1996年にデビューした、90年代後半を代表するAVクイーンの小室友里。
レンタルAVとインディーズビデオの過渡期を経験した最後の単体女優でもある。
現役時代からコラムで才能を発揮し、引退後もマルチな活動をしている彼女の目には、今のAV業界はどう映っているのか…?
今回のSODアーカイブスは特別編ということで小室友里さんの過去インタビューをお届けします。
Profile
1957年生まれ。1995年に19歳でグラビアモデルとしてデビューし、1996年にAV女優となる。1999年に引退するまで人気、実力ともにトップ女優として君臨する。引退後は心理カウンセラーの資格を活かし、口喧嘩からセックスレスまで男女コミュニケーションの専門家「ラブヘルスカウンセラー」として活動。またコラムにストとして雑誌や新聞に寄稿。さらにマネーの虎で人気を博 した高橋がなり氏のYouTubeチャンネル『まえむき人生相談 』で高橋がなりが選出した「人生の先輩」の1人として参画している。
HP▶︎小室友里オフィシャルWEBサイト Twitter▶︎@yuriwan0728
デマンドさんに出たことでいい意味で鍛えられました
今回、取り上げてくださっている『美憐女教師残虐レ○プ』は1999年の作品なんですね。
私はその年の9月に引退しているので、撮影をしたのは3月か4月だったと思います。
引退を決めてからは「どういう撮影スタイルでもかまいません!」と宣言していたので、事務所も今のうちに撮れるだけ撮ってしまおうということで、すごく過密スケジュールだった記憶があります。
この作品も1日で撮影したんじゃないかなぁ。
今では当たり前かもしれませんが、その当時としては、1本の作品を1日で撮影するのは珍しいことだったんですよ。
デマンドさんの撮影で忘れられないのが『全裸エステ』。
監督がTOHJIROさんで、「カラミなしで、カラダや表情でヌケる作品を作りたい」というコンセプトのもと、2泊3日で韓国ロケに行ってきました。
痩せてキレイになるために、2日半ごはんを食べられなかったんですよ。
韓国滞在中は酵素ドリンクを飲んで、60℃くらいある洞窟サウナに45分くらい入ったりとか。
スタッフさんが目の前で美味しそうなごはんを食べている姿を見るのが本当にツラかったですね。
イラッとしている表情もしっかり撮影されてしまって、そこもTOHJIRO監督にしてみれば、重要なヌキポイントだったみたいです。
大変でしたけど、いい意味で鍛えられたと思っています。
多いいときは雑誌や新聞に連載を10本持っていました
1996年デビューなので、3年半のキャリアですけど、その頃の女優さんの中では長いほうなんです。
当時は1本だけ出て辞める子が多かったし、3本出たらベテランさんって言われていた時代でしたね。
AV女優を途中で辞めようと思ったことはなかったですよ。
これは仕事なんだと思って取り組んでましたし、そもそも楽しかったですし。
ただ辞めた後はどうしようかな?ということは常に考えていました。
物書きで生活していこうと思っていたので、現役中に雑誌の連載を持つ様にして、それをぜんぶ自分で書いていたから、それなりに力はつきましたね。
雑誌にコラムを書くきっかけは、友人の星崎るなが『アップル通信』に連載をもっていたのが羨ましくて、「いいなー、私も書きたい」って編集さんに言ったらやりましょうって言ってくれたんです。
それから内外タイムスさんとか週刊大衆さん、その他からも声をかけていただいて、気づいたら連載が10本になってました。
現役中の3年半に作ってきた人脈が今も力を発揮しているので、時代に恵まれていたなぁと思います。
今の女優さんたちは、私の頃のように自由に動けない部分もあって、次に繋がる一歩がなかなか作りづらい環境なのかもしれないですね。
事務所に所属しているとはいっても、自分である程度は営業する能力がないと、AVを辞めた後にしんどいんじゃないかと勝手に心配しています。
AV女優だったからこそ言えることがある
AVを引退してからは主に執筆活動をしています。
それと舞台。
ちょっとだけ歌を歌わせてもらったりとか。
今はセクシャルを含んだカウンセリングをしています。
多くの皆さんが悩んでいるのが、セックスレスの問題なんですよ。
女性にとってセックスは日常なんですよね。
ごはんを食べる、掃除するのと同じレベルにセックスがあって、コミュニケーションの1つとして捉えているんです。
男性はセックスを特別なものとして考えているので、テクニックを重視したりして、うまくいかなかったり。
話を聞いていくと、原因は日常生活にあって、旦那さんのこういうところが気に入らないからセックスも嫌だということがわかってくる。
それなら、ここを直しましょう、そのためにこうしましょうというのがカウンセラーの仕事です。
小室友里という名前を使い始めて、20年目なんですが、こんなに長く活動できているのは、AV業界が私を育ててくれたからだと思っています。
なので、恩返しをしたいと考えていて、いま現役で頑張っている女優さんたちに、AVを辞めた後もこういう道もあるんだよって、選択の1つとして見せることで何かの役に立てればいいなと思いながら頑張っています。
※このインタビューは『ソフト・オン・デマンドDVD 2016年2月号 Vol.56』に掲載されたものを再掲載したものです。
残念ながら『美憐女教師残虐レ○プ』は廃盤となりお見せすることはできませんがTOHJIRO監督の『全裸エステ』は『SODFree』で無料で視聴できます。イライラとしている表情とか剥き出しの<自分>が出ている『全裸エステ』をお楽しみください。