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2021年、なんでAV女優をセクシー女優とか艶系女優と呼ばなければならなくなったのか理由を考えてみましょう!?

プロローグ〜社会のあらゆることの影響下にあるAV業界を確認しましょう

今回の書き出しスタートは、小見出しから問題提示にしてみました。今回の原稿タイトル自体、AVを買っている人たちには、ほとんど関係ない話だと思うでしょう。そりゃあそうだ、なんと呼ばれようとも、女優様は女優様だし、AVはAV。確固としたものを作り上げている業界ですから。

 

AVとはSEXに価値があった時代からスタートしています。男女のSEXにはちゃんとしたハードルがあり、そのハードルを設定していたのはもちろん女子側だったわけです。テレビに出ているアイドルが、雑誌グラビアやオールスター水泳大会で水着になっている子とが、とてもとても大きな価値を持っていたのは、女子側が納得したエロスが本当に少なかったからです。

 

「ロマンポルノとかピンク映画の専用映画館のポスターは、ヌードだらけだったぞ!」とか、「テレビは2時間ドラマだったり(特に天知茂主演の明智小五郎ものとか)、「11PM」に代表される深夜帯の大人なバラエティ番組とはヌード出てた」とか、80年代ぐらいのほうがエロに寛容だった印象があります。

 

これ意外と勘違いでして、規制されていないけれど、子どもはおろか大人が観るようなスペースにも、ヌードは本当に少なかった。なので、ヌード系映画に出てしまうと、「ポルノ女優」と呼ばれるようになってしまい、そこから服を着るドラマへと転身するのは、やたらと時間がかかりました。東映や東宝でも、専属女優を脱がしていたりしましたから、本当に需要は高かったけれど、今のようなSNSがないため、上映が終わると観れなくなり、消えてしまう。無かったことにしちゃう女優さんもたくさんいました。

そんな状況の社会においては、ソープランド、ファッションヘルス、ピンサロと種類が分かれる風俗業は、街の陰部として、裏路地に存在していました。これが大っぴらに店舗を構えたのは新宿歌舞伎町が元祖かなと思います。ジャンルとして、風俗を知らない人は同じに見てしまうでしょうが、とてもとても差別意識は高かったそうです。名残りとしては、「ソープ嬢はヌードにならない」とかでしょうね。ストリップもヌードの写真が一部に限定されていますが、その名残りです。「一瞬に昇華される芸術」という言い訳です。この言い訳が重要だったわけです。他とのヌード産業と差別をはかるためにも。

 

陰部であり、裏社会とつながっているけれど、必要悪として存在していたアダルト産業の中に、「店を構えなくてやることができて、レンタル店が購入していくため、猛烈に儲かる」新しい産業としてAVは登場したのです。

 

ここで重要なのは、隠れている部分がずっと大きかったということ。撮影している女子が誰かわからなかった。もちろん女優さんに近しいところにいた人たち、学生時代の友達とか元彼とかはわかったでしょうけど。しかしながら、直接会えないので、確認することはできないわけです。確信を得る手段がなかった。そしてそれはスカウトの部分にも反映されて女子の供給に使われていました。「普通の人たちは見ていないからバレない」という嘘ですけど(笑)。

 

AV登場して、VHSマシンが家に入った人は大喜びで見ていましたし、どんどんと値段が下がるごとにマシンを買う人たちが増加。当時の風呂なしトイレなしアパートに住んでいた大学生から若い社会人にとって、VHSマシンのほうが、リアルな女子よりもリアルなSEXだったかもしれません。

 

SEX産業として、今っぽいパパ活とか援助的なものは、援助交際とポケベルやPHSが登場した時代になるまでは、未成年とかのものではなくて、「夕暮れ族」とかのホテトルがメイン。大人の女性が何らかの理由で体を売るというものでした。殺人事件が起こり、ドキュメントとして取り上げられ、小説や映画のネタになったこともありました。その後は援助交際とブルセラという、JKというワードを作っていく流れを生み出しました。

 

AVは、実のところ、このような社会の流れに準じて変化しています。ブルセラというワードが出るまでは、大人の女性のSEXというのがAVの基本的な流れ。コスプレという概念もほとんどないので、それすらマニアな方向として見られていたのです。

 

当時の宇宙企画は、「宇宙少女」という専属女優たちに、白いワンピースと黒のロン毛、そして田舎の風景とセーラー服を合体されることで、ノスタルジーを喚起させる構造のAVを作りましたが、それこそ一部であり、通常はむしろ当時流行だったワンレンボディコンという扇情的な女子がメインとなっていました。風俗店ではファッションヘルスが主流になってきて、そこにいたのもワンレンボディコン、日焼けギャルがメインだったはず。

ブルセラの流れによる、AVギャルの見た目の低年齢化は、かなり影響は大きかったですね。その頃、すでにレンタルからセルビデオ時代になっており、21世紀に入る頃にはDVDと入れ替えが完了していました。昔のAVの価格を見てみると、1万円よりも上なのですが、レンタル店の購入を前提としたビジネスだったので、日本全国に3万店のレンタルビデオ店があれば、AVは3万本売れるという感じ。ロイヤリティなんてなかったわけです。人気AVギャルタイトルだったら、3万店×3本買ってくれて、9万本です。「全裸監督」でお金が飛び交ってますが、計算すると理解できますよね。今のAVとは「ビジネスが違う」のです。

 

そして援交とかブルセラとかが、未成年絡みで摘発されるようになると、そのとばっちりがAVに波及します。未成年を使ってなくても、「見た目が未成年だろうが!」という感じ。ファンタジーという説明は通じませんよね。実際、身長が低くて可愛い童顔女子は、AVだけでなく風俗でも珍重されています。意外と今も変わらないですね、この好みは。

「私、20年前J系でした…。」

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社会に影響があるくらいのアダルト系の事件が起こってしまうと、とにかく真面目に作っていたとしても、摘発されてしまったり制限を受けるのがアダルト産業であり、その一番突端にいて目立つのがAVです。なので社会から圧力がかかる波を受けたとして、抗うわけにはいかないのです。

 

その結果が、昨今では、「セクシー女優」という呼称になります。

 

AVというワードが地上波テレビなどの公共的媒体においてNGになっているわけで、それによって女優ちゃんから「AV」が外れたということ。彼女たちを出演させる番組や、話題に上げる番組がたまにあるため(お笑い芸人はAV好きですねぇ笑)、どこでも「AV」は変換しようがないので呼称してますが、「AV女優」とは呼称されません。セクシー女優を筆頭に、セクシー系の女優さんとか、アダルトな女優さんとか、雑誌なんかは艶系女優なんてのもあります。

 

AVというワードの使用が揺れてしまう時代が来るなんて、思ってもみませんでしたが、それこそ社会の意識変化によって起こりました。このように実のところ、社会に大きく影響されるAV業界ですが、本当に残っていくのでしょうか?

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AV業界は輝く未来ある業界である、YesかNoか?

最近の傾向をみると、「セクシー女優になりたい」という女子は過去と比べると増えています。それもネガティブな意見ではなくて、ポジティブな意見が多い。

 

「○○ちゃんが可愛い!憧れの○○ちゃんと一緒のお仕事をしたい」とか。

「私が輝ける場所は、この業界だと思う!」とか。とにかくAVに対して前向きでありネガティブじゃない。もちろんじゃない人もいるでしょうけれど、そんなことを考えていたらあっという間に飲み込まれて消えてしまい、稼げもしないのに自分の裸だけがメディアに残るなんてことになってしまうのです。

 

自己承認欲求がポイントとなり、セクシー女優が増えていく頃、「スカウトをするよりも、『難しいからやめたほうがいいよ』と説得することが圧倒的に増えました。9割がそれで、セクシー女優への斡旋をするのは1割いるかいないか」というような意見をスカウトマンが言っていたことです。その人は昔からスカウト業務に携わり、アイドルから風俗嬢、キャバ嬢まで、手広く業界に斡旋していた人。AV業界にもたくさん送り込んでいました。

 

「なんか夢を見ている子が増えて。ちゃんとシビアな部分を自覚していないとあとで壊れちゃうから」と言ってもいました。シビアな部分、もちろん撮影してくれるか否かとか、人気が出るか否かなど、不確定要素が大きい部分があり、その女優となった女の子を、その後も撮影続けるかどうかの判断は、スタートが意外とスムーズなだけに、芸能界よりもシビアに感じることが大きかったかもしれません。なのでこんなことを言っていたわけです。

 

需要と供給としてみると、昔は圧倒的に需要過多だったのが、2021年はすっかり供給過多となっています。先ほどスカウトマンが関わると書いたジャンル、どれもが言えることですが。

ここで問題が起こるのが、「女優が多いからといって、ヒット作が増えるわけではない」ことです。むしろパイを分け合っているように見えてしまい、大ヒットが少なくなります。さらには、女優レベルの上昇は、ユーザー側の満足度に至るレベルを上げてしまいます。ちょっと可愛いくらいではダメ。「芸能人よりも可愛い」なんてキャッチフレーズがついた女優がいたり、元芸能人セクシー女優が増えたのは、供給過多の兆しが見えた2010年代初頭でした。

 

しかもここにリーマンショックが起こり、全世界的にも不況になる。就職口が激減し買い手市場になってしまう。ここから「セクシー女優の寿命が伸びる」ことになったのです。「ちゃんと稼げているならば、人気があって需要があるならば、止める必要はない」ということ。さらには東日本大震災が起こり、拍車をかけます。

 

暗い影の部分が大きいと実は日の当たる部分も大きくなる。セクシー女優たちが、アイドル化し、「AVじゃない仕事」にたくさん引っ張られるようになったのがこの大震災以降だったことをお忘れなく。女優側に覚悟が生まれ、引っ張る側も常に、新しい人気タレントを欲する事態になっていたので、セクシー女優は引く手数多の状況だったのです。

「AV業界に未来はあるか無いか?」がこの章の命題です。上のことを考えると、「AV女優として覚悟を決めて入っていたら、薔薇色の未来が開けていた」なんて女優さんもいますね。逆にそこの部分も含めてセクシー女優になった人は意外と挫折も味わう。思ったようなアイドル人気は得られなかったという感じ。リアルなアイドルですら難しい時代なわけだし、トップオブトップのAKBGが総選挙やっていた時代ですから。

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これの真逆も誕生したのも事実です。実のところ、一部のマニア人気を得ていた女優以外は、ことプレイにおける注目とか、SEXマスター的な扱いというのはなされていませんでした。週刊誌が特集を組んだりしていましたけど、セクシー男優などの感想であり、観てわかるようなことではない。食べていないラーメン評論家の批評を聞くのは嫌いでしょ?日本人の傾向は「ガチ」にあるのは、格闘技をみれば一目瞭然なのです。

 

そこに登場する子は、ほとんどが人気者です。自称SEXマスターとしてAV業界に入った女子は、ここで失望させられるのです。「私のほうがSEXが上手い」と言っていて、その実、本当に上手かったとしても、「AVは観るもの」。見た目がエロいほうがいいし、なんだったらエロいよりも可愛いを選ぶ男子が多いのも日本人の傾向です。

アイドルの写真集が話題になる場合、このご時世で部数がどれだけ売れたかだったりしますけど、実のところのポイントは露出。戦略的な出し惜しみが成功しているのが本当のところです。なので、今どきの男の子たちに、「グラビア」というワードを与えると、洋服での撮影のことだったりします。ちゃんとしたヌードグラビアは壊滅しているのです。

 

セクシー女優も写真集を作っているし、作品ごとにパッケージを撮影していますが、昔と違うのは、露出だけでなく絡み写真もセクシー女優にはグラビア扱いされてしまう。どれだけ雰囲気のあるものを作っても、露出には勝てないのが事実なのです。本音とはこういうことです。

 

本業であるAVに関しては、何度も書いているように売上ダウン。買わなくなった、レンタルしなくなっただけでなく、違法アップロードされたり、様々な妨害にあっているようなものです。

 

こういう部分の補填として「じゃない仕事」が有効とされていたようですが、これは事実とは違う。やはり本業あってのセクシー女優なのです。もしもじゃない仕事でも評価されることがあるとするならば、それなり以上に本格的にやっている人だけです。練習や知識、あらゆる部分が高度に要求されるのです。

AVは、ある程度のレベルまでは女子はこなせるようです。SEXとはガチだけじゃない部分が大きく、脳まで刺激させるには、自分から望んで感じないとダメ。「演技しているかどうか」がSEXでは騒がれますが、本音をいえば、100%演技が入っているでしょう。だからこそ興奮するし、自分が何をしているのか、わけがわからなくなるのです。それが人を引きつけるということ。

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なのでセクシー女優になれる資質というのは、誰もが持っているわけです。スタイルとか見た目のエロさで買う人がいる時代とは、「需要がたくさんあった」時代。どんな男子もAVを観ていた時代のこと。その残像を未だに追い求めていると言えるでしょう。

 

AVに未来があるか無いかでいえば、現行のやり方がこれからもずっと続くとは考えられません。ユーザーも年をとっていくので、購買力が下がっていきます。もちろん、VRなど技術的な部分はアップしていくのは間違いない。テクノロジーの変化こそ、エンタメメディアが一番反映されていく部分ですから。でも買う側が問題になるわけです。

 

違法アップロードの問題は、サブスクすら揺さぶる問題です。それは、「AVにお金をかけない」層が世代的に存在するからです。つまり、「AVとは無料」と思っている世代があるのです。スマホからスタートした世代ですかね。検索などのノウハウが圧倒的に旧世代と違っています。使い方もまた違う。それだけ節約してもお金がかかりますから、無料なアプリしか観ない使わない。その結果は、サブスクの根幹を揺らしている。

安心できる部分があるとすれば、セクシー女優の供給は落ちないことです。ただし、エロで稼ぐナンバー1ジャンルとして君臨できるかどうかは怪しい。ソープランドが意外とその地位がぐらついているように、エロにもっと淡白な世代がいるのです。セクシー女優になったとしても、周囲にAVを観る人間がいなければビジネスとして成立しない。もちろん、セクシー女優の供給は尽きないのですから、違うパターンのビジネスを生み出す可能性があります。

 

女優は一応セーフ。ただし、望んだ金額を稼ぐことができる女子は一部になっていくことでしょう。SEXである限り、おのずと相手を必要としますから男優もセーフ。ただし一部の職人たちしかちゃんと稼げない可能性が出てくるでしょう。制作は一段と厳しいところにいきますが、巨大メーカーが裏から支えていて、インディーズに見えるインディーズ的ジャンルからヒットが生まれるかもしれない。リアルインディーズは製作費と売上がカツカツになっていくことでしょう。

 

AVの未来は輝いているか否か。この予測原稿を見た方々が判断をしていただいたほうが良いと思います。見方を変えれば、女優、男優、制作サイド、メーカー問わずに、拘った人たちによって輝かしい未来を作れる人がいるでしょう。成功体験とは、その人それぞれの尺度がありますから。

 

AVを観ていきたいと思っているユーザーの方々は、ちょっとでも違法的なものに手を出していけば、アウトになることをお忘れなく。無意識に観ているYouTubeだって、違法アップロード作品ばかり観ている人がいると思いますが、そういうビジネスが徐々に逮捕される側になっていく。自称YouTuberが、バカなことをやっての逮捕ではなく、お気に入りを細かく編集しアップするものがアウトとなるのです。

それと同じ気分で、違法アップロードを観ていると、ちゃんと自分に跳ね返ってくるのです。今は、丸々AV1本をアップされているものが主流です。回線ストレスが減ったことにより犯罪も増えてしまった典型例ですね。そんなAVも、2021年以降の人たちには長すぎるものとして写っています。前述のテレビのピックアップ編集した動画のような、『エロいい部分をピックアップ動画』とかが、違法アップロードの主流になるかもしれません。

 

いろいろと書いていますが、「真面目にAVに取り組む」人たちからすると、実はやりやすい時代になりつつあるかもしれません。「悪貨が良貨を駆逐する」時代から、「良貨だけが残る時代」に移っているような兆しも見えているからです。

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そろそろAVが世間から虐げられる理由を冷静に考えましょうか。

「全裸監督」を観た人たちならば、「AVっていうのはあんなにアウトローが集まっていたんだな」と思ったでしょう。彼らだけでなく、内緒で芸能界系が手を出しているとか、内緒で某有名世界的メーカーがやっているとか、いろいろあったようです。その中で話し合いが展開されて、今はなきビデ倫が作られ、無茶苦茶なことはせず、お互いの利益を守っていこうとなったのでしょう。それぐらい最初期は儲かったのです。

 

この初期段階で、風俗産業は、やのつく業界が牛耳っており、そこからの接触だってたくさんあったことでしょう。そこと同じに括られるわけですから、「虐げられて当たり前」ってことを当時は自覚していたはず。だからこそ、アウトロー的な発想をした人たちが多く集まっていました。アマチュアミュージシャンがロック的魂を発揮するためとか、映像アーティストが世の中をあっと言わす映像を撮影するためとか、そういう思想的な人たちもたくさんいたのです。

 

お金を稼ぐためという人から、自己思想の追及まで、いろいろな人種が集まり構成されていたAV業界。そこに入ってきた女子たちは、お金のためがほとんど。途中、思想にかぶれて変化を求める人なんかもいました。「全裸監督」に出てきますね。しかしながら、売れないと意味がないわけで、全員の思想はそこへとスライドしていきます。業界として成熟していくということがこれです。女子たちは、どうしてもいろいろな理由をつけて連れてこられた女子が多かったのも事実です。

そういう過去を、「自分達とは違う過去の話」と片付けようとするから、正義派を語る論客たちに負けてしまうのが現状でしょう。どう考えても法的に弱い立場だとするならば、それ以上に強い「法律部」を作っておけばよかったはずなのです。企業は節税のためだったり、いろいろな理由で法律の専門家を雇っていますね。AV業界は、訴えられた時に対応してくれる先生と契約はしていたけれど、自身から積極的な法律への介入は避けてきたのです。理由は、余計なことを詮索されたくないので、無視が一番という考え。それは正しいでしょうね。当時の状況で考えると。

 

AVはその後、テレビなどのメディアに普通に出演するタレントを生み出し、歌手以上のレベルを誇る歌手を誕生させるなど、「一般に通じる職業」として他のメディアに言われるがままに活動をしてきました。しかしながら、数年前にAV事務所が訴えられた事件以降、他のメディアが手のひら返しを行ったわけです。

 

「AVというのは必要悪ではなくて、存在してはいけない」的な感じの扱いです。結果、「AV女優」というワードが使われなくなったのです。

人気が出て、たくさんのタレントを生み出してほしいと催促され、業界内での大きな集客をするようなイベントを行い、その収支を報告し、ちゃんと納税して、社会的貢献のある団体であり、テレビを含むエンタメ業界の一部だと思っていたわけですが、蜥蜴の尻尾切りということ。そして使えなくなった「AV女優」というワードになるわけです。

 

「放送禁止用語」ということではないので、SNSでもテレビでも、「AV」という言葉はまだまだ活用されていますが、そこで活躍する女優に問題が出てしまったわけではないのに、AV女優が使用されず、セクシーだったり艶系だったりするわけです。テレビでのお笑い芸人がゴニョゴニョ言っている姿は、なんか「禁止じゃないけど使うなよ」という業界内同調圧力を感じずにはいられません。

 

しかしながら、AV女優というワードは、ほぼ終わったと思っていいでしょう。それ以上に本来ならば、シチュエーションの一部なので、それ以外では伝わらないワードも●伏せ字となっています。これもまた「あなた方も、社会的な一員であるならば、助長させるような使い方はしないように。わかっていますよね」という感じでしょうね。どんな言葉が消されているのかは、AVのパッケージを観てください。ここであえて書くことも無理ですから。

言葉としてプライドを持っていたとしても、変化を強いられることはたくさんあります。社会的な変化が起これば、当たり前だったものが瞬間的に消えていきます。戦争中はもちろん、似たような事例でいうと、「ソープランド」があります。前名称は訴えられ、1983年に呼称を業界内から変えることを発表されたわけです。その時、当事者じゃない人たちは、「わざわざ変えなくてもいいのに」という空気がありましたけど、変えないと攻撃される業界であるわけで、自分たちから変えたのです。

 

AVもまた、「悪いことなど何もしていない」と開き直ってしまうと、正義派と語る人たちからの攻撃がやまなくなることでしょう。だからこそ、NGという風潮が出てきた時には素直に従って変えなければならないし、変えることで延命し、業界がまだまだ伸び続けるわけです。

 

どうしても変えたくないという人もいるでしょうし、前は普通に使っていたから無意識に使っている人たちもいます。しかし一般メディアから避けられてしまっている事実を考えたら、ここは素直に変えたほうがいいはず。そして本来ならば、ソープランドのように、業界から変えたほうがいい。さもないといろいろな呼び名で呼ばれ、取捨選択を終えるまで、様々な呼称で呼ばれ続けることになるでしょう。

 

AV女優という呼び名だって、20年前のエロ本では彼女たちをそうやって読んでいなかったです。「AVギャル」のほうが普通に使われていました。メーカーが強くなっていき、彼らの提供する写真がないとエロ本が制作不可能になった時、メーカーに同調して、エロ本が「AV女優」と呼ぶようになり、ポピュラーになったのです。変わっていくことは問題ではない。むしろ逆らって何か起こるほうが、携わっている人たちを考えれば正しいことではないでしょうか。

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エピローグ〜AV女優がセクシー女優になるショックよりも、彼女たちがいなくなってしまう世界線を想像してはいかが?

普通に観ているAVがなくなる。そんなことを考える人はほとんどいないと思います。だってセクシー女優さんたちは存在しているし、AVは毎月リリースされているから。しかしながら、20年前の当たり前は2021年の当たり前ではありません。東京中にたくさんあった本屋さん。特に駅前周辺には大小様々な本屋があり、立ち読みすることとか普通だったと思います。それが今ではほぼなくなりました。「本屋で時間をつぶす」なんて事実を、今の10代は知らないことでしょう。

 

少しだけ前の世代には当たり前だったことが、当たり前ではなくなります。昭和歌謡曲が人気だとか、塩化ビニールで作られたLPレコードを「良い音の媒体」という人が増えているようですが、廃れた原因は、「古い」「いらない」という状況を作り出した世界です。ノスタルジックという揺り戻しがあって人気を得ていますが、それは揺り戻しであり、正確なムーブメントではありません。

 

ポルノ映画という動くエロを家の中に。エロ本というエロの象徴が動き出すといいな。こんな夢を現実にしたのがAVです。それだって、作る側だけでなく出演する女優、男優があって成立した世界。当たり前ではなかったことを当たり前のようにしていった時代背景があるわけです。

AVは、ファンタジーでありドキュメントでもある。というような曖昧なところが日本人に受けて跳ね上がったエンタメです。しかもエンタメと風俗のどちらに転んでいるのかわからない、コウモリのような存在だからこそ、受けまくった。そういう存在はちゃんと非難の対象になっているわけです。

 

日進月歩で歩み続ける技術が、非合法を後押ししてしまう時代において、AVの立場はとても危ういのです。「セクシー女優じゃなくてAV女優だ」と業界内で言い切って使用していても、やがては世論に押し潰される運命にある。世の中の状況を判断することを考えれば、「AV女優」に固執するよりも、世間が判断している「セクシー女優」に舵切って呼び名を統一するほうが懸命でしょう。

 

反抗的な立場をとったとしてもメリットがない。後ろ盾がちゃんとなければ立派なお城も砂上の楼閣として消えてしまう。ここでスパッと、「AVは世の中から無くします」という法案が通るとどうなるか。モザイクで作り上げた世界にも評価されているエロス。「AV」がなくなってしまうわけです。女優は非合法以上の非合法、犯罪となる可能性すら出てくることをお忘れなく。脅しでもなんでもない、過去にあった事実から検証した言葉です。

もし、AVが大好きで、セクシー女優が好きならば、即刻、「セクシー女優」と表記したほうがいいのです。もちろん信じなくてもいいし、「消えても一向に構いません」という態度でも大丈夫です。それは人の自由だし。非合法になったら高額品と違法の無修正が闊歩する世の中になるかもしれません。

 

世間に自分と真逆で、AVが大嫌いな人間がいる。それは好きな人と同じくらい存在すると思ってみたら、消える可能性が0じゃないこと、想像つきますよね。

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記事=麻雅庵

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