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【連載インタビュー・職業「AV女優」】Vol.6 浅田結梨(現・深田結梨)なぜ彼女たちはAV女優を「仕事」に選んだのか。苦悩・葛藤・熱い思いなど彼女たちのAV女優観に迫るディープ・インタビュー!

もう数年前からAV女優は誰でもなれる職業ではなくなった。今、第一線で活躍するAV女優たちはみな、容姿やスタイルの高レベル化はもちろん、AVを仕事として捉え、AV撮影やイベントなどに対するストイックなまでの真面目な姿勢や、日々のSNSでのセルフプロデュースやファンとの交流など、一般職よりもはるかに高いレベルの努力をしている。この連載は、「なぜ彼女たちはAV女優を『仕事』に選んだのか」を軸にプロ意識をもってAVに取り組む女性たちに迫るインタビューです。

浅田結梨ちゃんは(現・深田結梨)2015年11月に秋葉原の現役メイドさんという本職をもったままデビューしました。デビュー後はタレント活動も始め、その肩書きは「現役のTVタレント」「現役のメイド」そして「AV女優」となりまたくまに人気女優へ。2018年に改名をし「深田結梨」として現在も活躍中の結梨ちゃんのAV女優感に迫ります!

Profile 1997年1月10日生まれ。 T150・B88(Fカップ)・W60・H89。 趣味・特技はバレーボール、空手。 公式ツイッター<@yuuriman_>公式インスタグラム<@yuuriman_

「超お金に困ってて、風俗の面接へ行った帰り道に、AVにスカウトされたんです」

──浅田さんってSODからデビューしたんですよね。

はい。『副職AV女優』だったんですけど、本当にそのままでした。

現役のTVタレント!そして秋葉原の現役メイドさん 浅田結梨 AV DEBUT
現役のTVタレント!そして秋葉原の現役メイドさん 浅田結梨 AV DEBUT

 

 

──本当にのメイドさんだったんですね。

それがまたなぜ、AVをやろうと思ったんです? 17歳のときに上京してきて、生活のためにバイトをしなければいけなくて、最初はコンビニでやっていて、その後にメイドカフェで働き始めたんです。

メイドはずっとやってみたくて、地元にいたときも駅前に1軒だけあるメイドカフェの面接へ行ったんですよね、落とされましたけど(笑)。ただ、時給がすごく安かったので、お金が全然なくて……。

 

 

──えっ!? 飲み物も食べ物もあんなに高い金額するのに?

会社が吸収しちゃってるんじゃないですかね(笑)。

なので、超お金に困ってて、18歳になったんで風俗系の仕事をしようと思ってたんですよ、お金を稼ぐならこれだろうって。それで、風俗の面接へ行った帰り道に、AVにスカウトされたんです。

 

 

──考えていた風俗系の仕事の中に、AVという選択肢はなかったんですか?

AVも稼げるイメージはあったんですけど、入ってませんでした。

地元にいた時、マスカッツの番組をよく見てたんですけど、みんな芸能人みたいで、キラキラ輝いていて格好いいなって憧れてました。私じゃ到底無理だって思っていたので、スカウトされた時は本当に嬉しくて、次の日にはもう事務所で面接してました。

 

 

──それはなかなかに運命的ですね。

本当に、勝手に運命を感じましたね(笑)。

もし声をかけられてなかったら、今頃どこかの風俗で働いてたと思いますから。

 

 

──事務所でいろいろ話を聞いて、不安や抵抗感はなかったですか?

抵抗はあまりなかったような気がしますね。不安もあったように思いますけど、それよりも興味の方が先行してましたし、テレビで見ていた人たちみたいになりたい、っていうのもあったので。

唯一の不安としては、みんな可愛いし綺麗だから、私で大丈夫なのかな……っていうことでしたね(笑)。

 

 

──ずいぶんとネガティブだったんですね。

そうなんです。しかも、飽きっぽくて、興味が向かないことには一切関心を持たないし、興味を持つ範囲もすごく狭い。

だから、AVもこんなに長く続けられるとは思ってませんでした。

 

 

──やってみたら楽しかった?

そう、楽しいし、何より自分の居場所を感じることができたんです。

地元は小さい田舎村で、良くも悪くも昔な感じのところだったんですよ。

私、高校には進学したんですけど全然行ってなくて、周りから「学校に行ってないあの子はなんなんだ」みたいに言われてて、ここには居場所がないって思って上京してきたから、それが嬉しかったんです。

 

 

──それは……

でも、そういう性格だと、人前に出るのは苦手なのでは? 恥ずかしがり屋ではありましたが、小学生の頃は女優になるのが夢だったんですよ。

あ、AV女優ではなくて普通の女優さんです。

それを母親に相談したら、「無理だよ」ってほぼ即答で言われて……。

小学生が親からそんなこと言われたら、心折れますよね。それが私のネガティブ思考の原点かもしれません(苦笑)。

 

 

──仕事自体は、やってみてどうでした?

めっちゃ楽しかった!

恥ずかしいし緊張したけど、現場に行けばちやほやしてくれて、綺麗にお化粧してもらって、可愛い服を着させてもらって、大好きなSEXができたので。

それでお金がもらえるなんて、なんていい仕事なんだろう、これは天職だって思いましたね(笑)。

 

「『お金・時間・クソガキ』この3つが揃ったらろくなことないですよ」

──じゃあ、もうすぐにこっち1本に?

デビューしてしばらくはメイドもやってました。

でも、お給料めっちゃ安いし、面倒だなって思って、籍はあったけど全然行ってない状態でした。

特殊メイクの専門学校にも通っていたんですけど、特殊メイクは将来稼ぐのが難しいし1つの作品を作るのに時間も取られるし……というのを考えたら、もうAVに専念しようって思って、1年生で辞めちゃいました。

だけどそれがよくなかったんですよねぇ。

 

 

──なぜです?

専属だと、撮影は月に1回ですよね。

だから時間がたくさんあって、しかも今まで以上にお金がある。

そして、まだ19歳のクソガキだったので、撮影以外は遊び倒してて(笑)。

現場でちやほやされて天狗じゃないですけど、調子に乗っちゃったんでしょうね。しかも、ワガママ言いまくり、業界の人喰いまくり、みたいな(笑)。

『お金・時間・クソガキ』この3つが揃ったらろくなことないですよ。

だから、専属の時の自分はあまり好きではないんですよね。

 

 

──それじゃダメだと思ったきっかけが、何かあったんですか?

初めて性病にかかって、目が覚めました。1ヶ月くらいまったく仕事ができなくて……。

キカタンになって少し経った頃だったんですけど、やればやるほど仕事が減っていってる感じがしてて、そこに性病の追い討ちがきたんです。

さらに、ずっとお世話になっていたマネージャーさんが辞めちゃって「このままじゃダメだ。自分の力でなんとかしていかなきゃいけないんだ」っていうのに気づいたんです。

それまでは、仕事は『来るのが当たり前』という考えだったけど、『当たり前』じゃないんだっていうのを。本当の意味でAV女優を仕事だと思ったのは、その時からですね。

 

 

──考え方以外に変わったことは?

台本を自分でしっかり頭に入れて把握する、とか、監督さんの求めているものを理解する、とか、とにかく自分で考えることがいろいろと増えましたね。

あとは、ブランディングも自分でしていかなきゃダメなんだって思って、ツイッターとかで個性的なつぶやきをするようにしたんです。

 

 

──結構過激というか面白いつぶやきが多いですよね。

自分でも結構見るんですけど、某掲示板に名前の挙がる女優さんって、みんな知名度が高いんですよ。

私もそうなりたいって思って。

だけど、キャラを作ってるわけではないんですよ。

無理してやってるわけじゃなくて、素直に思ったことを書いてるだけです。

逆に、デビュー当時の方がキャラ作ってて大変でした(笑)。

可憐で清楚で可愛い、というのはたくさんいるから埋もれちゃう、自分のキャラ、芯がないとダメ、それじゃあ素でいこうって思ったんです。

AV女優は人に見てもらってナンボ、何か話題性がないといけない、それにはエンタメ力が必要だと思うんですよ。

キャラを作るというのも、プロ意識だとは思うんですけど、それがすべてではないと思うんですよね。

 

「キカタンになって大人になれたことがたくさんありますね。キカタンの方が大変なんですよ」

──すごく考えてますね。

でも、荒れてた時期に会いたかったなぁ。

今とどのくらいギャップがあるのか、見てみたかった(笑)。

考え方が変わったのって、どれくらい前になります? マネージャーさんが辞めたのが昨年末だから……半年くらいですね。

だから、結果は出るのはもう少し先になるかなぁ、と思ってます。

 

 

──もう結果出したじゃないですか、SODアワードで。

あれは……本当に嬉しかったです。実はデビューした時から「新人賞を獲りたい!」っていってたんですよ。

その新人賞のノミネートを逃したあたりからモチベーションが下がってきて、荒れた原因のひとつでもありました。

そんなんだから、アワードには呼ばれたけど「どうせ私はもらえないし」ってやさぐれてお酒をガバガバ飲んでたんです。

そうしたら「あさだゆうり」って呼ばれて、もうびっくり(笑)。ああいうのって、事前には知らされないんですね。

 

 

──今、モチベーションMAXなのでは?

そうですね。ただ、これ

はあくまでも通過点、いやスタートラインかな。もう慢心したりはしません(笑)。

 

 

──すばらしい、大人の考え方ですね。

キカタンになって大人になれたことがたくさんありますね。

いろんな女優さん、いろんなメーカーさんでお仕事させてもらうことで、いろんな社会経験や学びがあるので。

時に幼い部分が出てしまって、まだまだだなって思うことも多々あるので、もっともっと成長していきたいです。

というか、キカタンになってから「浅田はキカタン落ちした」みたいなことを言われたんですけど、キカタンの方が大変なんですよ。

専属は専属で大変なことはありますけど、キカタンの方が求められることもやらなきゃいけないことも多いから。

たしかに、自分が専属だったときは、優越感を感じていましたけど、実際にやってみてキカタンの方がすごいんだっていうことに気づきました。

だから、いまだにキカタンが下に見られているのは、本当に腹が立つんですよね!

 

 

──たしかに。

……すみません、怒っちゃって。

やっぱりまだまだ子どもですね。

ツイッターの炎上にはだいぶ慣れたんですけど、これだけはホント、言っておきたかったので。

 

 

──わかります。

でも、浅田さんがこれからどんどん活躍していけば、専属もキカタンも同等だって示せると思いますよ。

ありがとうございます。じゃあ、怒りついでにもうひとつ。

キカタンになってから感じてたことなんですけど、1日でいろいろと撮らないといけないから、結構ピリピリしてる現場が多いんですよね。

AVもビジネスですから、コストを抑えなければいけないのはわかるんですけど、エロってそういう感じで撮るものじゃないでしょって思うんです。

AVはユーザーさんがお金を払って見てくれているのに、女の子の表情が硬かったりピリピリ感が作品の中に入ってたりするのはどうなの?って。

だから、女の子はもちろん、スタッフさんとかも働きやすい業界になって、みんなが楽しく思いやりを持って仕事ができるようになってほしいですね。これ、ツイッターでつぶやいたら「業界批判だ!」って炎上したんですけどね(笑)。

 

 

──いつかプロデューサーとかになった方がいいのでは(笑)。

プロデューサー、それ、ありかも(笑)。

 

 

──ちなみに、女優はいつまでやるとか考えてます?

具体的には考えてないですけど、私も女の子なので、いつかは結婚したいなと思っているので、その時が辞めどきなのかなぁって思ってます。

ただ、今はやりがいや充実感を感じてますし、女優という仕事は本当に天職だと思っているので、すぐにどうこうということはないと思います。

AVの仕事の他にも関わりたかった映画のお仕事、一般映画のオーディションにも受かったし、今後はどんどん活動の幅を広げていきたいですね。でも、メインはAVですけどね。

 

 

──旦那さんが許可したら、結婚してもAV続ければいいんじゃないですか。

そっか!それいいですね。じゃあ、そういう許してくれる人を探します。

 

 

──業界の人なら、理解してくれるのでは?

い、いや、業界の人はいいです、いろいろ大変なので(笑)。

 

 

──一般の人となると、女優は無理でも裏方ならもしかしたら……。

そっか、じゃあそれで! 主婦やりながらプロデューサー、いいかも。もしかしたら10年後とか、プロデューサーとしてデマンドにいるかもしれませんね(笑)。

初出:ソフト・オン・デマンドDVD 2018年8月号 Vol.86の内容を一部加筆修正しています。

 

<SODグループ出演作品>

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