今回のSODアーカイブスで紹介するのは、かつて宇宙少女としてデビューし、美少女ブームを牽引したつかもと友希が女優魂のすべてをぶつけた官能エロ小説作品『つかもと友希 遊女』だ。
高橋がなりがTOHJIRO監督の非凡な作家性に目を付けて、始まったのが「ON」レーベルである。
それまでAV女優の芝居シーンは早送りされることが多かったが、エロスをきっちりと描くことで1本の作品として昇華させた。
今ではありえない予算をかけて制作された傑作だ。
【「TOHJIROの好きなように撮らせる」という英断】
高橋がなりの凄いところは、自称「商売人」でありながら、クリエイターをリスペクトしている点にある。
それは、高橋がなり自身がテリー伊藤氏のもとでテレビ番組制作に携わっていた経験が大きく影響しているわけだが、通常AVのプロデューサーは、ヌケないシーンに力を入れようとするAV監督にストップをかけるのが仕事でもある。
しかし、高橋がなりはTOHJIRO監督の才能をいち早く見抜き、TOHJIROの好きな「ドラマ物」を撮らせることにした。
しかも「ON」レーベルは、通常のセルビデオよりも価格帯を高めに設定して、値段が高くてもレベルの高いAVを見たいユーザーを獲得することに成功。
数々の話題作、実験作を送り出していくのである。
80年代後半の美少女ブームを牽引したAV女優「つかもと友希」
つかもと友希は、今から29年前の1988年に「牧本千幸」という名前で宇宙企画からAVデビューした。
いわゆる「宇宙少女」として大人気となるのだが、若い人には「宇宙少女」と言われてもピンとこないだろう。
宇宙企画から単体デビューできるということは女の子にとってステータスであり、「宇宙少女」と言えばAVアイドルの代名詞でもあった。
2年後の1990年に引退するものの、それから7年後に「つかもと友希」に改名して復活。
7年ものブランクがあると、大抵はかつてのファンはがっかりさせられるものだが、彼女の場合は年相応の色気をまとって、熟女として再ブレイクを果たした。
改名の理由は「かつての所属事務所で使用していた女優名は使えない」ためだが、彼女の場合は「牧本千幸」=「宇宙少女」、「つかもと友希」=「人気熟女女優」という印象が強く、結果としてうまく芸名の使い分けとなっており、違和感があまりない。
2011年にAV女優を引退した。
【ワンパターンを嫌い次々に冒険していく「ON」レーベル】
高橋がなりの英断によって生まれた「ON」レーベルでは、麻生早苗の『レアフェティッシュ』などの実験作を発表する一方で、演技志向の強い女優たちにチャンスの場を与えていった。
森下くるみはもちろん、河合美奈、君崎ゆい、三田友穂、吉井美希といった人気女優たちが、他のメーカーでは見せない「女優」としての顔を見せたことが印象的である。
それもこれもTOHJIRO監督の「元映画監督」という経歴あってのものだろう。
TOHJIRO演出の優れている点は、現場での状況に応じて、改めて準備しておいた脚本をどんどん書き変えていくところだ。
これがなかなかできず、無理に台本通りに撮影を進めて後半で破綻してしまうという監督が多い。
また、女優の気持ちが高まるまでカメラを回さず、「気持ち待ち」をすることも特徴である。
演技の経験などほとんどないAV女優たちが、目薬を使わずにカメラの前で自然に涙を流すシーンを撮影現場で何度目にしたことか。
さらにカメラマン、照明、音声、メイクなどのスタッフも一般作品で活躍する一流どころが担当している。
今では考えられないような豪華な予算とスタッフを使った数々の名作を生みだした、それが「ON」レーベルなのである。
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