRには、もうひとつの視点を持って視聴する人がいます……
「パート3:客観的立場になって興奮する」
AVという動画エロメディアが登場する前には、動くエロといえば、映画。ポルノ・ピンク映画系から、一般映画にあるヌードシーンとかSEXシーンなど、その当時のアイテムでは自宅に持ってかえるわけにはいかないメディアでした。しかし、ほんのごく一部のマニアに、自宅でフィルム映写機を使用して観る行為がありました。
ちなみに映画フィルムの映写機カルチャーは、子ども向けの簡易映写機なんかも発売されているので、「みんな欲しいアイテム」だったのは間違いないでしょう。しかしフィルム自体が発売されているわけではなく、好事家同士がいろいろな手段を講じて入手した映画の一部などを観て、楽しんでいたわけです。
そこに全然違う、エロ愛好家が観ているフィルム。これぞ「ブルーフィルム」という裏系の走りですね。日本人だったり海外コピー品だったり。こんなに簡単にコピーができる時代ではありませんから、フィルムを入手するのは本当に大変だったでしょう。しかもエロ。これは変態愛好家じゃないと無理。
この流れを組むであろうAV視聴家として、熟女人妻系AVを好む人たちがいます。このポイントは、「年齢をいっているから抵抗とか関係なく最終的には快楽堕ちする女と、そこに至らせるためにあれこれ考える男」という、痴情のもつれが描かれています。
AVの場合は、熟女人妻系には、絶対にストーリーがあると思っている人は大間違いです。ドキュメント素人系は、熟女作品では大人気です。そして何よりも、「NTR」という展開が骨子にあるのが熟女人妻系。だって、「SEXする関係になってはいけないのに、SEXしちゃう」わけですから。
女子側が、痴女だろうが素人だろうが、受け身だらけだろうが関係はありません。とにかく「ヤラれちゃう」わけです。これをニヤニヤしながら(心の中がニヤニヤも有り)、見続けるのが、ブルーフィルムっぽい視聴といえるでしょう。女優だけでなく、男優がどのように責めるかなど、全体の構造を元に興奮する。
もっと簡単に説明しましょう。NTRは、ハメしろだらけの作品にはなりません。顔とかストーリー展開がわからないと、「このカップルの関係性」が見えなくなってしまう。それではちょっと萎えてしまう。
熟女人妻系AVと、ブルーフィルムが重なるのかというと、「ここに映っていること」こそが一番の興奮材料となるからです。女優というカテゴリーで観ているとかではなくて、「AVとは誰もが素人。誰もが訳あり」という裏読みをして楽しむ傾向があるからなのです。
こうなってくると、NTR作品じゃなくてもいいだろうとか思うでしょうけど、差にあらず。何を観ても思うわけですが、ストーリー展開がちゃんとあればあるほど、背景を考えて興奮するという変態的な視点ということです。AVを訳ありとして観ている。ファンタジーとか知らないから、ただそこにヌードをみせて、SEXしていることに興奮するわけです。NTRだったらなおさら。その展開を使ったドキュメントは本当に昔からAVには存在しますね。
全体的な感じを興奮するので、SEXも局部ばかりが観えるのは嫌い。もっと男優が映っている作品がいいとなるわけです。これ一時のAVが大否定していたことで、「男優はいらないからカットしろ!」とか言われ、本当にモザイクのかかったチ●ポと、ベロチューする時の舌しか見えないなんてことありましたよね。
ここで盛り上がっていた世代はともかく、じゃないAVを観たがった人たちは、熟女人妻系に流れていったわけです。ただ「濃厚で年齢を重ねた女子」が好きなだけじゃなかったということ。
熟女人妻系AVは、女優も含めて、実はやたらと細かいチェックをする人がファンに多いです。しかしながら、ハマった場合は、「このメーカー(or監督)の作品ならば絶対に安心」という見方でAVを購入しています。現状で発展しようとしているサブスク系AVに加入しないのもこのタイプ。年齢の問題もあるでしょうけれど、「自分が観ない作品がいくらあっても観ないからいらない」ということになります。
サブスクが、音楽系のように、「あらゆるメーカーがちゃんと加入していて、一部デジタル配信を拒否しているアーティスト以外は網羅されている」ようになったら、入ってくれるはずです。が、どうなることかは五里霧中。
NTRを観ようとして探すというよりも、自然とそっち方面ばかり観ているタイプ。客観的なSEXを観るのが好き。こういう人は浮気とかしないはず。自分自身をも冷静に見ていたりしますから。
じゃあひと安心なノーマルタイプと思ったら大間違い(笑)。自分の浮気だけでなく、パートナーの浮気もまた、ひとつのエロのアイテムと考えることから、「社会的な地位は崩壊しないけれど、精神的に追い込むのが好き」なタイプといえます。そこまで激しくない場合、むしろ逆張りに出てきて、「浮気の気配っぽいもの」を感じただけで大暴れしちゃうかもしれないという、敏感系な人もいます。どちらも極端な感じの傾向を持っている場合が多いです。
まぁ人の浮気とかが好きということは、意外と人間としてはゴシップを好むということからノーマル。日本人に限らず、欧米もそういうことの興味は尽きないですから。
自分のハマるAVを求めて、コツコツと買っている人。NTRとタイトルになくてもその雰囲気を感じて購入するので、AV大量購入はしないはず。しかしながら、AVを支えている層なのは間違いありません。そしてその深層心理には、「自分よりも下がいる現実」を斜めの視点で観ているというタイプ。それを周囲に感じさせることはないかもしれないけれど、AVの傾向がバレてしまったら……その人の本性がわかるのです。NTRは本当に人の深いところを露呈させるのです。
行為でAVの感想を語る人が多いのは、いろいろな見方を可能としてるAVならではかもしれません!?
どうやってAVを観るかなんて、誰も勝手に観ればいいし、自由です。「こういう見方はいかが?」のような評論家とかライターがいたら、いい迷惑って感じ。映画や音楽ですら、決めつけられるのを嫌がる人がいるわけで、より自由な視聴をしないと満足できないAVにとってみれば、不必要そのものでしょう。
しかしながら、AVはあなたの合わせ鏡です。どんな人間なのかを探るには、購入したAVだけでなく、履歴を観ていくだけで、自分の傾向がバレてしまいます。無自覚であったとしても、媚薬系ばかり観ているとか、低身長女優ばかりを探すとか、巨乳フェチ系ばかりが揃っていたとか、もう丸見え(笑)。好みまでバレてしまいます。
これって、アイドルとか女優とか音楽ではわからない部分です。なぜかというと、人は格好つけるからです。他人が観る可能性があるならば、格好つける。だからこそ難解な映画とか音楽が売れたりする。実はアイドルが好きなのに、「音楽分析のため」とかありますよね。「可愛くて娘みたいな感じ」と言いながら、ニヤニヤした目で写真集を観ているお父さんとかね(笑)。Tik Tokアプリをスマホに入れて、「若い人たちの傾向を調べるため」とか言いながら、ニヤニヤしておっぱいが揺れるさまを観ているとかも同じ。
格好つけるから、リアルなところが本人にもわからなくなってしまいます。しかしAVの場合、「AVを観ている」と公言している人のほうが本当は少ない。観ていたとしても隠したいわけです。ショップじゃなくてネット販売でしか買ったことがない人なんてごまんと居るし、今はスマホの容量もアップしたので、DLとかで持っているとか多くなったでしょう。
AVには、人を無自覚のうちに映し出す力があります。ただ単純なエロがいいと語っていても、ちょっとでも自分の好みを作品に対しての疑問として持ってしまうと、あら不思議。AV閲覧リストはあなたの趣味思考をモロに反映した作品たちが並ぶことになるのです。
そんな中でも、すっかり人気ジャンルとして定着したNTRは、その曖昧な解釈が通じることから、あらゆる人たちを巻き込むわけです。単純にストーリーエロが好きな人がまず引っかかる。扇情的なタイトルに引っかかる。大好きなセクシー女優が艶かしいだけでなく、騙されておかしくなる姿に引っかかるなどなど。
大昔のAVであったならば、熟女系マニア作品の流れのひとつでしかなかったNTRは、ものの見事に、あらゆるジャンルを網羅するキーワードとなったのです。女優も選ばず、作風も選ばずに成立するジャンル「NTR」。ストーリーものでも、ドキュメントものでも、素人人妻ナンパものでも、そこに自分にパートナーがいる展開があれば、もう全てがNTR。
それどころかNTRされていないような展開に思えるアイドル女優ですら、「このプレイは、AVメーカーに寝取られたな」と解釈されて、人気が出るタイトルになります。「自分の好きな○○ちゃんが堕ちた」という解釈こそ、とてつもない興奮を生み出すわけです。
即物的なプレイ、例えば顔射とか中出しとかに関しては、もはや当たり前になっています。そこが大変な問題なのですが、女優たちが大丈夫になってしまった今の時代、そこに関して大きな興奮を得られることは少なくなってしまったのです。
なので、AVマニアたちは、ストーリー展開などではなく、プレイがどう行われたかを語るようになります。顔射を受け入れ方がどうだとかですね。表情が嫌がっているのが、「良いor悪い」ですらわかれますから、同じ作品への評価が全然違うことになります。よって、「レビューには行為のみを書く」という姿勢がAVには通常プレイになったわけです。作品の内容バレに抵触したとしても、AVの場合、解釈の違いで全然興奮度が変わりますからね。
AVとは観る人によって全く違ったものになるのが良いところと思っていたのですが、ちゃんと売るためには、統一した意見になる作品のほうが良いようです。それは他ジャンルが語っています。結果、「どんなプレイをしているか」に集中することになり、いろいろな見方をするAV視聴方法は廃れていったような気がします。
NTRは、AVの興奮度をとてもわかりやすく表現しています。「AVとは、出演女優がNTRされているので興奮する」ということなのです。「痴女プレイ」だろうと、それがもしかすると、似合うだけで性癖にはないかもしれない。そんな矛盾を抱えてまで興奮して悶える女子を見て、視聴者ユーザーも悶えるわけです。あらゆる内容を凌駕した状況こそAV。そしてNTRは、それをわかりやすく表現しているということです。だからこそ深層心理も見えやすくなるのです。
記事=麻雅庵