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スナックヤリマン通信 第6回【最多出勤キャスト、にせぽよの弱音!彼女に一体何が!?「さよならだけが人生だ」】

「さよならだけが人生だ」

連休明けの5月から金曜営業から火曜営業に変更となったのも束の間、既に5月も中盤となった。

「こんな日に知らんおじさんと話したくないよ~」

出勤するやいなや『スナックヤリマン』最多出勤のにせぽよが弱音を吐くのも無理はない。なにしろ初対面から1秒で「はい、ヤリマンです!」と微笑むという、常人ならフルパワーの状態でもなかなか困難なスナックヤリマン業務の開始10分前に、友人自殺の訃報が飛び込んできたのである。

訃報を受けたばかりのにせぽよ(写真左)と天音ウラン。シャンパンに小躍りするするが、その心中は察するものがある。

当企画最年少の25歳、全身を埋め尽くすタトゥーに大量のピアス、スプリットタンと、ヤリマンの話題の前に2時間ほどはもたせられるというツッコミどころ満載のルックス、そして両手と首に刻まれた膨大な自傷の傷痕という、この世の全ての業を背負ったかのような教科書通りのメンヘラ嬢にせぽよ。彼女に対し「まあ頑張ってよ」しか言えないのも支配人役の立場上仕方ないが、「そこまで頑張れるわけないよなぁ」と思っての発言であった。だが、その日のにせぽよはホントに頑張ったのである。

 

連休中は(きっとアレがアレして)何かと多忙を極めるヤリマンキャストたちだけに、通常は3~4人シフトの当スナック企画も、この日は2人シフト。1人欠けるだけで、牛すき鍋ワンオペ当時の某〇き家級の負担になってしまう。そんな中、親友の自死を酒で飲み込んで騒ぐにせぽよの姿は、筆者にはメンヘラである前に一人の立派なヤリマンとして映った。

同じくにせぽよと天音ウラン。

あまり知られてない事実だが、ヤリマンとは≪特に義理堅い種族≫なのである。

筆者のトークイベントに当日欠員ができた時、筆者が監督する映画撮影の脱ぎ役に欠員ができた時、頼りになるのはいつもヤリマン女性であった。そんな時の彼女たちは、恩を売るでもなく、「いや、いつも世話になってるから」という残り香だけを残し去ってゆくのである。女性とはとかく現金なイメージで語られることが多いが、彼女たちの義理堅さは別格である。

 

本稿でも何回か登場している〝経験人数3万人のヤリマン〟こと有奈めぐみ嬢は、実父自殺の葬儀に、葬式費用だけ家族に託してゆかず、「私の生きる道はこれだから」とデリヘルに向かった漢(おとこ)である。彼女たちの生き様は、義理堅さとともに、かつては〝男の中の男〟として語られてきた美学に満ち溢れている。

もはやヤリマン界の生ける伝説、視線からしてヤバイ有奈めぐみ(写真中央)。白玉あも(写真左)、にせぽよとともに。

にせぽよも、その1週間前には文字通りのワンオペとなってしまった時間に満卓となり、みずからを囲む客10人を放って一人黙々とスマホを操作している時には、「こいつマジか」と逆にその豪胆さに痺れたものだったが、親友を失ったこの日は、献身的に任務を完遂した。

 

年はゆかなくても尊敬の念を抱けるヤリマンとの、GWの一日であった。彼女たちがいる限り、これからも男の中の男、ヤリマンの生態を追い続けたい。

文・写真=福田光睦(スナックヤリマン代表/地下編集者)

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