もう数年前からAV女優は誰でもなれる職業ではなくなった。今、第一線で活躍するAV女優たちはみな、容姿やスタイルの高レベル化はもちろん、AVを仕事として捉え、AV撮影やイベントなどに対するストイックなまでの真面目な姿勢や、日々のSNSでのセルフプロデュースやファンとの交流など、一般職よりもはるかに高いレベルの努力をしている。この連載は、「なぜ彼女たちはAV女優を『仕事』に選んだのか」を軸にプロ意識をもってAVに取り組む女性たちに迫るインタビューです。
仕事が楽しくて仕方がない、と思いながら日々生活をしている人というのは、世の中にどれだけいるものなのか。おそらく、探してもなかなか見つからないはずだ。楽しんでやれる仕事…それに出会えることはどれほど幸せなことか、考えたことがあるだろうか。
2012年2月に現役高専生として18歳でAVデビューし、ショートカットで幼く見えるルックスと健康的なFカップ巨乳でデビュー作が大ヒットと華々しいデビューをはたした、SODが誇る国民的エロ屋の紗倉まなちゃん。
TVドラマ・バラエティ出演、ラジオレギュラー、同じ事務所の小島みなみちゃんとのアイドルユニット「おとといフライデー」、そして一般雑誌やネットメディアでのコラム執筆、2016年に刊行された処女小説『最低。』(KADOKAWA)2017年の『凸凹』(KADOKAWA)、そして2月25日(火)に第3弾となる小説集『春、死なん』(講談社)が刊行されるなど、現役のAV女優のまま活躍場を多方面に広げ続けているまなちゃんのAV女優感に迫ります!!
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「高専に行ったのは、なりたい職業があったから、というわけではありません」
──まなちゃんはもうデビューして何年になります?
気づいたらもう8年目になりました。
──デビュー当時、ここまで続けよう、みたいなことは考えたりしてました?
全然。私、翌日の午前中のことぐらいまでしか考えられない人間なので(笑)。
だから、本当に何も…こんなに続くとは思ってなかったですね。
──結構早いうちから、AV女優になりたいって思ってたんですよね。
そうですね、中学生くらいのときから思ってました。
──それなのになんで、高専まで行って、専門的な勉強をしようと思ったんです? 何か他になりたい職業があったんですか?
なりたい職業があったわけではないんですよ。いろいろと理由があって。
まずは私、小中と女子校だったんですよね。小中高一貫の学校で校則も厳しかったのですが、学費が比較的安いという理由もあって、小学校受験を親に勧められました。そこで、女性社会のツラさみたいなものに直面して。
女の子って、生まれながらにして女の子で、6歳とか7歳くらいから女の綿密な争いみたいなのをやるんですよ。そういうのを目の当たりにして、高校に行ってまでそういう環境にいるのはイヤだなって思ってたんです。
で、そのときに、中学の担任の先生から「お前は理数系が向いてると思う。1回高専に見学へ行ってみな」と勧めてくれたんです。
ちょうどその時期、家庭的な問題もいろいろと重なってて、家族各々が自立して生きていかないといけないとなった時、高専だと寮生活ができるし、学費もほとんどかからないからいいなって。
学べることも面白そうだし、座学だけじゃなく日々実験があって、多動児の私には向いてるなっていうこともあって選んだんですけど、そこに未来がある感じではなくて、どちらかというと…。
──どちらかというと、今を生きるために高専を選んだ、という感じ?
そうですね、本当にそんな感じでした。未来にどうしたい、こうしたい、というのはなくて。
ただ勉強は、専門が土木だったんですけど、言葉通りに泥臭い作業が多くて(笑)、でも私にはすごく向いてて好きだったから、続けられたっていうところですね。
──在学中にデビューしたのは、何か理由があったんですか?
魂も肉体も若いときに始めたい、という漠然とした思いはありました。とはいえ、AVの面接に行っても受かるとは限らないし、なによりAVに出て人にバレるっていうことをまったく考えてなかったですよね。
──すぐにバレちゃったんでしたっけ。
デビューして2週間くらいで。そこから毎日職員室に呼ばれて「これ、お前だろう!」みたいに言われてたんですけど、「違います、よく似てますね」っていう返答を繰り返しながら、2作目のソープの撮影に行ったりしてましたね(笑)。
まあ、なんとかごまかしきりました。
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──卒業後にしたほうがよかったのでは?
本当はそのほうがよかったんだろうなとは思いますけど、就職活動ってなったときにはAV以外の仕事を勧められてたと思うんで。
──まあ、普通は勧められませんよね(笑)。
卒業して一般の企業に就職したら、たぶん私、会社にも社会にも全然馴染めなかったと思うんですよ。
女の子の友人が就職したんですけど、もう周り全員、男の子しかいなくて、技術職で女1人でやっていくのは結構大変だって話をしていたので、在学中にやろうって決めたのは、自分的にはよかったのかなって思ってます。
学校には、申し訳ないことをしちゃいましたけど。
「これが仕事なんだって気づいて、楽しむだけではダメ、きちんとしなければ…って思ったんです」
──そんな感じだと、就職してたとしたら、AVをやろうかなって気は起きなかったかもしれませんね。
本当、絶対そうだと思います。いっぱいいっぱいになって、やろうっていう考えには至らない状況になってたかもなって思いますね。
やっぱり何も考えていないときに始めるのが、すごく怖くてリスクもあるんですけど、同時に勢いがあるから得られた、みたいなものもすごくあって、だから私的にはいい決断をしたんじゃないかなって思います(笑)。
──入ったときは、仕事をするぞっていう気概で入ったんですか?
興味本位というのが大きかったですね。憧れの仕事をするぞ、という考えはなくて、もっと手前の段階、「どんな人たちがどんなふうに作ってるんだろう」みたいな感じでしたね。
──例えば「コンビニでバイトします」というような感じではないってことですよね?
そうですね。事務所の面接だったり、メーカー回りをしているときは「これが就活だ!」みたいな感覚ではあったんですけど(笑)。
でもその時だけで、撮影が始まったら「こんな感じなんだ〜」とか「撮影ってこんなに長く時間をかけて行うんだなぁ」とか、当時は仕事ではなくて、遊びに来たみたいな感覚でしたね。何もかもが新鮮でワクワクするみたいな。
──習い事をしているような感覚?
そうかもしれませんね。撮影をすればお給料をいただけるわけですけど、そのときは仕事をしているという感覚よりも楽しさが上回っていたので、お金のことなんて全然頭になかったです。
──それが「AVは仕事だ」っていう意識に変わっていったのはいつ頃か覚えてます?
覚えてます。2作目からですね。
──早いですね。
1作目は、事前になにも聞かされてなくて。今だったらダメですけど、台本がなかったんですよ。
でも、私は別に求めなかったですね、台本を。むしろ、みんなが誕生日にサプライズをしてくれているような感じで、私はどんなサプライズがくるのかを楽しみに待っている、みたいな感覚だったんです。
でも、2作目がソープもので、ソープっていろいろと技を身につけて奉仕するものじゃないですか。それで、台詞も多く、技術も問われるソープ作品にチャレンジしたことで、1作目とは全然違うなって感じました。
それと、1作目が出てすぐに周りにバレたんですけど、いろんな人が見てくれたっていうのを知って、初めて自分が世の中と繋がれたっていうのを感じて心構えが変わったんです。誰かに見られてるという意識がすごく強くなるのと同時に、これが仕事なんだって気づいて、楽しむだけではダメ、きちんとしなければ…って思ったんです。
──AVで「きちんと」というのを定義するのは、なかなか難しいですけど…。
私は、台本は前日までにできる限り全部覚える、とか、髪の毛も2週間に1回切りにいく、とか、こういうメイクをしたら好かれるんだ、とかですね。
──今は「きちんと」が当たり前になってるんじゃないですか?
それが…なんというか、すっごく神経質になってしまったんですよ。撮影もすごく緊張するようになってしまって…。
──最初は楽しくやれてたんですよね?
デビューして3年くらいまでは、猪突猛進というか、とにかく全力で駆け抜けるという感じで、仕事を頑張ろうっていう情熱がありつつも撮影はリラックスしてできてました。でも、3年ぐらい経ったときに他の女優さんを意識するようになったら、なんだか自信がなくなってきちゃったんです。
というか、自分にできることって意外とできているつもりでもできてないじゃん、自分の価値や需要ってなんだろう、と考えるようになったんです。他の女優さんのテクニックがすごかったり、私とは違うやり方でファンの人を喜ばせているのを見たときに、自分の幅の狭さがすごく嫌になってしまったんです。
そこから、撮影で何かを指摘されるのがすごく怖くなって、小さな虫刺されひとつも絶対に痕が見えないように消し切るまで現場には行けないとか、男優さんに嫌われたくないから、歯磨きやシャンプー、その他すべてのエチケットを整えられるまで時間がかかるようになってしまって。
だけど、現場でそんなに時間がかかると、スタッフさんとかに「あの子、遅くてすごい待たせるんだよ。天狗になってんじゃないの」みたいに言われてしまったら悲しいから、朝すごく早く起きて、全部の身支度を整えるようになったんです。
「見てくれるなら、好意を持って見てほしい、好意を持たないなら、私を見ないでほしい…」
──人に見られる職業だっていうのを、意識しすぎちゃったわけですね。
そうかもしれないです。気にする対象が、それまでは自分を好きでいてくれるファンだけだったけど、そのうち、私を好きになりかけてる人、嫌いな人、仕事で関わる人…とどんどん気にかける人の輪が広がっていったんです。
──その状況って、ツラくないですか?
結構キツかったです。今もすごく緊張しますけど、緩やかではあるものの、少しずつ落ち着いてきてはいます。
──それだけいろんな人を取り込みたいと思うということは、自分をもっと見てもらいたい=どんどん有名になっていきたい、という気持ちが強いってことですか?
デビューした頃は、有名になれば自分の作品が売れやすくなるだろう、とか、人気に繋がる特典が増えると勝手に思っていました。そういった意味で有名になりたいと思っていた時期はありましたけど、だんだんそういう気持ちは薄れていきましたね。
──もう有名にはなりたくない?
見てくれるなら、好意を持って見てほしい、好意を持たないなら、私を見ないでほしい…そう思うようになったんです。
全然知らない人が勝手に私のことをいろいろ言ったり、知らない自分が1人歩きすることがすごく気持ち悪く感じちゃって、見られることへの怖さが強くなったんですよね。
──広く浅く顔を売るよりも、狭く深く、という感じですね。
そうですね。やっぱり私、人との関係構築の仕方は、それが好きなんだなって思いました。
──AV以外の仕事もいろいろとやられてますよね。そっちの方を広げていきたい、みたいな考えはないんですか?
全然ないです。他の仕事ができるのはありがたいなとは思うんですけど、当たり前な話、人には向き不向きがありますし、『向いていない=ちょっと辛いな』って感じてしまうお仕事に出会ってしまうこともあるので…。
──せっかく楽しく仕事してるのに、嫌な仕事まで入ってきたらツラいですよね。
このAVの仕事って結構恵まれているなって思ってるんです。ツラいと感じる仕事に出会ってしまったのは、ここ2年くらいの話なんですよ。
その前の6年はどうだったかっていうと、ほとんどツラいことはありませんでした。毎月撮影をして、イベントをして、バラエティとかあったらちょっと出たり、ラジオに出たり。でもそのときのお仕事は、全部エロに付随していたんですよ。エロいことを言うのは自分の専門だから、抵抗もなければ恥じらいもない、みんなで楽しくエロを盛り上げよう、みたいな仕事が多かったから「この業界、住みやすくて最高!」って思ったんですよね。
そんな中で、いざ分野の違う仕事にチャレンジしてみたら、自分は井の中の蛙のまま過ごしてたんだな…何もできないんだな…って痛感させられたので。
──いろんな仕事が入ってくることによって、最高の仕事が普通の仕事になってしまったんですね。世の中のほとんどの人は、そういう感じで仕事をしてるんですもんね。
みんな、本当に偉すぎますよ。私が普通に会社勤めしてたら、絶対すぐに「無理!」って辞めるか、病んでただろうなと思います(苦笑)。
ただ、今は「AV女優だからできないんでしょ」って言われるのが他の女優さんにすごく申し訳なさすぎるので、頑張って努力しています。
──あまり無理しないでくださいね。せっかくいい業界に入ったんですから、この業界が嫌にならない程度で。
はい。ありがとうございます。
──ちなみに、どこまで続けよう、みたいなのは考えたりしてます?
できる限り、長く続けたいなとは思うんですけど…。
──思うんですけど?
自分で自分を客観視したときに、今はもう自分の時代じゃないな、と思ったときは身を引こう…とは思ってます。
本当は熟女までやりたいとか、いろいろと夢はあるんですけど。
──まあ、難しいですよね。ずっと続けていきたいと思っている人が、引退とか辞めたときを想像するのは。
いえ、みんな考えますもんね。でもまあ、確かに難しいですね(笑)。
──ぜひ、熟女・紗倉まなも見てみたいです!
SODの専属で1番長かったのが、範田紗々ちゃんだったらしいんですけど、4年だったかな。初めて聞いたときは「めっちゃ長い!」って思いましたけど、気づいたら私はその倍(笑)。どんどん更新していけたらいいですね。
初出:ソフト・オン・デマンドDVD 2019年9月号 Vol.99の内容を一部加筆修正しています。
≪2月20日発売最新作≫
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